劇団青年座「穏やかな人と機」開幕、池内風「ぜひ劇場で穏やかじゃないかもしれないひと時を」
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劇団青年座創立70周年記念第4弾 / 劇団青年座第259回公演「穏やかな人と機(ひととき)」より。(撮影:坂本正郁)
劇団青年座創立70周年記念第4弾 / 劇団青年座第259回公演「穏やかな人と機(ひととき)」が、昨日12月12日に東京・新宿シアタートップスで開幕した。
これは、劇団青年座の70周年記念公演の第4弾。劇中では、とある中堅の介護用品製造販売会社の物語が展開する。営業部統括マネージャーの萩尾隆明は、AIを搭載した新型探知機の販売を推進している。営業部に異動になった、元開発部の河部清治は、萩尾が販売推進する新型探知機に動作不良の可能性を感じ、機器の再検査を求めるように訴えるが……。演劇ユニット・かわいいコンビニ店員飯田さん主宰の池内風が作劇、青年座の磯村純が演出を担当。出演者には、萩尾隆明役の石母田史朗、河部清治役の綱島郷太郎のほか、鹿野宗健、本田清佳、賀久泰嗣、五十嵐明、尾島春香、五味多恵子、小豆畑雅一が名を連ねている。
開幕に際し、池内は「まさに日進月歩なAI。漠然と感じている恐怖と社会から取り残されていく不安感。こうした感覚は、これまでにないほど広い年齢層で同時に起きていることだと思います。作品を通し、この感覚を少しでも和らげ、豊かに生きていくための手助けとなれればと思っております。人と人。人と機械。人間の一生の中で各年代の中で感じる『孤独』と『温もり』についても考えられる作品にしたく今作品の執筆に至りました。ぜひ劇場で穏やかじゃないかもしれないひと時をお過ごし頂けたらと思います」とコメント。
磯村は「池内風さんの戯曲は卓越した会話劇の中で人間そのものに深く切り込む作風が魅力だと思っています。それを引き出すべく、台詞ではない『会話』『心が動く瞬間』を求めて稽古を重ね、ようやく初日を迎える事ができました。僕自身今までに演出した事がないテイストの作品になりました。創作劇を追求する青年座の新しい形として、楽しんでいただければと思っています。ぜひご来場をお待ちしております」と思いを述べた。
上演時間は約2時間。公演は12月22日まで。
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