押井守「イノセンス」4Kリマスター版が劇場初上映、「GHOST IN THE SHELL」と同時公開
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「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版」「イノセンス 4Kリマスター版」ポスタービジュアル
押井守が脚本・監督を担ったSF長編アニメーション「イノセンス」の公開20周年を記念し、4Kリマスター版が劇場初上映。封切りから30周年を迎える「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の4Kリマスター版とともに、2月28日より東京・TOHOシネマズ 日比谷ほかにて2週間限定公開される。あわせて、押井からのコメントが到着した。
士郎正宗のマンガをもとに1995年に製作された「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」では、2029年を舞台にコンピューター犯罪、サイバーテロなどに対抗する非公認の超法規特殊部隊“攻殻機動隊”こと公安9課の活躍がつづられる。田中敦子が主人公・草薙素子を演じ、大塚明夫が同課に所属するバトー役で出演。山寺宏一、仲野裕、大木民夫、玄田哲章もキャストに名を連ねた。
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」から3年後を舞台とする「イノセンス」では、バトーを中心とする物語が展開。少女型のロボットが所有者を惨殺したという事件の謎を追うさまが描かれていく。同作は第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。今回が、企画上映等を除いた20年ぶりのロードショー公開となる。
「イノセンス 4Kリマスター版」の初号試写を鑑賞した押井は「もしかするとスクリーンで初めて、通して観たかもしれません。とても綺麗で美しく仕上がっていて良かったです」と語り、「当時は、何年もかかって手描きやCGで仕上げた画を細かなディテールまで映像で再現できなかった。ですが今回、高解像度のデジタルスキャンをしたことで、画の精度が格段に上がったと思います。4Kの威力を確かに感じました」と感想を述べた。
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版」「イノセンス 4Kリマスター版」の配給はTOHO NEXTが担当する。
押井守 コメント
今回「イノセンス」の4Kリマスター版を公開するにあたって、20年ぶり…もしかするとスクリーンで初めて、通して観たかもしれません。とても綺麗で美しく仕上がっていて良かったです。
当時は、何年もかかって手描きやCGで仕上げた画を細かなディテールまで映像で再現できなかった。ですが今回、高解像度のデジタルスキャンをしたことで、画の精度が格段に上がったと思います。4Kの威力を確かに感じました。それで当時のことを思い出しましたが、当時は病んでたなと(笑)。「イノセンス」が完成した後、2ヶ月くらい寝込んで立てなかったんですが、この作品にはその病んでるエネルギーが入っていました。美しいものを作るためには、何かを乗り越えないといけない。改めて観て、この作品から情念というのか退廃的な魅力を感じました。
皆さんにもぜひ劇場でご覧いただきたいです。
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