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きっかけは「どうして私を生んだの?」という娘からの質問 映画『石門』ホアン・ジー監督がタイトルに込めた思い

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『石門』 (C)YGP-FILM

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2月28日(金) に公開される映画『石門』の新たな場面写真が公開された。

本作は、“中華圏のアカデミー賞”と称される台北金馬獎で日本資本の映画として初めて「最優秀作品賞」を受賞し、「最優秀編集賞」との2冠に輝いた作品。監督を務めたのは、中国湖南省出身のホアン・ジーと東京出身の大塚竜治夫妻で、これまでに女性の性に関する問題をテーマに『卵と石』『フーリッシュ・バード』を共同制作してきた(『石門』に続き2作品とも日本初公開が予定されている)。

公開された場面写真は、主人公のリン(ヤオ・ホングイ)が、恋人に妊娠を伝えた直後の様子を捉えた1枚。想定外の事実に頭を抱える恋人は、「もうすぐ君は航空会社と面接だ。こんな機会を逃すのはもったいない」と彼女をいたわる言葉をかけながら、「タイミングが悪い」と暗に中絶を促す。妊娠の責任を負うべき立場でありながら、まるで彼女ひとりの問題にするかのような恋人の態度に、沈んだ気持ちが滲むリンの背中が印象的だ。

本作は、ホアン・ジー監督が「どうして私を生んだの?」と当時5歳の娘から尋ねられたことが製作のきっかけになっている。その時、どう答えたら良いかわからなかったホアン・ジー監督は、「少女から大人になりかけている女の子が、出産を悩む姿を撮ることで、その答えを導こうと考えた」と撮影に臨んだ。

『石門』というタイトルは、「女性を取り巻く環境に存在する、打ち破りたくてもなかなか突破して先に進めない壁」を指している。望まぬ妊娠が判明したにも関わらず、恋人の協力が得られないリンは、自分ひとりでは乗り越えられない大きな壁に直面する。診療所を営む彼女の母は死産の責任を追及され、高額な賠償金を支払うためにリンも働いて助けねばならない。

中国では、優秀な遺伝子を望む富裕層等を相手にした代理出産が闇ビジネスとして常態化している。子どもを産むことを決意したリンは、賠償金の代わりにその子を差し出そうと考える。

ホアン・ジー監督は、「彼女のお腹の赤ちゃんも石の門を突き破ってこの世界に出てくることができるのか。そんな意味を込めました」と語っている。

<作品情報>
『石門』

2月28日(金) 公開

公式HP:
https://stonewalling.jp/

(C)YGP-FILM

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