見どころは“メンバー”、東京サンシャインボーイズ復活公演「蒙古が襲来」開幕
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パルコ・プロデュース 2025 東京サンシャインボーイズ 復活公演「蒙古が襲来」より。(撮影:細野晋司)
三谷幸喜率いる東京サンシャインボーイズによる「パルコ・プロデュース 2025 東京サンシャインボーイズ 復活公演『蒙古が襲来』」が昨日2月9日に東京・PARCO劇場で開幕した。
東京サンシャインボーイズは、1983年に三谷が旗揚げした劇団。1994年に活動休止宣言を行い、30年の充電期間に突入したのち2009年、旧・新宿シアタートップスの閉館イベントにて15年ぶりに集結し、「returns」を上演した。復活公演となる今回は、三谷が作・演出を手がける新作「蒙古が襲来」が披露される。出演者には、相島一之、阿南健治、伊藤俊人、小原雅人、梶原善、甲本雅裕、小林隆、近藤芳正、谷川清美、西田薫、西村まさ彦、野仲イサオ、宮地雅子、吉田羊が名を連ねている。
三谷は、作品について「30年ぶりの復活にあたって、昔僕たちがやっていたようなコメディを上演することや、過去の公演をリメイクすることも考えました。けれど、せっかく集まるなら、新しいことをやりたいと思いました。30年経ってみんな老化が如実に出て、稽古開始の声が聞こえても移動は遅いし、関係ない話もするし、実際に開始するまでに15分はかかるんです。若い頃のようなパワーもバイタリティーも減ってはいるかもしれないけど、皆にはこれまでに培ってきた経験がある。今できる芝居は何か。今の僕らがやることを考えた結果、対馬の漁村を舞台に、何でもない日の朝の日常を描きました。ただ一ついつもと違うのは『蒙古が襲来する』という事件が起こる日であること」とコメント。さらに「本作の見どころの1つはこのメンバーです。30年、よく現役の俳優として頑張って生きていてくれました。残念なことに伊藤俊人さんは約20年前に亡くなったけれど、今回昔の舞台の声を使って声だけ出演いたします。吉田羊さんも2009年の『returns』に出演してもらったことをきっかけに、研究生として今回も出演していただくことになりました。もう1つの見どころは甲本ヒロトさんが作ってくれたテーマ曲『どんちゃんの歌』です。甲本雅裕さんのお兄さんでもありますが、当時からずっとサンシャインボーイズを観てきてくれた方です。東京サンシャインボーイズをイメージして作ってくれました。この曲を最後に全員で歌います。今作は我々にとって冒険にはなりますが、楽しんでいただけると思います。是非劇場にお越しください」と思いを述べた。
上演時間は約1時間55分で、東京公演は3月2日まで。このあと本作は、3月7日から5月5日まで岡山・京都・長野・宮城・北海道・大阪・愛知・福岡・沖縄を巡演する。出演者のコメントは以下の通り。
相島一之 コメント
毎日がすごく楽しいです。顔合わせから1ヶ月、稽古場は笑いに溢れていました。確かに僕らは歳をとった。あちこちにガタがきて、みんな何かを抱えながら稽古に臨んでいる。でもなんだろうこの心地よさは。みんなが必死に役と向き合い全力で芝居を作ろうとしている。演劇はみんなで作るものなんだね。そんな当たり前のことを噛み締めています。劇団って良いもんだな。お芝居って楽しい! そう思ってもらえるよう全力を尽くします!
