木津つばさ×山野光×新正俊×中西智也「ライドカメンズ The STAGE」への思いと抱負
ステージ
インタビュー
左から)中西智也、木津つばさ、山野光、新正俊 (撮影:源賀津己)
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舞台「ライドカメンズ The STAGE」が、2025年1月11日(土) から上演される。原案「ライドカメンズ」は、『仮面ライダー』をテーマとしたスマートフォン向けアプリゲーム。舞台「仮面ライダー斬月」-鎧武外伝-(2019年3月)、「風都探偵 The STAGE」(2022年12月)に続く、『仮面ライダー』シリーズ3作目の演劇作品化となる。
そんな本作に出演するキャストの中から、木津つばさ(魅上才悟/仮面ライダー才悟役)、山野光(伊織陽真/仮面ライダー陽真役)、新正俊(深水紫苑/仮面ライダー紫苑役)、中西智也(蒲生慈玄/仮面ライダー慈玄役)の4名に作品の印象や意気込みを聞いた。
出演を受けての思いとエピソード
――まずは、今作へのご出演が決まった際のエピソードについて教えてください。出演が発表されてから、特に印象に残る反響はありましたか?
木津つばさ 以前「風都探偵 The STAGE」でフィリップ役を演じさせていただいたこともあり、「また仮面ライダーになるの!?」と驚かれることが多かったです。周囲の反応から、改めて「仮面ライダーはみんなの憧れなんだ」と実感しました。そんな仮面ライダー役に2度も挑戦させていただけることを本当に幸せに思います!
山野光 僕は家族から驚かれました。出演することだけでなく、「仮面ライダーを舞台で観ることができる」ということ自体が新鮮だったようで。
新正俊 「仮面ライダーになる」というのは、やはりインパクトが強いですよね。役者仲間も友人たちも「凄いね」と喜んでくれて、僕自身も本当に貴重な機会をいただけたんだと身が引き締まる思いです。
中西智也 僕の場合は、事務所の社長が昔から仮面ライダーの大ファンで、出演のお話をいただいたときまるで自分のことのように喜んでくださったのが印象的でした。事務所の先輩の中にも仮面ライダーを演じた経験のある方々がいらっしゃるので、大好きな先輩方の背中に続けることも嬉しいです。
新 でも、正直まだ実感が湧かない部分もありますね。嬉しさで気持ちがふわふわしていて。
木津 フィリップを演じたときに思ったんだけど、本当に実感が湧くのは公演に入ってからかもしれないね。僕は、本番初日にお客様の前で「変身」というセリフを言った瞬間、「ああ、本当に仮面ライダーになったんだ」って全身の毛が逆立つのを感じた。
中西 稽古と本番ではやっぱり感覚が変わります?
木津 そうだね。本番はめちゃくちゃ緊張したし、稽古以上に気合が入りました。敵の怪人も、板の上で見ると迫力が凄くて。造形も細かいところまで作り込まれているし、本当に強そうなんですよ。「風都探偵 The STAGE」では、変身後の戦闘シーンはスーツアクターの方が演じていたけど、今回は自分で変身して戦うことになるからますます気合が入りそうです。
山野 僕はアクションの経験が少ないので、しっかりついていけるよう頑張りたいです。ダンスで培った技術を活かしつつ、よりお芝居に近いアクションの良さを出していけたらなと思います。
新 僕も、時代もののオリジナル作品で刀を使った殺陣は経験しているものの、2.5次元作品、それも仮面ライダーとしてのアクションは初めてなのでワクワクします!
山野 仮面ライダー特有のアクション、楽しみですよね。変身ポーズもありますし、少年の日の夢が叶うんだと思うと感慨深いです。
中西 じつは僕、無手(=素手)で戦う慈玄のアクションを研究したくて、ボクシングを始めたんですよ。
一同 えーっ!?
木津 (中西の拳の傷を見て)本当だ、ボクシングする人の手になってる!
中西 今はまだまだですけど、本番までにはボクシングの動きをお芝居に活かせるようになりたいなと。慈玄らしいアクションを披露できるよう頑張ります。
作品の魅力、役柄に共感するところは?
