草間彌生らが参加「東京お台場トリエンナーレ2025」 台場公園やフジテレビ本社屋などが展示会場に
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「東京お台場トリエンナーレ2025」アーティスティック・ディレクターを務める山峰潤也(左)、三木あき子(中央)、建畠晢(右)
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すべて見る臨海副都心の人気エリアである東京・お台場を舞台にした初の国際芸術祭「東京お台場トリエンナーレ2025」が、東京都、お台場トリエンナーレ実行委員会の主催により2025年10月18日(土)から12月25日(木)まで開催されることが決定。11月26日(火)に記者発表会が開催され、アーティスティック・ディレクターを務める建畠晢、三木あき子、山峰潤也らが登壇。テーマや参加アーティストについて発表した。
近年、ウォーターフロントエリアとして整備され新しい街へと生まれ変わった「お台場」だが、1853年のペリー来航を機に、外国の脅威から江戸を守るために、大砲を置く「台」となる「場所」として徳川幕府により築かれたという歴史をもつ。時を経て1990年代からは埋め立てと造成を繰り返し、さまざまな施設が建設され、東京のウォーターフロント開発を象徴する場所として発展してきた。
「東京・お台場トリエンナーレ2024」では、今も砲台跡などが残る台場公園や、フジテレビ本社屋、フジテレビ湾岸スタジオ、日本科学未来館など、お台場の各所を舞台に作品が展示される。第1回のテーマは「泰平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん) ―野生とカオスと新世界―」。幕末にペリーが率いる黒船が浦賀に来航した際に詠まれた狂歌「泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四盃で夜も寝られず」からとられたものだ。
アーティスティック・ディレクターのひとり三木あき子は、「この狂歌は、当時の人が「蒸気船」(黒船)と「上喜撰」(眠気を覚ます高級茶)をかけたものですが、他者との遭遇や新たな脅威による社会の混乱のなかで、独特のユーモアを交えて詠まれており、市井の人々の変化に立ち向かうしなやかさ、逞しさを感じさせてくれる」とテーマに採用した理由について語った。
さらに、「お台場は、都市の一部ながら水辺で自然が残っている一方、埋め立てが進み、埠頭や造船所、商業施設などが次々と建設され、技術革新や経済成長を見通す未来を示唆するような場所、時代の変化の前線のような場所といえるかもしれない。今、世界は環境問題や分断など多くの課題に直面していて様々な変革が求められている。そのようななかで、新たな変化を切り拓く潜在的なエネルギーやカオスを受け入れる野性的なバイタリティを内包する、かもしれないこのお台場で行われるこの芸術祭が、驚きや喜びを通して新しい発見をしたり、場所性を新ためて掘り起こすことにつながること、変化をユーモアで乗り越えるしなやかさや逞しさを思い出し、これからどう生きるかを考えるきっかけになることを願いこのテーマに決めました」と続けた。
このテーマのもと3人のアーティスティック・ディレクターが異なるアプローチで作家を選定するという。会見では、第1弾アーティストとして、草間彌生、笹岡由梨子、アブラハム・ポワンシュヴァル、ヤギの目、ルー・ヤン、ブラスト・セオリーの参加が発表された。最終的には40組ほどのアーティストが参加する予定だ。
また、展覧会のメインビジュアルは植原亮輔と渡邉良重によるクリエイティブユニットKIGIが担当。odaibaの“o”をモチーフにしたロゴは、お台場に取り残された砲台の砲口は未来へのタイムトンネルである、というイメージから制作されたという。
〈開催情報〉
「東京お台場トリエンナーレ2025」
日時:2025年10月18日(土)から12月25日(木)
会場:台場公園、フジテレビ本社屋、フジテレビ湾岸スタジオ、日本科学未来館ほか
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