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『今津景 タナ・アイル』1月11日から インドネシア在住の現代美術家、初の大規模個展が東京オペラシティアートギャラリーで

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《Memories of the Land/Body》2020 タグチアートコレクション photo: 木奥惠三

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インドネシアを拠点に活動する今津景(いまづ けい)は、2022年にはドイツの『ドクメンタ 15』に、また2024年には韓国のチャンウォン・ビエンナーレとタイのバンコク・ビエンナーレに参加するなど、国際的にも高い評価を受けている現代美術家だ。彼女の初の大規模個展が、2025年1月11日(土)から3月23日(日)まで、初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催される。

1980年に山口県で生まれた今津は、2007年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了し、2009年に若手作家の登竜門である『VOCA2009』で佳作賞を受賞して注目を浴びた。制作手法は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成し、その下図をもとにキャンバスに油彩で描くというもの。2017年に制作・生活の拠点をインドネシアに移した後は、同国の都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをベースにしつつ、様々なアーカイブ画像を画面上で結びつけることで、インドネシアの歴史や神話、生物の進化や絶滅といった生態系、フェミニズムや植民地化といった社会的な動きなど複数の時間軸を重ね合わせ、より普遍性をもつ作品へと発展させている。

《Hainuwele》2023 トゥムルン美術館(インドネシア)

同展タイトルの『タナ・アイル』とは、インドネシア語の「土」を意味する「タナ」と「水」を意味する「アイル」を合わせた語。このふたつを合わせると、「故郷」を意味する言葉になるのだという。現在生活するインドネシアと、自身のルーツである日本というふたつの土地での経験と思考に基づいて制作された今津の作品が、観る者にとっても自らが生きる場所について考える契機となるであろうことを示唆しているのだ。

《When Facing the Mud(Response of Shrimp Farmers in Sidoarjo)》2022 個人蔵

今津の絵画の魅力は、現在おきている問題の提示に加え、歴史や神話、政治など様々な要素を同一平面上に並置して生み出したダイナミックな表現だ。さらに近年の今津は、絵画に留まらず、3Dプリンターによる巨大な立体作品やインスタレーションなど、創作を空間へと展開させてきた。同展でも、居住するバンドンで行われていたというマラリアの特効薬であるキナの栽培をめぐる新作インスタレーションに加え、骨格標本や土器などの巨大な彫刻が展示される。会場全体を通して、今津の力強い作品世界にふれられる貴重な機会となるだろう。

<開催概要>
『今津景 タナ・アイル』

会期:2025年1月11日(土)~3月23日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合翌日休)、2月9日(日)
料金:一般1,400円、大高800
※同時開催『紙の上の芸術|収蔵品展082 寺田コレクションより』『project N 97 福本健一郎』
公式サイト:
https://www.operacity.jp/ag/

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