――続いて、「ライドカメンズ」という作品の魅力について教えてください。
山野 キャラクターの一人ひとりに「守りたいもの」や色々な背景があって、それぞれの正義がぶつかり合う瞬間があるというのが、魅力的だなと思います。僕はもともと群像劇が好きで、他の仮面ライダーシリーズにもそういった要素が盛り込まれていることが多いので、こうした構造の物語をどう表現していこうか考えるのは楽しいですね。
新 キャラクターの個性が立っている作品ですよね。それぞれに考え方や信念があって、どうしても譲れない大事なものがあるからぶつかるわけで、それは現実のこの世界で生きている人も同じだと思うんです。僕ら役者はもちろんですが、お客様にもきっと、キャラクターの誰かしらと重なる部分があるんじゃないかと。何か共通点を見つけて、思いを重ねて観ていただけたら、さらに楽しめる作品になるんじゃないかと思います。
中西 原案アプリゲームの登場人物たちは、仮面ライダーだけど普段はそれぞれ違う仕事をしたりしていて、世界観は現代の日本みたいだけど、どこか不思議さも含んでいて……と、盛りだくさんの作品です。舞台版では、役者としてまた1つ新しい魅力を上乗せできたら嬉しいですね。とくに今回はダンスや歌もあるので、観てくださる皆さんにいろいろな楽しみ方をしていただけたらと思います。
木津 ヒーローが守っているものは、街の平和とみんなの笑顔。僕ら役者の仕事にも、「笑顔や活力を生み出す」という一面があり、そこはヒーローたちの精神と通じます。僕自身ずっと大切にしてきた「人を笑顔にしたい」というこだわりを、彼らと僕ら両方の生き様を通して実現できたら嬉しいです。
――なるほど。今のお話にも出ましたが、ご自身の演じる役柄に対してとくに共感する部分や、ご自身との共通点はありますか?
中西 僕は慈玄と同じで読書が好きで、図書館にもよく行くので、原作のエピソードを読んで度々共感しています。それから、実家の母が書道家で小さい頃に書道を習っていたので、慈玄の特技が書道と知ったときにはびっくりしました!
山野 芯が強くて、人の目を気にせず自分を貫けるところも、智也と慈玄は似ていると思います。
木津 かく言う光も、明るくてポジティブで、陽真役にピッタリだよね。
山野 ありがとうございます、嬉しいです。陽真はポジティブを貫きすぎるあまり人に理解されにくいときがあるんですが、そういう姿を見ると「分かるわぁ……」って共感してしまいます。ただ、自分は陽真のようにグイグイ人を引っ張っていくタイプではないので、リーダーシップに関してはもっと身につけていきたいですね。
新 紫苑は、周囲の心情を汲み取りながら動いてしまう人ですが、僕も「こんなこと言ったら相手はどう感じるかな」と考えてしまうタイプなのでそこに共感しています。人に嫌な思いをさせたくない、ということが行動の根幹にあるというか。
山野 新くんも紫苑くんも包容力がありますよね。
木津 正俊は物事を客観的に見るのが上手で、そこも似ていると思うよ。ただ、今まで演じてきた役とは毛色が違う部分もあるよね。紫苑というキャラクターは素の状態の正俊によく似てると思うけど、役者として彼をどう演じるのかは未知の領域で、共演者として楽しみです。
中西 つばさくんの才悟も、つばさくんには珍しい役柄じゃないですか?
木津 確かに、自分としてはちょっと珍しいかも。才悟はあまり感情を表に出さないというか、自分の感情を把握するのも不得意な人。僕は真逆で自分の感情をしっかり表に出すタイプなので、才悟を演じるのは大きな挑戦になりそうです。
でも、笑顔を見せない才悟が「人を笑顔にしたい」という強い思いを持って戦っている、というところが僕は凄く好きなんですよ。身を挺して、命がけで人を守る才悟の姿も、そんな彼を周囲が支えてくれていることも、とても素敵だと思います。ここにいる3人を始め、たくさんの人に支えられながら才悟を演じることになると思うので、板の上ではしっかりとみんなを引っ張って、お芝居で恩返ししたいです。
自身にとっての「ヒーロー」とは?
――仮面ライダーというヒーローがテーマとなっている今作ですが、皆さんにとって「ヒーロー」とはどんな存在ですか?
木津 僕にとってのヒーローは、特別意識せずに誰かを助けてしまう人。自分が知らないところで、誰かの支えになれたり人を笑顔にできたりする人が「ヒーロー」だと思うので、役者は全員ヒーローになれると思っています。
新 僕が目指すヒーロー像は、知り合った全ての人を不幸にさせないように行動できる人。「幸せになってほしい」という想いだけじゃなくて、実際に幸せにするため、また不幸にさせないために行動できる人は、かっこいいなと思うし、僕もそういう人間でありたいなと思いますね。
――なるほど。具体的に「この人」と思い浮かぶ人物はいらっしゃいますか?
