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2025年 話題のミュージカル公演をピックアップ

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劇団四季『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

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いよいよ2025年がスタート! ブロードウェイ、ウエストエンドを席巻した話題作や名作映画ミュージカル版の日本初演、韓国人気漫画 /ドラマのミュージカル化初演、そして大作の再演。今年も目が離せないミュージカルシーンの多彩なラインアップをご紹介。

※本文内公演タイトル後ろのカッコ内は開幕月。
※ご紹介した公演の最新情報は、各公演の公式サイト等でご確認ください。

日本初演作も豊富な海外作品。久しぶりに再演される大作も

『SIX』は来日キャスト版と日本キャスト版を連続上演

定番の海外ミュージカルの再演と日本オリジナルミュージカルの初演が目立った2024年に比べると、2025年は日本初演の海外作品が多い年になりそう。わけてもミュージカルの二大聖地、ブロードウェイとウエストエンドの両方を席巻した『SIX』(1月)と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(4月)は必見の大作だ。どちらも海外版の演出を踏襲する公演で、前者は「来日版」と最強の女優たちが揃った「日本キャスト版」の連続上演、後者は俳優の層の厚さに定評ある劇団四季による上演とあって、いずれも期待値は高い。

韓国発の『ワイルド・グレイ』は根本宗子が初めて海外ミュージカルの演出を手がける

一方、長野博主演の『チキチキバンバン』(1月)、有澤樟太郎主演の『ヒーロー』(2月)、髙木雄也主演の『アメリカン・サイコ』(3月)、坂本昌行主演の『ホリデイ・イン』(4月)は、英米版とは異なる独自の演出による日本初演。そして近年、ブロードウェイやウエストエンドと並ぶ輸入元となっている韓国からは『ワイルド・グレイ』(1月)が、海外ミュージカル初挑戦となる根本宗子の演出により日本初上陸を果たす。

城田優が初参加。Wキャストで上演される『ダンス オブ ヴァンパイア』

再演の海外作品で目立つのは、久し振りの大作たち。『ラブ・ネバー・ダイ』(1月)と『ダンス オブ ヴァンパイア』(5月)は6年、『1789 -バスティーユの恋人たち-』(4月)は7年、『二都物語』(5月)に至っては実に12年振りの上演だ。『二都物語』では、初演当時は若手だった井上芳雄と浦井健治がすっかりトップランナーとなった今、再び同じ役で共演することが話題。『~ヴァンパイア』では長らく山口祐一郎がひとりで務めてきた主役が初めて城田優とのWキャストとなり、『ラブネバ』ではファントム役続投の市村正親と石丸幹二に橋本さとしが加わり、『1789』ではキャストが一新される。また、演出もキャストも一新される『ボニー&クライド』(3月)は、宝塚歌劇団版を除けば13年振りの上演だ。

『ボニー&クライド』は上演台本・演出に瀬戸山美咲を迎え新演出版で上演される

新キャストを迎えての再演では、3年振り4度目の『キンキーブーツ』(4月)と、5年振り3度目の『フランケンシュタイン』(4月)にも注目したいところ。小池徹平や三浦春馬ら初演キャストの好演が語り継がれる前者では、チャーリー、ローラ、ローレンの主役3役をWキャストで務める6人ともが初参加。そして後者は、初演から続投する中川晃教、加藤和樹、鈴木壮麻にフレッシュな新キャストを加えての再演となる。

『キンキーブーツ』は主要3役を初参加の6人がWキャストで務める。こちらは東啓介&甲斐翔真&田村芽実
『キンキーブーツ』ビジュアル。こちらは有澤樟太郎&松下優也&清水くるみ

久し振りでもメインが新キャストでもない盤石の再演が観たいなら、オススメは市村正親主演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』(3月)、高畑充希主演の『ウェイトレス』(4月)、ジェシー主演の『ビートルジュース』(5月)、柚希礼音と愛希れいか(Wキャスト)主演の『マタ・ハリ』(10月)など。そして盤石の再演作品と言えば、2024年末に開幕した『レ・ミゼラブル』は6月まで公演中で、8~10月には同作初の来日公演となる「ステージド コンサート」も開催される。またもちろん、劇団四季は『アナと雪の女王』『アラジン』『ライオンキング』『美女と野獣』『ウィキッド』『キャッツ』といった定番の大作を各地で変わらず展開中だ。

『ビートルジュース』は2023年に続きジェシー(SixTONES)主演で再演が決定

海外クリエイターとの合作も目立つ日本オリジナルミュージカル

日本オリジナルミュージカルに目を向けると、2025年は海外クリエイターとの合作が花盛り。松下洸平と松下優也がW主演する『ケイン&アベル』(1月)と、平野啓一郎の読売文学賞受賞小説が原作の『ある男』(8月)ではそれぞれ、ブロードウェイでも活躍するフランク・ワイルドホーンとジェイソン・ハウランドが音楽を書き下ろす。前田公輝主演の『ミセン』(1月)はドラマ化もされた韓国の漫画が原作で、ミュージカル版の脚本・音楽・演出も韓国のクリエイターが手掛けるが、ここ日本が初演の地。そして海宝直人主演の『イリュージョニスト』(3月)では、コロナ禍の影響で2021年はコンサート版での上演となった作品のフルバージョンに、英国の演出家トム・サザーランドが満を持して挑む。

映画化もされた平野啓一郎の小説「ある男」を海外クリエイターを迎え初演

日本のクリエイターによるオリジナル作品では、ドラマ化もされた人気漫画を小池修一郎が脚本・演出する『昭和元禄落語心中』(2月)が最大の話題作。ミュージカルのみならず映像でも目覚ましい活躍を見せる山崎育三郎、明日海りお、古川雄大が顔を揃え、戦前から平成の落語界に渦巻く愛と業を描き出す。また『えんとつ町のプペル』(8月)は、原作者の西野亮廣本人が演出した2021年公演に主演した吉原光夫を演出に、新たに廣瀬友祐を主演に迎え、フルオーケストラ版にバージョンアップしての上演だ。

小池修一郎の脚本・演出『昭和元禄落語心中』は山崎育三郎×明日海りお×古川雄大の豪華初共演も話題

2025年はまた、2016年の初演以来4度目を数える藤田俊太郎演出の『手紙』(3月)、新演出で上演される音楽座ミュージカルの定番『リトルプリンス』(5月)、原作漫画の人気を背景にウエストエンドと韓国への輸出も成し遂げた『四月は君の嘘』(8月)、同じく漫画原作で初演から2年という短いスパンでの再演となる『SPY×FAMILY』(プレビュー9月、本公演10月)と、オリジナルミュージカルの再演が多いのも特徴と言えそう。日本ミュージカル界でオリジナル作品が増える大きな契機となったコロナ禍の始まりから早5年、オリジナル作品の存在感がそろそろ海外作品と肩を並べる時期なのかもしれない。

文:町田麻子

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