奥山由之監督、憧れのシャンテで『アット・ザ・ベンチ』公開に感無量!作品に込めた思いを語る!
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奥山由之監督
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すべて見るTOHOシネマズが邦画、洋画問わず“いま、気になる映画・映画人”をピックアップして観客へ届ける「TOHOシネマズ・ピックアップ・シネマ」が1月17日、東京・TOHOシネマズシャンテにて開催され、『アット・ザ・ベンチ』が上映。メガホンをとった奥山由之監督が登壇し作品に込めた思いを語った。
本作は、写真家・映像作家として活躍する奥山監督が、東京・二子玉川の川沿いの芝生の真ん中に佇むベンチに座るさまざまな人々の日常を切り取ったオムニバス長編映画。動画配信プラットフォームVimeoで、第1弾が2023年9月に、第2弾が2024年4月に無料で公開され反響を呼んでいたが、新たに3本の短編を加え、全5編のオムニバスとして上映された。
奥山監督は「幼少期から今もこのベンチに近いところに住んでいるのですが、少し頼りなさげなこのベンチがすごくいいなと思っていたんです」と語ると「2年ぐらい前にこの場所の近くで大きな橋の工事が始まり、いろいろな景色が変わっていきました。自分の思い出が、どんどん塗り替わっていってしまう。そのときこのベンチを作品として残しておかないと後悔するなと思い企画書を書きました」とあらましを説明する。

キャストには広瀬すず、仲野太賀、岸井ゆきの、今田美桜、森七菜、草なぎ剛、吉岡里帆、神木隆之介ら錚々たるメンバーが顔をそろえている。奥山監督は「企画書を書いたあと、一緒にやりたいなと思う人に『こういう作品を作りたいんです』とひとりずつお声がけしました。集まっていただいた数十人と共に、少しずつ撮影をして完成しました」と小さな規模ながら奥山監督の思いに賛同した人たちが集まった。
劇中は会話劇で構成されているが、奥山監督は「僕は会話が好きなのですが、頭の中で思っていることを言葉にするのがすごく苦手で、言葉にすればするほど食い違ってしまう」と苦笑いを浮かべると「だからこそ会話への憧れがあった。それでこういう会話劇にしました」と理由を述べていた。

この日は映画を鑑賞した人からのティーチインコーナーも開催された。「全5編のなかで何話がお気に入りですか?」という質問や、映画監督を目指す大学生から演出意図などについて質問が及ぶと、ひとつずつ丁寧に答える奥山監督。脚本を生方美久、蓮見翔、根本宗子、そして自身と4人で構成したことに「ベンチという場所はひとつですが、それぞれ違う視点でひとつのものを描きたかった」と述べると「ひとつのものに対して視点はひとつではない。観る人によってとらえ方が違う方が面白いという理由で、僕が好きな作品を作り出した方にお願いしました」と納得の人選ができたという。
奥山監督にとってシャンテという劇場は観客としてよく訪れる劇場だというと「憧れのシャンテで上映していただけてとても嬉しいです」と感無量な表情を浮かべていた。
取材・文・撮影:磯部正和
<作品情報>
『アット・ザ・ベンチ』
公開中
公式サイト:
https://www.spoon-inc.co.jp/at-the-bench/
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