阿南健治 コメント
私の役は、綺麗な派手目の着物を着て色々と楽しんでいて、より深く人間をとも思いつつ、三十年ぶりの新たな大舞台を大きく意気込んで大きなワンステップとして何かを刻みたいとも思っています。
お客さん達へは、蒙古が襲来した事を楽しみながらで、感じる事が出来るかもで、13人の俳優をそれぞれ色々と細かく観て楽しんでくださいませ。
小原雅人 コメント
与えられた自分の役割をしっかりと熟し内に秘めた情熱はしっかり燃やし千秋楽までの日々に努めたいと思います。
大丈夫。スクラムはガッチリ組まれてます。
全国ツアーで30年振りの思いを劇場までわざわざ足を運んで頂いた皆様おひとりおひとりにお届けしたいと思います。どうぞお楽しみ下さい。
梶原善 コメント
30年の時を経て、僕達の舞台の稽古が新年早々から始まった。
稽古場の雰囲気はみんな年を食ったせいかとても穏やかで
なんだかお互いいたわりの空気が流れていた。
笑い声もよく聞こえたように思う。
そんな中日々コツコツと稽古は続いた。コツコツとしかしウチの芝居は
ほぼ出づっぱりと言う事はずーっと稽古。
「じゃ―頭から」と演出の声…
「アタマからか…」と僕。
コツコツときづきあげた30年ぶりぶりの僕達の芝居、
楽しんで頂けると幸いです。
甲本雅裕 コメント
30年の時を経て、この劇団の一員として舞台に立てる喜びをかみしめつつ稽古に通う毎日。
稽古場に着くと、そこは戦場。
苦しみ、もがき、ヘトヘトになりながら稽古に励んでいます。
でも不思議と皆んなの顔は笑ってる
三谷さんの脚本、演出、劇団員と今しかできない舞台を作る為、ほぼ60オーバー達が全力でぶっ飛ばして参ります!
ご覧になられる、お久しぶりや初めましての皆さん
30年ぶりに東京サンシャインボーイズはじめました。
小林隆 コメント
復活公演開幕に向けて出演者一同、渾身の力を振り絞って稽古に励んで参りました。
いよいよ幕が上がります 。御声援の程よろしくお願い致します。
近藤芳正 コメント
稽古は、連日発見がある日々でした。
懐かしい瞬間があったり、新しい刺激だったり、ほっとしたりワクワクしたり、成長を感じたり、変わらなさに笑ったり、 歳行って身体が動かなくなった分、お互いを労わる気持ちもあったり。
なんだろう、この感覚は初めてだし、もう2度と味わえないないであろう貴重な貴重な愛おしい日々でした。
さてさて本番では、どんな発見が? 長~い航海に出る気分です。
谷川清美 コメント
このメンバーで、この空間で、今ここにいる全ての人たちと過ごす、二度とない時間を心に刻みつけ、味わいつくしたいと思います。
東京サンシャインボーイズの復活公演を楽しみに待っていてくださったみなさんと創る「蒙古が襲来」。
どんな作品になるのかわくわくします。
心震える舞台を届けられるようがんばります。
ご来場お待ちしてます。
西田薫 コメント
稽古場にいる時間が幸福で、このままずっと稽古をし続けたいと思いましたが、この先にはもっと面白いことが待っているはずだと本番に向かいます。30年分の充電放出作品。楽しんで頂けたら嬉しいです。
今という時を大切に、勇気うたう人になりたい。新たな一歩を踏み出そう。
西村まさ彦 コメント
30年振りに劇団のメンバーと一緒に演劇ができる事とても興奮しています。
見てくれはあの頃とずいぶん変わってしまいましたが、舞台に立つ時は、あの頃と同じ思いで舞台に挑みます。
野仲イサオ コメント
えー30年ぶりってことですからね。そりゃあまあ、自然と意気込みますな。
意気込みと言えば、
研究生の頃、シェイクスピアの[恋の骨折り損]のビローンと言う役をやることになっんですが、結構長いセリフがありましてね。
それで、あるイギリスの大スターが貧乏なころ、ひどい空腹で舞台に立ったところ、演技に思いもかけない凄みが出たと書いていましたから、私も真似して腹ペコで臨みました。凄い芝居をみせてやろうと。
結果は腹に力がはいらず、ヘナヘナ。凄みどころかシオシオノパー。
これを教訓に、45年間、意気込み方を模索中であります。
宮地雅子 コメント
稽古場のあちこちから、「どっこいしょっ」が聞こえてきます(笑)
30年経って、パワーやスピード、骨密度は衰えました。
でも、違う何かは増えました。
間違い無く、今のみんなが、最強です。
私自身が、心から楽しみにしています。
劇場にて、お待ちしております!
吉田羊 コメント
15年ぶりの稽古場では、ブランクを感じさせないスピードでみるみると舞台が立ち上がって行き、三谷さんの1に10で応える猛者たちが魅せるサンシャインワールドに、研究生の私はただただ口を開けて魅入る毎日でした。しかし楽しんでばかりもいられない、いよいよ開幕だ。お客様が入れば更に進化していくであろう先輩たちとのお芝居は、間違いなく毎日が一期一会となりそうです。舞台と客席が一体となる瞬間が、今から楽しみでなりません。皆様、劇場でお待ちしています!
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