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Snow Man、新体制で『滝沢歌舞伎ZERO』主演に挑戦 密着ドキュメンタリー第1回を見て

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 「おお!」「すごいなこれ」ーー桜をイメージした淡いピンク色の衣装に身を包み、バク宙をしてみせた佐久間大介。ひらひらと舞う桜を体現してみせると、スタッフからはどよめきが起きた。

 3月8日放送からの『RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』(フジテレビ系)では、4週に渡ってSnow Manを特集。今年1月から9人体制で新たなスタートを切った彼らに密着した。

(関連:Snow Man 岩本、SixTONES 松村、Travis Japan 松田……2019年期待のジャニーズJr.

■新体制のSnow Manに懸ける滝沢秀明の思い

 Snow Manの結成は2012年。タッキー&翼ら先輩のステージでバックダンサーを務めてきたほか、舞台『JOHNNYS’ World』など数々の舞台に出演してきた。特に『滝沢歌舞伎』においては欠かせない存在で、キレのあるアクロバット、安定したパフォーマンス、ユーモラスなトークでステージを盛り上げた。CDデビューこそしていないが、彼らを応援するファンは多い。

 今年1月、Snow Manに転機が訪れた。これまでの6人に加えて、関西ジャニーズJr.から向井康二、宇宙Sixと兼任で目黒蓮、現役中学生の村上真都ラウールの3名が加入。9人体制で活動することが発表された。それぞれのファンの間では賛否両論あったが、渡辺翔太は雑誌のインタビューで、決定として伝えられたことではなく、メンバーをはじめ、周囲との話し合いを重ねた上での決断だと伝えた。

 初演時は『滝沢演舞城』として、滝沢秀明が2006年から長きに渡って育ててきた舞台を、今年から『滝沢歌舞伎ZERO』としてSnow Manが主演を務める。彼らに与えられたミッションは「継承」だ。

 2018年で現役を引退、若手育成のプロデューサーへと転向した滝沢は、「正直、まだまだだと思うんですね」と厳しい言葉を発した。続けて、「でも、なんかそう、こいつらのためだったらやってやりたいなって思わせるような何か、魅力が多分彼らにはあるんですよね」と期待を寄せた。

 冒頭の佐久間の撮影では、驚くスタッフの反応に、誇らしげな表情を浮かべた滝沢。厳しさは深い愛情ゆえのことだろう。

■「貪欲って言葉のもう2~3個上があったら」とにかくストイックなSnow Man

 全体稽古の初日、「前代未聞です」と稽古のハードさを吐露した深澤辰哉。これまでは1カ月ほどで仕上げていたものを半月と時間がない上に、演目も大幅リニューアル。名物の腹筋太鼓もパワーアップするという。

 太鼓稽古初日、思うように叩けないメンバーがほとんどだった。渡辺は「この日でフレーズを入れておかないと次から次へと追いつけなくなる」と、弱音を吐くでもなく飄々と語った。宮舘涼太はかつて「稽古でできないことは本番でもできない」(滝沢歌舞伎2017年パンフレット)という言葉を残していたが、僅かな時間も無駄にせず、黙々と稽古に打ち込むSnow Manの姿があった。

 さらに、仕事はこれだけではない。今回、舞台衣装のデザインに携わることになった宮舘は、衣装の打ち合わせに参加した。滝沢がコンセプトを伝える横で、黙って聞いていた宮舘に、「引き継いでいかないと、いつまで経ってもできないんで」と滝沢がアドバイス。スタッフからも「今まで滝沢さんと話してたやつをあなたと今度は話すわけ? 10年かかるね」とこちらも手厳しい言葉。それでも「任されたというよりかは、自分からやっていかないといけない」と反芻した宮舘。なるほど、主演とはこういうことか。

 2015年のインタビューにこんな一節があった。「(先輩と)同じようにやっても今の時代通用しないと思うから」(佐久間)、「ぼくたちのやり方を見つけなきゃいけないんだよ」(阿部亮平)(女性セブン2015年5月14・21日号)。

 ブレイクには決まった法則や方程式があるわけでもなく、プロセスは無数にある。誰もが手探り状態の中、それでも継続するしかなく、努力が必ずしも報われるとは限らない。そんな厳しい世界に身を置く彼ら。後輩が先にデビューすることも珍しいことではない。

 「デビューしたい」と、気持ちを打ち明けた岩本照。「貪欲って言葉のもう2~3個上があったら、その言葉使いたいんすけどね」と言葉にならない想いを明かし、チームワークや想い、目に見えないことの重要性を語っていたのが印象的だ。

 TOKIO・国分太一のラジオ番組にゲスト出演した岩本。国分と雑談を交わす間、椅子を勧められるまで、床に膝をついて話を聞いていた。そんな礼儀正しさもあれば、最年少の村上の隣に座り、太鼓を教えていた深澤。「阿部くん分かんないっす」と向井から指導をお願いされた阿部。何でもない一コマから、Snow Manのストイックさ、温かさ、まっすぐな姿勢が垣間見えた。

 メンバーも6人から9人へと増え、これまで築き上げてきたチームワークも刷新。10年超の人気舞台を引き継ぐことになった重圧を背に、稽古に打ち込むSnow Man。「前でひっぱっていける力ってまだまだ全然足りない」と俯瞰した宮舘をはじめ、メンバーからは静かでもメラメラと燃える気迫を感じた。同時に「主演」という肩書の重み、容易に務まることではないことは彼らを通して伝わってきた。(柚月裕実)