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「Flow」監督がこだわった水や動物の表現とは、アニメーター友永和秀との対談映像公開

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ギンツ・ジルバロディス ©︎Kristaps Kalns

長編アニメーション「Flow」より、監督を務めたギンツ・ジルバロディスと、数々のスタジオジブリ作品を手がけたアニメーター・友永和秀の対談映像2種がYouTubeで公開された。

洪水にのまれつつある世界を舞台とする「Flow」では、自分の居場所を捨てて旅立つ1匹の猫が動物たちと困難を乗り越え、少しずつ友情を育むさまが描かれる。今回の対談は、本作が東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2025で上映されることを記念して実施された。PART1・2に分かれ、計45分の映像となっている。

対談内では、友永が本作における“水”の表現に心を奪われたと明かす。ジルバロディスは「本当に難しかったです。水と言っても穏やかな水面から激しい水しぶきまでさまざまな表現があり、それぞれがまったく違うものなので、異なる技法を考えねばなりませんでした」と回想。さらに「リアルさのみを追求するのではなく、色彩を少し強調するなど、本物の水より感情豊かにしたかった」と語った。

物語には主人公の猫のほか、犬やヘビクイワシ(鳥)、キツネザル、カピバラなどさまざまな種類の動物が登場する。ジルバロディスは「猫や犬は一緒に暮らしていた子たちがモデル」と打ち明け、「鳥に関しては、猫をつかめる力があり、威厳のあるリーダー的存在としてヘビクイワシを選びました。次に決まったのが、さまざまな動物と共存できるカピバラ。動物たちのキャラクターはおのずと決まっていきました」と思い返した。

さらに友永が劇中での長尺のワンショットに感銘を受けたと言うと、ジルバロディスは「観客にまるで自分が猫になったかのような臨場感と一体感を与えるため」と意図を説明。友永は複雑なカットの場合は割って制作することも多いが、高畑勲は明確なビジョンのもと「なぜこのショットが必要なのか」を力説することで、当初のプラン通りに進めることも多かったと述懐する。ジルバロディスも制作当初からプロデューサーにプランを提示したと明かし「どんな複雑なことも、早くから準備すれば解決作を見つけられます」と語った。

「Flow」は3月14日に東京・TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。東京アニメアワードフェスティバル2025では3月7日19時より東京・TOHOシネマズ池袋にて上映される。

©Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.