ドリカムシアターと映画「Page30」への挑戦と期待、堤幸彦・紀伊宗之が語る
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「Page30」の監督・堤幸彦
映画「Page30」とその関連プロジェクトとして東京・渋谷に新設される「渋谷 ドリカム シアター supported by Page30」に関して、同作の監督・堤幸彦と、配給戦略を担当する紀伊宗之のインタビューコメントが到着した。
DREAMS COME TRUEの中村正人がエグゼクティブプロデューサーとなって制作された映画「Page30」。渋谷警察署裏の平地にテントシアター「渋谷 ドリカム シアター」をメイン上映館として建てるプロジェクトも同時始動し、4月11日より「渋谷 ドリカム シアター」ほか全国の映画館で公開されることは既報の通りだ。
堤は「渋谷 ドリカム シアター」について「もちろんびっくりしました。テントで映画を観るのは、昔はそこそこあったんですが、この時代にそんな企画が来るのか、と。しかも配信全盛期に、攻撃的な意思というか、のろしというか……正直大好きですね(笑)」と大いに支持したことを語る。
紀伊は実際に「Page30」を観てインスパイアされ、「渋谷 ドリカム シアター」の立ち上げにつながったことを明かす。作品の魅力を「古くて新しいし、ちょっとヨーロッパ的だったりヌーベルヴァーグの匂いがする」と述べ、「1970年生まれなので、東京だとシネマライズやル・シネマに行くとか。僕らの時代はそういうものがかっこよかった」と回想。また多くの作品が世にあふれる中、従来の方法ではなく「どう作品を届けるのか」を意識した結果、“映画館を作る”という異例の試みにたどり着いたという。
「Page30」は、4日後に本番を控えた演劇の稽古場で繰り広げられる物語。終わりの決まっていない30ページの戯曲のもと集められた4人の女優たちが、演出家不在の閉鎖空間で熾烈な舞台稽古を強いられ、悩みや葛藤を赤裸々にしていくさまがセミドキュメンタリータッチで描かれる。音楽をジャズピアニストの上原ひろみ、脚本を堤とともに劇団マカリスター主宰の井上テテ、劇中劇の脚本を劇団□字ック主宰の山田佳奈が手がけた。
堤は翻訳劇のような難解なテーマ性が「Page30」ならではの挑戦だったと説明する。切実な事情を抱えた4人の女優を演じたのは唐田えりか、林田麻里、広山詞葉、ロックバンド・HIGH and MIGHTY COLORの元ボーカルであるMAAKIII。中でも堤はMAAKIIIに関して「全然読めなかった」と明かし、「彼女がいることによって、ほかの3人の緊張度が半端なくなったんです。みんなステージの外ではすごく仲良くされて、LINEグループも作ってたりしてるんだけど、その目線の刃というのは半端ないものがありました」と振り返っている。
4月11日から6月1日にかけてオープンする「渋谷 ドリカム シアター」では、映画・音楽・演劇・ダンス・ファッション・食など、さまざまなカルチャーを発信していく。渋谷がDREAMS COME TRUEと縁深い街であることなどから企画が立ち上がった。紀伊は“若者の遊び場を大人が作る”ことへの違和感に触れながら「僕らも大人なので、結局大人が若者の遊び場を作っているのかもしれないけど、それを自由にやっていいんだと気付いてくれたら。また新しい時代が生まれていけばいいなと思います」とビジョンを口にし、堤も「ちっちゃい映画祭ができるといいですよね」と賛同した。
※記事初出時、キャプションの人名に誤りがありました。お詫びして訂正します
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