永井真理子インタビュー/セルフカバー・アルバムリリース!「楽曲に対しての感謝の気持ちを再び思い出せた」
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永井真理子 (Photo:吉田圭子)
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Text:川上きくえ Photo:吉田圭子
永井真理子が、シリーズ4作目となるセルフカバーアルバム『BIG LOVE』をリリース。昨年10月に行われたスペシャル・ライブ用に募ったリクエスト曲を中心に収録したという今作には、発表された時期もテーマも様々な11曲が並んでいる。つまりそれだけ永井真理子の歌が、聴き手の年齢も性別も、ましてや時代背景も限定せずに愛されてきたということだ。そして、聴いて驚くのは、リリースされた当時の歌声とはまったく別の説得力で、今の歌声が楽曲の中に生きていること。精力的にライブを行い、新曲を生み出し続けている彼女だからこそ実現できる、“セルフカバー”を出すことの本来の意味を感じてもらえるだろう。
──4作目となるセルフカバーアルバム『BIG LOVE』は、いろんな時代のいろんな曲が入っているのに、1枚のアルバムとして完成されていますよね。そもそも永井さんにとってセルフカバーアルバムとは、どういった意味を持つものだと思いますか?
最初、セルフカバーをアルバムとして出すこと自体、私としてはどうかなと思っていたんです。もちろんライブではその時代に合わせて新しくアレンジして披露していこうと思っていたんですけども、やっぱり録音された楽曲としてはオリジナルを皆さんに届けたところがその曲の最初であり、最後だというふうに思っていて。でも、復帰してからたくさんライブをするようになって、今の自分の音楽性に合ったリアレンジで歌っていたところ、ファンの皆さんが「このアレンジをCDで聴きたい」と声を上げてくださったんですね。それでライブ用にアレンジしたものを集めたCDを作ろうかという話になったんですけど、その矢先に、ちょうど世の中がコロナ禍で止まってしまって。ライブもすべて中止になり、時間もできたので、今の自分の音楽性で歌い直したセルフカバーアルバムを作ろうという気持ちになったんです。気がつけば年に1枚作るペースで、もう4枚目ができたという。
──“過去の楽曲”より、“現在の自分”に焦点をあてた結果なんですね。
そうです。で、いざやってみたら、やってよかったなという理由がいくつも出てきたんです。ひとつは、楽曲に対しての感謝の気持ちを再び思い出せたこと。200曲以上ある中で、私が歌わなくなってしまった曲もリアレンジすることで、皆さんにもう1度聴いていただくチャンスができた。当時協力していただいた作家さんたちにも完成品を送ったら、「新しい時代に連れてきてもらえて本当にうれしい」と言っていただけました。あとは、擦り切れるほど歌ってきた曲をあらためて歌うことによって、その曲の中にとんでもなく思い出がいっぱい詰まっていることを再確認できたし、いろんな情景を浮かべながら歌うことができた。懐かしさと新しさって、こうやって融合できるんだなって思いました。
──リアレンジとはいえ楽曲の構成やテーマみたいなものは変えず、可能な限り原曲のスタイルをキープしたのも理由があってのことですよね。
アレンジをしてもらう上で、懐かしさみたいなものを保ってもらったんです。そういう匂いがするもの、イントロや間奏をオマージュ的にオリジナルから少し拾ってもらったり。まったく裏切るのではなく、皆さんがちょっと懐かしかったり、馴染みがあったりするものを入れてもらえるようにしたんです。元の曲をリスペクトしながら、今の私の色に染めていくというのがセルフカバーの出発点なので。
──楽曲にもうひとつの入り口を作ってあげるみたいな感覚ですかね。それは長く音楽をやってきた人にしか、できないことかもしれません。
うん、そうかも。特に私はシングルヒットというよりも、アルバムをたくさん聴いてもらっているアーティストだと思うんです。なので、皆さんどの曲をリアレンジしても喜んでくれるし、自分もあまり気にせずやりたいものをピックアップしながら作れたというか。まずvol.1、vol.2と出してとても喜んでいただけたので、vol.3ではアコースティックという形で、夜空や真っ青な大空に思いを浮かべられるような幻想的なサウンドで楽曲を表現する『BIG SKY』という作品を作って。今回は昨年10月に開催したスペシャル・ライブ用にファンの皆さんから募った『永井真理子ソングリクエスト』の曲を中心に集めてみたんです。
──人気を得た曲の裏側で、ライブを通してじっくり愛されてきた曲たち?
