キネマ旬報ベスト・テン表彰式に河合優実、松村北斗、忍足亜希子、池松壮亮、三宅唱ら集う
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2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テンの受賞者
2024年 第98回キネマ旬報ベスト・テンの表彰式が、本日2月20日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで開催され、作品賞と個人賞の受賞者が出席した。
ベスト・テン第1位(作品賞)
日本映画部門は、三宅唱の監督作「夜明けのすべて」。同作ではパニック障害とPMS(月経前症候群)を抱えた者同士が、少しずつ互いの殻を溶かし合っていく様子が描かれた。三宅は「賞につながったのは、多くの方が観てくださったから」と観客に感謝し、企画・プロデュースを手がけた井上竜太は「多くの方に観ていただき、素晴らしい評価をしていただけた幸せな映画になりました。この作品が、観た方の心の手すりのような存在になれたらうれしいです」と喜びを語った。
外国映画部門には、第2次世界大戦下、原子爆弾の開発に従事した物理学者の物語「オッペンハイマー」が選出された。この日は、監督クリストファー・ノーランの代理として配給会社ビターズ・エンドの代表・定井勇二が登壇した。
そして文化映画部門第1位は、1992年に福岡・飯塚市で2人の女児が殺害された飯塚事件を追ったドキュメンタリー「正義の行方」。監督の木寺一孝はトロフィーの重さに驚きながら「この作品に光を当てていただけて本当に感謝しております」「(映画を通して)この事件や司法について、1人でも多くの方に関心を持っていただけたら」とコメントする。同作は、2月22日から28日にかけて東京・ユーロスペースでアンコール上映が実施される。
日本映画監督賞・外国映画監督賞
ベスト・テン第1位に続いて、監督賞の日本映画部門は「夜明けのすべて」の三宅、外国映画は「オッペンハイマー」のノーランという結果に。この2作品は読者選出日本映画監督賞、読者選出外国映画監督賞も獲得した。
日本映画脚本賞
脚本賞は「ラストマイル」を手がけた野木亜紀子。同作は、ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の世界線と交差する“シェアード・ユニバース・ムービー”として話題を呼んだ。
主演女優賞・主演男優賞
主演女優賞は、映画「ナミビアの砂漠」「あんのこと」で注目を集めた河合優実が受賞。主演男優賞には「夜明けのすべて」の松村北斗(SixTONES)が輝いた。20代の俳優がともに主演賞に選ばれるのは、2012年度の安藤サクラ・森山未來以来となる。
助演女優賞・助演男優賞
助演女優賞は「ぼくが生きてる、ふたつの世界」の忍足亜希子、助演男優賞は「ぼくのお日さま」「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」の池松壮亮が受賞。「ぼくが生きてる、ふたつの世界」「ぼくのお日さま」の監督や共演者たちが祝福に駆け付け、2人と喜びを分かち合った。
新人女優賞・新人男優賞
新人賞は「ぼくのお日さま」の中西希亜良と越山敬達に与えられた。奥山大史が監督した同作で、越山は吃音を持つホッケー少年のタクヤ、中西はフィギュアスケートを学ぶ少女さくらを演じた。
読者賞
読者賞は、斎藤環による映画批評をまとめた書籍「映画のまなざし転移」。斎藤は「(同書のもとになった)連載を気軽に始めたら、10年以上書かせていただいて」「新作の試写会に参加できて、原稿料もいただける非常においしい仕事。賞までいただけて感謝しています」とジョークを交えながら挨拶して観客を和ませた。