コメディ朗読劇CONTELLING「とりあえずウーロン茶」(俳優編)校條拳太朗・菊池修司インタビュー
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左から)菊池修司、校條拳太朗 (撮影:源賀津己)
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さらば青春の光・森田哲矢が脚本を手掛けるコメディ朗読劇CONTELLING「とりあえずウーロン茶」(俳優編)が、12月20・21日に東京・よみうり大手町ホールにて上演する。
本公演は、さらば青春の光・森田哲矢が脚本を手掛けるコメディを朗読劇で楽しむ朗読劇ブランド・CONTELLINGシリーズの最新作。これまで声優や芸人の出演により公演を重ねてきた作品が2.5次元舞台俳優を迎え、今回初めて“俳優編”として上演される。
キャストは日替わりで、20日公演に伊崎龍次郎、上田堪大、松田岳、校條拳太朗、横田龍儀、21日公演に安里勇哉、石橋弘毅、菊池修司、小坂涼太郎、松井健太が出演。校條拳太朗と菊池修司に本作への期待と意気込みを語ってもらった。
――コント×朗読劇ということで、テーマや作品の印象を教えてください。
校條 僕自身、朗読劇はいくつかやっていますが、コントやコメディ朗読劇というものは初めてで。コメディ作品をやる上で、声の表現の幅でお客さんに面白い部分を届けるというテーマを聞いた時は、ちょっと難しそうだなとは思いましたけど、楽しみです。俳優で初めてやるということで、挑戦してみたいなと思いましたね。
菊池 僕もコメディ朗読劇は初めてで、“朗読劇ってこういうものだ”と頭の中にある状態で脚本や前回の声優編を観たときに、何か新しいものを見たなという気持ちになって、純粋に新しいものに挑戦できるワクワク感を感じました。さらばの森田さんの面白さが前面に出ていたので、すごく楽しみになりました。
そこから今回、俳優編をやるにあたって、俳優のみんなでやるものが果たしてどういうものになるのか。前作では、やっぱり声優さんの良さが前面に出ていてすごく素敵だったので、僕らは僕らなりのもので届けなきゃいけないというプレッシャーも少しあるんですけど、気持ち的には本当に新しいものを見させていただいたという感覚が大きいので、参加することが楽しみになりました。
――本シリーズはオムニバス的な構成で見やすい作品になっていますが、森田さんが脚本を書いていることもあり、コンプライアンスやハラスメントなど、現代人のコミュニケーションをテーマにした割と攻めた内容になっていますよね。
菊池 嫌じゃない攻め方というか。聞いていても居心地のいい面白さだったので、それを僕らがどう表現できるのかなというのはあります。
校條 絶妙なところをついているなと感じました。動きや視覚的表現が多いと、ちょっとグロテスクになる部分も、朗読劇だから良い塩梅で届くというか。それが朗読劇の良さなのかなと思ったりもしますね。

菊池 でも僕はタイトルにもなっている最初のコント「とりあえずウーロン茶」の、一般的な風潮だとお酒だと思っていたものがお酒じゃないという掴みが最高だなって。そこからキャストさんの紹介になって、「うわ、ここから面白いものが始まるな!」とグッと心を掴まれて。そこからはもうあっという間な1時間半でしたね。
――よくある「とりあえずビール」を皮肉った、アルコールではなくて「とりあえずウーロン茶」で新人を潰すという展開は、知らずに見ると自分の中の概念が変わるかもしれないですよね。
菊池 そうですね。ここから何かすごいものが見れるぞ!という気持ちに僕はなったので、空っぽな状態で観に来てほしいなとも思います。
あと、僕はあまりお酒を飲まないので、どちらかというと本当にウーロン茶を頼みたい。だから、観ていて「めっちゃ気持ちわかる!!!」ってなりました(笑)。僕はお酒を飲まない側なので、「飲めよ飲めよ」みたいに勧められた経験もあるんですけど、この作品だとお酒じゃなくてウーロン茶だから、途中で脳がバグってくるんです。これ今どっちのこと言ってるんだっけ?みたいな。そうやって楽しみながら聞いていました。
☆初演の様子をチラ見せ!第1回公演「とりあえずウーロン茶」の様子はこちらから!
校條 僕は海の生き物の名前が出てくる「コードネーム」が好き。延々と出てくる。
菊池 勉強になりましたよね(笑)。
校條 途中から「そんなのいるんだ?」ってちょっと調べたくなるし、あれは好みとしてつらつら言ってみたい(笑)。
※「コードネーム」がどんなコントか気になる方は是非劇場へ!
菊池 あんなにちゃんとやればやるだけ面白い脚本って素敵だなと思いました。アドリブが面白かったり、生だから生まれる良さというのもあると思うんですけど、ちゃんとしたレールに僕らが乗っていったらお客さんは絶対楽しいだろうな、という作品になっていたので、素晴らしい脚本だなと思いましたね。
――今回俳優編では、新たに演出に伊藤マサミさんが入っています。まだ稽古前ですが、俳優編ならではの楽しみな部分、期待する部分はありますか?
菊池 声優編では、やっぱり声で演じ分けていたりして。僕はせっかくだから少し目をつぶって聞いてみようと思って、ぱっと目を開けて確認したら「この方がこの役を演じていたんだ!」という驚きや声優さんの良さがあったので、僕らもちょっと動きだったり、小道具とか、何か俳優ならではのものがあったらいいなとは思いますね。
校條 お客さんが聞いていて情景が思い浮かぶような、できる限り自分の感情だったりを俳優としてちゃんと届けられるよう頑張りたいなと思います。
菊池 お客さんも、僕らの舞台を観に来てくださっている方などが来てくださるなら、俳優あるあるみたいなものを盛り込んだりしたら、より色が出て素敵になるだろうなって。そういうのもちょっとあったら嬉しいですね。
――演じられていて、コメディ作品の難しさや楽しさはどんな部分ですか?