そうそう。リクエストをばーっと広げたときに、あまりにも結果がバラバラで驚いたんです。でも、みんな「こだわりがあってこの曲にしました」とか「この曲の良さを私は知っている!」とか、自分がその曲に共感したときの熱い気持ちを持って選んでくれていて。アルバムをたくさん聞いて、すごく大事にしてきてくれたんだなと思いました。
──そのバラバラな曲たちを、今の永井さんの歌声がきちんと束ねることで、1枚のアルバムとしての新たな個性が生まれていると感じました。
そう感じていただけるとうれしいですね。デビューして38年、かれこれ40年近くなって、全てのアルバムの楽曲を知っている方ってそんなに多くないと思うんですよ。これまでのセルフカバー44曲はアルバムの中の何気ない曲も、シングルカットされたお馴染みの曲もちゃんと収録されてますし、一気に私の歴史を追えるのかもしれないですね(笑)。なおかつ現在の声で歌われているので、今の私へと繋がるのかもしれない。
──特に今回の『BIG LOVE』は、元の曲よりもロックなアプローチが強化されていてカッコ良かったです。
付き合いの長いアレンジャーってほんとすごいなと思うところで。私らしさというのを裏切らずに、でも新曲みたいにちゃんと聞かせてくれて、ファンも沸かしてくれるっていう。それはやっぱり、私と付き合いが長いミュージシャンじゃないとできないと思うんです。
──今、永井真理子が歌いたいものをわかってるんでしょうね。こうやってステージで歌いたいんでしょ? みたいな。
その通りです。あと、今回、辛島美登里さん提供楽曲が2曲収録されています。リクエストの上位にも位置しているのですが、辛島さんとスペシャルライブでセッションさせていただいたときに、色んな出会いに感謝できました。あの当時は作家さんとしてご紹介を受けた辛島さんと何十年も経って再会し、並んで一緒に歌える未来があるなんて思っていませんでしたから。そんな感謝の気持ちも込めてアルバムに収録しました。
──原曲ではストリングス重視なのに、こんなにゴリゴリのギター入れちゃうんだ! と思いました。ちょっと挑戦状叩きつけてる感じ(笑)。
ははははは。そういうのもあったのかもね! オリジナルのものを歌声だけ変えて出すのではなく、「こんな感じのアプローチもいいね」と感じていただけるように。でも、私はまったく違和感なかったですよ。辛島さんもこのアレンジをとても気に入ってくださってました。
── 今回あらためて歌ってみたら、当時と歌う気持ちが変わっていた曲とかもありました?
それはほとんどの曲に感じていました。特に「Reborn」はオリジナルでは滑舌をあえてゆるめに歌っていて、ちょっと"カッコかわいい"を意識してニュアンスをプラスしていた感もありましたが、今回は、まったく考えず真っ直ぐな歌い方をしています。
──10年の休止期間を経て復帰した、本当の意味でのRebornを経ましたからね。
自分の気持ちはまだまだ生まれ変われるんだって、身を持って知りましたから。あと逆に、「卒業してもサヨナラしても遠くでも」という曲は学生時代のいわゆる教室の景色をイメージして作った曲なんですけど、自分の中に恋愛のキュンキュンする気持ちとか、甘酸っぱい気持ちっていまだに残ってるんだなと知りました(笑)。
──今作を作ったことで、今後の楽曲制作にもいい影響がありそうですね。
今は喉のメンテナンス中なのであまり歌っていないんですけど、曲づくりは進行していて、自分でもまだまだ模索中なんですけど今までになかったような曲調や表現に挑戦したいなと思っています。そのためにも今は、いろんな音楽に触れたり、いろんな映画を見たり、新しい空気を入れる時間に当てたいと思っています。こんな発声でこんなふうに歌ってみたいなというようなイメージも頭の中で膨らんできているので、ライブで歌うのがすごく楽しみなんです。一応、喉の調子次第では夏くらいにはステージで歌って、秋くらいには新しいアルバムをみなさんにお届けできたらいいなと思っています。

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※応募するInstagramアカウントを公開状態にしてください。
※日本国内に在住し、郵便物・宅配物の受け取りが可能であることをご確認ください。
※このキャンペーンにInstagram(META社)の関連はございません。
<リリース情報>
永井真理子セルフカバーアルバム第4弾
Brand-New Door Vol.4
『BIG LOVE』
2025年2月14日(金) 発売
3,000円(税込)

【収録曲】
01. Reborn
02. 50/50 (Fifty Fifty)
03. 愛をください
04. Karma Karma
05. 瞳・元気
06. 私を探しにゆこう
07. 卒業してもサヨナラしても遠くでも
08. TIME
09. 飛べないBig Bird
10. キャッチ・ボール
bonus track
11. ZUTTO ~Christmas version~
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永井真理子 公式サイト:
https://marikonagai.amebaownd.com/
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