『近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は』水戸芸術館現代美術ギャラリーで 幅9メートル超の新作絵画を公開
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近藤亜樹《ザ・オーケストラ》2024年 ©The artist. Courtesy of ShugoArts. 撮影:武藤滋生
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すべて見る気鋭のアーティスト、近藤亜樹による過去最大規模となる個展『近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は』が、2月15日(土)〜5月6日(火・祝)、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開かれる。
近藤亜樹は1987年北海道生まれ、山形県在住。山形市にある東北芸術工科大学大学院在学中に東日本大震災を経験。また、第一子妊娠直後に夫が客死し、深い悲しみのなか、生まれてくる息子に勇気をもらい、「描くことは生きることそのもの」だと確信。生命や愛の力を解き放つような絵画を描き続けてきた。
今回の展覧会では、生への肯定、他者とともに在ること、人間的な尺度を越えた自然の世界、植物とのささやかな交感、芸術の根源に対する問いなどをテーマとして、2022年以降の作品と、同展に向けて制作された50点を超える新作を一挙に展示する。展示設計を、磯崎新アトリエ勤務時代に水戸芸術館の建築を担当した建築家・青木淳が担う。
新作絵画のひとつ《ザ・オーケストラ》は、人間のみならず動物や植物、擬人化された音の粒が渾然一体となった、「音楽の力」を感じさせる9mを超える大作だ。喜びや悲しみ、困難の受容、再起への希望が芸術へと昇華され、個々の表現が響き合う。水戸芸術館の前芸術監督でもあった指揮者・小澤征爾の存在を思いながら描いた作品でもある。
また、サボテンをモチーフにした新作シリーズも楽しみだ。生命力のシェルターとも、自己と他者を慈しむ気持ち(コンパッション)とも取れるユニークな作品群となる。
たっぷりと塗り重ねられた筆致と、光をたたえた色彩。日常の事物、記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といった一生活者としての視点から、生と死、超越的な自然の力といった壮大なテーマまで、多様な要素が「いま、ここ」につながり合う、大地のような芸術。災害や戦禍が絶えない現代にこそ、近藤が切り開く世界に立ち会いたい。
<開催概要>
『近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は』
会期:2025年2月15日(土)~5月6日(火・祝)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜(2月24日、5月5日は開館)、2月25日(火)
料金:一般900円
公式サイト:
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5321.html
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