新 そうですね……(木津、しきりに自分を指差す)……ええと、木津つばさくんですかね。
木津 もう〜よせよぉ〜!
一同 (笑)。
中西 でも今、僕の頭に真っ先に浮かんだ「ヒーロー」は、まじめに木津つばさくんですよ。僕、誰かに目標や道を示せる人がヒーローだと思っていて。つばさくんは、思いっきりおどけた明るい役から重い使命を背負った泥臭い役まで、どんな役でも見事にこなしてしまう凄い役者さんなので、僕自身がずっと目標にしているヒーローなんです。
新 ……すみません! 智也くんが凄くいい話を披露してくれたので、さっきの僕の「木津くん」発言はカットでお願いできますか?
木津 こらー!(笑) いや、照れますね。嬉しいです。智也とは共演経験はあるけど、しっかり絡む役は初めてなので、凄く楽しみにしています。
山野 僕のヒーローは、マイケル・ジャクソンさん。僕、4歳でマイケルのダンスを見て、すっかり魅了されてダンスを習い始めたんですよ。パフォーマンスだけじゃなく、世界は僕が思っているよりずっと広くて、様々な悩みや背景を持つ人がいること、ラブ&ピースの精神がいかに大切かということも、彼の行動を通して考えられるようになりました。マイケルみたいに人を笑顔にできる人になりたいし、僕を見て「明日も頑張って生きていこう」と思ってもらえたら嬉しいなという気持ちで役者を続けています。僕の中ではマイケルがヒーローであり、人生の軸でもあるんです。
今作への抱負やチャレンジしたいこと
――ありがとうございます。では最後に、今作を演じる上でチャレンジしたいことや抱負について、お一人ずつお願いします。
新 チャレンジしたいことは、ずばり「柔軟」です。僕は身体が硬いんですが、今回はヒーロースーツでアクションをするということで、柔軟性をもっと高めていきたいなと思っています。ダンスもあるし、光に鍛えてほしいです。そして、ヒーローとは何かを突き詰めたいです。
山野 ぜひ。みんなでやりましょう! 僕がチャレンジしたいのは、現実で困っている人を見かけたときにサッと助けられる自分になることです。電車で具合が悪そうにしている人や、道に迷っていそうな人を見かけて、考える前に行動を起こせる人ってカッコいいですよね。せっかくヒーローを演じる貴重な機会をいただいたので、この作品を通してそんな自分に変身してみたいです。
中西 僕は、「ヒーロー」を極めたいです。数ある2.5次元作品の中でも、「ライドカメンズ」は幅広い層のお客様に観ていただける可能性がある作品。小さなお子さんがちゃんと「ヒーローだ!」って思えるような慈玄を演じたいです。役者としてヒーローを極める、それが僕の目標です。
木津 そう思える時点で、智也はもうヒーローだよ。
僕がチャレンジしたいのは、やっぱり「お客様の笑顔の源になること」。それを最優先の目標に掲げながら、キャスト・スタッフの皆さんと一緒に、「仮面ライダー」の新たな扉を開いていけたらと思います。「ライドカメンズ The STAGE」は、子どもが抱く夢と大人が直面する現実の両方が描かれる作品です。小さい頃に描いていた夢がどうしても叶わないことは誰にでもあるし、それは本当に寂しいけれど、勇気を出して一歩踏み出せば、思いも寄らない形で夢に近づけるかもしれない。「自分が思い描いた理想は、決して間違いじゃなかった」と、そんな希望を感じさせてくれる作品です。
お芝居に歌にライブにと、盛りだくさんの今作を通して、お客様に笑顔になっていただけるよう努めます。皆さんに「観に来て良かった」と思っていただける作品をつくることをお約束します。2025年の年明けは、ぜひ「ライドカメンズ The STAGE」で幕開けしていただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしています!
取材・文:豊島オリカ
撮影:源賀津己
スタイリスト:石橋修一(木津つばさ) 小田優士(山野光・新正俊・中西智也)
ヘアメイク:野口悠
<公演情報>
「ライドカメンズ The STAGE」
東京公演:2025年1月11日(土)~ 1月26日(日)
大阪公演:2025年1月30日(木)~ 2月2日(日)
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