丸山隆平が主演舞台「浪人街」仕上がりに自信、丸山の“代表作”に一色隆司「きっとなります」
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左から一色隆司、玄理、丸山隆平、板尾創路。
丸山隆平が主演を務める舞台「浪人街」が本日2月20日に東京・新橋演舞場で開幕する。それに先駆け、昨日19日にゲネプロ公開と囲み取材が行われた。
「浪人街」は、山上伊太郎が書き下ろし、1928年にマキノ正博の監督で制作された「浪人街 第一話 美しき獲物」から始まるサイレント映画シリーズ。作中では、安政時代の江戸の町を舞台に、やくざ者や夜鷹、浪人といったはみ出し者たちの姿が描かれる。舞台版では脚本を倉持裕、演出を一色隆司が手がける。公開ゲネプロを終え、荒牧源内役の丸山、お新役の玄理、土居孫左衛門役の板尾創路、そして一色が囲み取材に応じた。
丸山は、「江戸に生きる浪人やそのほかの人々の生き様にどっぷりと浸っていただけるような、本格的な時代劇になりました」と自信をのぞかせる。丸山にとって本作は、舞台出演作で初となる時代劇。「所作のアドバイスをいただき、細かいところを話し合いながら丁寧に作りました。舞台上でほとんど酔っ払っている役は初めてなので、気持ちが冷めてしまうのが一番怖い。本当の酔っ払いを知っている人からどう見えるのか、知りたいです(笑)」と微笑み、場を和ませた。
玄理は「初日に向けて1カ月、皆で稽古に励んできて、とても良いチームワークで臨めています。台本を読んだときに面白いなと思ったのですが、この作品は登場人物が誰一人、まともではないんです(笑)。でも自分たちが守りたいもの、信じたいものがある。お客さんがどのキャラクターに感情移入したのかという感想を、たくさん聞けたら」と瞳を輝かせる。また、チームワークが築かれた稽古場では、皆がはちみつや飴などを持ち寄って健康に気を遣っていたそうで、丸山は「体力を付けなければいけないので」と、ゆで卵を持参し、玄理はそのお裾分けをもらっていたというエピソードが語られた。
「浪人街」は時代劇映画において初めて、数十名で行う“集団殺陣”というジャンルを切り拓いたことでも知られている。板尾は舞台上での殺陣の激しさに言及し、「今日初めて、呼吸が苦しくて『口が足りないな』と思いました。盆は回るし、地球も回っている。観ている以上に大変です。『浪人街』は殺陣のイメージがありますが、夫婦の物語のような気がしていて、最後に“愛”が見えて終わります。関係がギスギスしている老夫婦が観に来たら、銀座を手をつないで帰れるのではないかな」と話した。
一方、一色は「丸山さんの代表作になるんじゃないかと思うくらい、素晴らしい作品になっている」と言う。丸山が「これ、記事の見出しになりますね?」と中言すると、一色が「いや、きっと代表作になりますよ!」と応じる場面も。さらに、「この作品には、今の時代のお客さんにも訴えかけるメッセージが込められています。倉持さんの脚本が素敵で、役者さんたちの意欲も高く、それらがエネルギーとなってここまでたどり着けました。この作品は進化していくと思うので、何度でも観に来ていただけたら」と述べた。
最後に丸山が、「今のこの世の中に、由緒正しき新橋演舞場に観に来てくださった皆さんに、作品がどんなふうに刺さり、どう持ち帰っていただけるのか。僕らも客席で観てみたい作品に仕上がったと思います。ぜひ劇場に足を運んで、当時と今の時代を照らし合わせながら、思いを巡らせていただければ」とメッセージを送った。
本作にはそのほか、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤誓、矢柴俊博、神保悟志らが出演する。上演時間は休憩を含む約3時間。東京公演は3月16日まで。その後、公演は21日から28日まで愛知・御園座、4月2日から10日まで京都・南座でも行われる。
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