映画『TATAMI』イスラエル&イランにルーツを持つ監督たちが初の共同演出、その思いを込めた声明を発表
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『TATAMI』撮影風景 (C)2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved
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すべて見る2月28日(金) に公開される映画『TATAMI』より、監督のステートメント(声明)が公開された。
本作は、『SKIN 短編』で第91回アカデミー賞短編実写映画賞を受賞したイスラエル出身のガイ・ナッティヴと、『聖地には蜘蛛が巣を張る』で第75回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したザーラ・アミールが監督というイスラエルとイランをルーツに持つ者どうしが、史上初めて共同で演出した社会派ドラマ。スポーツ界への政治介入や中東の複雑な情勢、イラン社会における女性への抑圧など実話をベースに、アスリートたちの不屈の“戦い”を臨場感溢れる映像で描き出す。

ジョージアの首都トビリシで開催中の女子世界柔道選手権。イラン代表のレイラ・ホセイニと監督のマルヤム・ガンバリは、順調に勝ち進んでいくが、金メダルを目前に、政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため、棄権を命じられる。自分自身と人質に取られた家族にも危険が及ぶ中、怪我を装って政府に服従するか、自由と尊厳のために戦い続けるか、ふたりは重大な決断を迫られる。
なお、本作はすべて秘匿状態で撮影が行われ、映画に参加したイラン出身者は全員亡命。イランでは上映不可のままとなっている。現在はイランから亡命し、フランスを拠点としているザーラ・アミールは、2022年にBBCの「100人の女性」に選出された影響力あるオピニオンリーダー。『TATAMI』では監督を兼ねながら、俳優として監督のマルヤム・ガンバリを演じ、第36回東京国際映画祭コンペティション部門の最優秀女優賞に輝いた。
■ガイ・ナッティヴ&ザーラ・アミール ステートメント
私たちは、芸術こそが雑音を切り裂く正義の声であると信じている。
ここ数十年、人々が実際に感じていることとは無関係に、イラン政府は国際的なイベントでイラン人とイスラエル人が対面しないようにあらゆる手段を講じてきた。それでも、私たちは道を見つけた。イスラエルのテルアビブや、イランのテヘランから2時間の距離にあるジョージアのトビリシで、自由を求めて命をかける勇敢なイラン人アスリートたちの物語を伝えるために、私たちは力を合わせた。イスラエルとイランのアーティストたちは、お互いに兄弟姉妹関係を見出し、芸術、美学、映画を共有する中で、多くの共通点があり、実はとても近い存在であったことに気づいていった。
この映画で語ると決めたのは、システムや政府間の対立によって夢を諦めざるを得なかったり、時には祖国や愛する人のもとを去らなければならなかったりした多くのアスリートやアーティストたちの物語だ。最終的には、人々の思いやりや協力が勝利するのだということを世界に示す映画を作ることができたと信じている。
この芸術的で映画的な合作が、盲目的な憎しみや相互破壊の狂乱を超えて、未来を共に築こうとする、アーティストやアスリート、そしてすべての人々への尊敬の印を込めた贈り物となりますように。
<作品情報>
『TATAMI』
2月28日(金) 公開
公式サイト:
https://mimosafilms.com/tatami/
(C)2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved
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