Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > OSK日本歌劇団 椿りょうのラブレター

OSK日本歌劇団 椿りょうのラブレター

ステージ

ニュース

ナタリー

椿りょう

2024年9月2日付で、翼和希がOSK日本歌劇団トップスターに就任した。翼は2023年から2024年にかけて放送されたNHKの連続テレビ小説「ブギウギ」に出演し、一躍人気に。翼と共に今、改めて注目を浴びるのが、OSK日本歌劇団だ。このコラムでは、個性豊かな劇団員たちが思い思いにつづる“ラブレター”から、100周年を超える歴史を持つOSK日本歌劇団の“今”を築く、メンバーの素顔を紹介する。

第7回では、陽のオーラをまとう男役スター・椿りょうが手紙をしたためた。椿は、OSK日本歌劇団創立100周年記念公演の1つとなった2022年7月の「レビュー in Kyoto」の第1部「陰陽師 闇の貴公子☆安倍晴明」で酒呑童子を演じた。酒呑童子は復讐のために妹・茨木童子と共に鬼となり、芦屋道満の手足となって働く、いわゆる“悪役”。椿にとって初の悪役となった酒呑童子に、「哀しみが込み上がってくる強い気持ちをお芝居で演じた」と役作りのアプローチを振り返る。今でも「心の片隅に棲みついている」と語るほど、椿にとって大切な役となった酒呑童子に伝えたい思いとは……。なお椿は、明日2月13日に大阪・近鉄アート館で開幕し、28日から3月2日にかけては東京・博品館劇場公演も控えるミュージカル「ドラキュラ」に、ヴラド役で主演する。

※「陰陽師 闇の貴公子☆安倍晴明」の「☆」は五芒星が正式表記。

酒呑童子様

お元気ですか?
まだ相変わらずお酒をたくさん呑んでいるのでしょうか?
それとも、妹の茨木と一緒に、人間であった時の2人に戻って、天上で仲良く幸せに暮らしているのでしょうか?

本当は朗らかな、妹想いの優しいあなたの、激しい怒りと、心の中から哀しみが込み上がってくる強い気持ちをお芝居で演じたこと、私は今でも忘れることはありません。
人ではなくなってしまったあなたに寄り添おうと、お稽古中はとても苦しい気持ちになりましたが、最後の場面で大切な妹ともに浄化される時の幸せに満ちた振付をいただいた時に、私の気持ちも晴れやかになり、心が揺れ動く毎日でした。

あの日から、あなたが私の心の片隅に棲みついているようで、時々あなたに尋ねています。
今は寂しくないですか?
苦しんでいないですか?
私も、あなたのように守りたいものを守るため、あなたの事を忘れずに、今を精一杯生きていこうと思います。

%play_2938_v1%