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東京二期会オペラ劇場『カルメン』16年ぶりの開幕に先駆けてレクチャー・コンサートが開催

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左から)高田正人、宮地江奈、豊島ゆき、古野七央佳

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2025年2月、東京二期会は16年ぶりにビゼーの『カルメン』を上演する。開幕に先駆けて、レクチャー・コンサートが11月14日にカワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」にて開催された。

前半は、『カルメン』についてのレクチャーが行われた。講師を務めたのは、公演でレメンダード役を演じるテノールの高田正人。軽妙なトークで、参加者を作品の世界に誘った。

『カルメン』は現在、『蝶々夫人』『椿姫』とともに世界三大オペラに数えられている人気作だ。オペラに触れたこともない方でも、一度はメロディを耳にしたことがあるだろう。高田は、このオペラが現在の隆盛に至るまでの歴史的経緯を次のように解説した。

作曲者は、36歳で夭逝したビゼー。『カルメン』は、彼が亡くなった1875年にパリのオペラ・コミック座で初演されたが、評判は悪かった。コミック座は、オッフェンバックのような軽妙で明るいオペラ・コミックの上演を主としており、凄惨な場面が多く描かれる『カルメン』を劇場の聴衆に受け入れなかったためだという。初演の3か月後にこの世を去ったビゼーは、『カルメン』がのちに世界で最も多く上演されるオペラになるとは想像さえできなかっただろう。それでも一部では音楽の素晴らしさなどが話題を呼び、ビゼーの死後、『カルメン』はウィーンで上演され、大評判を得る。この公演の成功により、『カルメン』は世界中で上演されるようになり、チャイコフスキーが「この作品は10年後にはオペラの最高峰の作品になる」と予言した通り、世界で最も有名なオペラに成長していくことになった。

高田は二期会における『カルメン』の上演史にも触れた。二期会での初演は1954年。二期会の創立者の一人でもあり、カルメンお静”の異名を取った川崎静子がタイトルロールを務めた。その後、二期会の重鎮である伊原直子が受け継ぎ、2025年に新たなヒロインに選ばれたのが加藤のぞみと和田朝妃だ。加藤はイタリアを拠点に活躍し、2024年にバーリ•ペトルツェッリ歌劇場『蝶々夫人』でスズキ役を演じたことが記憶に新しい。和田は東京二期会オペラ劇場『こうもり』(2017年)に出演した際、演出のアンドレアス・ホモキに見いだされ、チューリッヒ歌劇場のオペラスタジオに入所し、現在はベルリン・ドイツ・オペラに所属する俊英だ。

その他、自由を愛するロマであるカルメンの人物像が物語にもたらす効果や舞台となるセビリアとドン・ホセの出身地であるバスク地方との地理関係、また文化背景なども解説した。

後半のハイライト・コンサートでは、高田がドン・ホセ役を務め、カルメンのカヴァー・キャストである豊島ゆき、オーディション時に演出のイリーナ・ブルック(実父はピーター・ブルック)から「理想のミカエラ」と激賞されたという宮地江奈が出演。親しみ深いアリア「ハバネラ」をはじめ、ビゼーの情熱的で美しい音楽と迫力の歌声が、会場を大いに湧かせた。(ピアノ:古野七央佳)

期待が高まる東京二期会オペラ劇場『カルメン』は、2025年2月20日(木)~24日(月・祝)、東京文化会館 大ホールにて上演する。指揮は沖澤のどか、管弦楽は読売日本交響楽団。

<公演情報>
東京二期会オペラ劇場『カルメン』

2025年2月20日(木)~24日(月・祝) 東京・東京文化会館 大ホール

東京二期会オペラ劇場『カルメン』メインビジュアル

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2454804

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