校條 自分から攻めたことをやりに行くんじゃなく、レールの上を走るじゃないですけど、脚本に組み込まれた言葉の面白さやテンポや間をしっかりと届けることが大事かなと思います。楽しませたいという想いからアドリブなど自分から仕掛けに行くとスベったりすることがあるし(笑)。
ちゃんとみんなで「落ち着け~!」って冷静になりながらしっかり作品を届ける方がコメディとして作品の良さが伝わるかなと思ったりしますね。
菊池 動きで笑わそうとして面白くなったり、空気感で面白くなったりとかもあると思うんですけど、今回は朗読劇という限られた状況下の中で、どうコメディとしてお客さんを楽しませられるかというのが、挑戦というか課題だなとは感じますね。
――コメディといえば、校條さん主演の舞台『宇宙戦艦ティラミス』(ティラステ)シリーズなど私も大好きな作品なのですが、今回も結構ノリノリでやってくださるのかなと。
校條 そうですね。自分のできることは全てやり尽くそうと思っています。なんかちょっと前まではカッコイイ役をやっていたんですけど、気が付いたらコメディばっかりになってましたね……、好きですけど!
菊池 僕も『ティラステ』を観ていて面白かったので、なんかああやって暴れたいですよね(笑)。でもこの作品に関しては脚本がとても素敵なので、暴れていいものなのかというところは、稽古で取捨選択はしなきゃいけないなと思いますけど、楽しみです。
――校條さんは1日目、菊池さんは2日目参加で出演キャストが公演日で異なりますが、共演者で面白そうな方や、期待している方はいますか?
菊池 僕らのところは小坂涼太郎が居るんですけど、彼はちょっと変わってるから(笑)。彼が暴れるのを抑えなきゃいけないなっていうのはありますね。初めましての方も居るので、どういった方なのかなと楽しみもあります。
校條 そうだね、小坂涼太郎って……そのままで独特というか、存在が既に面白い。
こちらのチームは、僕は横田龍儀さん以外は全員面識があるんですけど、“実は変”みたいなタイプが多いかもしれないです。本人たちは本質的には真面目でやっていて、クールというか、シュッとしてるのを装っているんですけど、腹の中は全然そうじゃないみたいな役者がいるので。もう多分にじみ出てくると思うので、そこは出していただいて。
上田堪大さんが1番年上なのかな。堪大さんがツッコミをしてくれながらバランサーになって、みんなの手綱をとってもらえたらなと思っています。
――上田さんのコメディ演技というのは、あまりイメージが湧かないです。
校條 そうですよね。でもめちゃめちゃ好きだと思います。あと、松田岳も変なので。大人しい風に見せかけて、ぼそっと出す発言が「え?」って思うことを言ったりするから、中身は結構コメディアンだと思います。

菊池 1日目のチームが結構手慣れた方々なので、負けないぞ!という気持ちもあります。僕らのチームはフレッシュというか、1日目のチームと比べると年齢的に若い子たちが多いので、安里勇哉さんがまとめてくださるんじゃないかなと思いつつ、僕はちょうど間に入ってバランサーみたいな感じになれたらいいなと思っています。
――本作は、時代(現代社会)を感じさせる部分がぎゅっと詰め込まれている話もあって、笑いながらも考えさせられます。世の中的にコンプラやハラスメントなど厳しくなっていますが、日常で気を付けていることや、気にしてしまう部分などありますか。
校條 めちゃくちゃありますね。やっぱり現場で自分の年齢も上がってきてひと回りくらい歳が下の子と一緒だったりすると、本当にどう接していいかわからないというか。自分が若い頃の先輩との関係では全くないので。自分たちのときはもっと体育会系だったから、それを今やったらアウトなんだろうなと。結構ビビりながら、若い子に「ねえねえ」みたいに接する感じですね。どう?
菊池 ありますよ、僕も結構気にしちゃうタイプなので。あと、街中とかで悪さできないですよね(笑)。今は、すぐにSNSで広がったり、何かあれば顔を晒されたり、ナンバー晒されたりとか、窮屈になりましたよね。別に悪さしたいわけじゃないんですけど(笑)。
「そういう時代なんだな」という感じはしますし、そこに着目してこの作品をやっているというのも含めて、イマドキというか、現代人に刺さる作品だなと感じます。
――では、楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
校條 僕自身、コメディ大好きなので嬉しいです。今回、新たな挑戦として、今までやったことのない朗読でお客さんにコメディを届ける、笑ってもらうというところに挑戦するので、ドキドキしつつも、今までやってきたものをフルに活かして、“満席の中!”皆さんに笑っていただけたらなと思います。皆さんも、笑って楽しい気持ちで帰っていただけたらと思っております。
菊池 コメディ朗読劇は僕も初めてなので自分自身もワクワクしているんですけど、脚本しかり、キャストしかり、演出しかり、すごく素敵な布陣で挑ませていただけるので、本当に何も考えずに、笑える気持ちだけを持って劇場に来てもらいたいなと思います。
僕らを知ってる方でも、知らない方でも、多分どなたが見ても面白いものになっていると思いますし、より一層僕らも頑張って面白い作品にしますので、ぜひ劇場に来て楽しんでもらえたら嬉しいです。
取材・文:能一ナオ
撮影:源賀津己
<公演情報>
コメディ朗読劇CONTELLING「とりあえずウーロン茶」(俳優編)
公演日程:2024年12月20日(金)・21日(土)
会場:よみうり大手町ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/contelling/
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