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坂東玉三郎&市川團子が“異界の者と人間の恋”を美しく表現、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」スタート

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「十二月大歌舞伎」第一部「あらしのよるに」ビジュアル

「十二月大歌舞伎」が、昨日12月3日に東京・歌舞伎座で開幕した。

第一部は、中村獅童と尾上菊之助による「あらしのよるに」。きむらゆういちの同名絵本を原作にした本作は、2015年に新作歌舞伎として初演されて以来、繰り返し上演されてきた。劇中では、狼のがぶと山羊のめいの友情が描かれ、がぶを、初演から同役を演じてきた獅童、めいを菊之助が初役で勤める。なお今回歌舞伎座での再演に際し、いくつかのシーンが新たに加わり、その1つが作中冒頭の、幼い頃のがぶとめいの場面となる。幼い頃のがぶを中村夏幹、幼い頃のめいを中村陽喜が演じた。

また、狼のばりい役の澤村國矢は、本公演で二代目澤村精四郎の名跡を襲名。狂言半ばでは、獅童と精四郎により襲名のあいさつが行われた。獅童は、あいさつの中で精四郎について「私、本当に大好きな方でございます。こののちとも、古典歌舞伎をはじめ、新作歌舞伎、お互い挑戦する気持ち、時代を切り拓いていく気持ちを忘れずに、時には励ましあい、時には切磋琢磨しながら、役者人生を共に歩んでいければと思っております」とコメント。精四郎は「門閥外よりこの歌舞伎界に飛び込んできた者にとりまして、このような場を設けていただきまして本当にありがたく、幸せにござりまする。これからも、なお一層芸道に精進を重ねていく所存にござりますれば、いずれもさまにおかれましては、この後とも紀伊国屋の繁栄、そして、門閥外にとっての希望ある歌舞伎界のため、何卒ご後援のほどを偏にお願い申し上げ奉る次第にござりまする」と思いを述べた。

第二部には、河竹黙阿弥が手がけた世話物「加賀鳶」、舞踊の名作「鷺娘」が並ぶ。「加賀鳶」では、尾上松緑が気風の良い鳶頭・天神町梅吉と、悪の魅力光る按摩・竹垣道玄の2役を演じる。「鷺娘」では、中村七之助が、人間との恋に悩む鷺の精に扮し、色とりどりの衣裳で、女心を美しく艶やかに表現。クライマックスでは、雪が降りしきる中、鷺の精の本性をあらわにし、激しく舞い踊る姿で観客の心を打つ。

第三部は、中村勘九郎と中村長三郎による変化舞踊「舞鶴雪月花」で幕開け。勘九郎は桜の精、松虫、雪達磨の3役を演じわける。また子供の松虫役として登場する長三郎は、親の松虫役の勘九郎と共に、虫のはかない運命を表現した。第三部ラストは、坂東玉三郎が富姫、市川團子が姫川図書之助を勤める「天守物語」。播磨国姫路にある白鷺城の天守閣を舞台に、玉三郎と團子は、異界の者である富姫と人間である図書之助の純粋な恋を、幻想的に立ち上げる。「十二月大歌舞伎」は12月26日まで。

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