『栗林隆 Roots』神奈川県立近代美術館 葉山で 展示室以外のさまざまな空間で新作インスタレーションを展開
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《Betonhaus(コンクリートの家)》 1997 カッセル総合大学校内、カッセル、ドイツ
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すべて見る1968年に長崎で生まれ、ドイツ留学を経て、現在はインドネシアと日本を往復しながら国際的な活動を展開するアーティスト・栗林隆の個展が、12月14日(土)から2025年3月2日(日) まで、神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。通常の展示室ではなく、エントランスや講堂、中庭などの空間を舞台とした特別な展覧会だ。
自然と人間の関わりに対する深い関心から、一貫して「境界」をテーマとしてきた栗林は、ドローイングやインスタレーション、映像などの多様なメディアを用いて、身体的な体験を観客に促すような作品を国内外で発表してきた。例えば、展示室の中に和紙でつくられた林が広がる《Wald aus Wald (林による林)》(『ネイチャーセンス展』2010年、森美術館)、あるいは原子炉の形を模した構造物を薬草による蒸気で満たし、そのなかで鑑賞者たちがともに過ごす〈元気炉〉シリーズ(2020年-、下山芸術の森 発電所美術館ほか)など、いずれも体験する者の認識を揺るがすような刺激に満ちた作品である。
近年ますます活躍の場を広げている栗林は、2022年には大学時代を過ごしたドイツのカッセルで5年毎に開催される現代アートの国際美術展『ドクメンタ15』に出品し、2023年には『六本木アートナイト2023』のメインプログラム・アーティストにも選ばれている。今回の展覧会は、いま最も注目されている作家である栗林が、本来は展示空間ではないスペースのために発案した新作インスタレーションを葉山館の様々な空間に設置するという、かつてない試みを行うものだ。あわせて、未発表のドローイングや映像作品なども展示し、これまでの30年近くに及ぶ作家の思考をたどるという。葉山の海と山に囲まれた自然の中で、普段の展覧会では使わない空間を用いた栗林の大規模個展の会場で、ぜひ特別な鑑賞体験を楽しみたい。
<開催概要>
『栗林隆 Roots』
会期:2024年12月14日(土)~2025年3月2日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 エントランス、講堂、中庭ほか
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(1月13日、2月24日を除く)、12月29日(日)~1月3日(金)
料金:一般1,000円、20歳未満・大学850円、65歳以上500円、高校100円
公式サイト:
https://www.moma.pref.kanagawa.jp/hayama/
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