見たことのないふぉ~ゆ~を! 新作舞台『CRIMINAL FOUR』で4人が挑む“愛しき大悪党”への道
ステージ
インタビュー

ふぉ〜ゆ〜(左から、越岡裕貴、福田悠太、辰巳雄大、松崎祐介) (撮影:興梠真帆)
続きを読むフォトギャラリー(3件)
すべて見る舞台を中心に、これまでさまざまな活躍を見せてきたふぉ〜ゆ〜。劇団「山田ジャパン」を主宰し『全裸監督』『新聞記者』『ウイングマン』など映像作品の脚本も数多く手がける山田能龍が、「今まで見たことのないふぉ~ゆ~を」と愛を込めて脚本・演出を手がける新作『CRIMINAL FOUR-愛しき大悪党-』がまもなく幕を開ける。フランス・パリを舞台に、ユーゴ(福田悠太)、ライアン(辰巳雄大)、シモン(越岡裕貴)、ガスパール(松崎祐介)の4人組犯罪集団「ル・ミラージュ」はどのような活躍を見せるのか。そしてこの作品・役柄に挑む、ふぉ~ゆ~の心境は。4人に率直な思いを聞いた。
当て書きされた役柄を通して、色気のある大悪党に挑戦を
――今回の役は山田さんが当て書きされたそうですが、ご自分ではどのように感じていますか? メンバーから見て、リンクしていると感じる部分も教えてください。
福田 僕はふぉ~ゆ~のリーダーで、ユーゴも「ル・ミラージュ」のリーダー。リーダーっていうところは一緒ですけど、ル・ミラージュの中のリーダーの役割と自分自身の役割は全然違った感じなので、台本を読みながら「リーダーってこういうことか」って勉強してます。
辰巳 へぇ~。
福田 いや、それはちょっとネタです、つくりました(苦笑)。
辰巳 福ちゃんは観葉植物が好きで、本が好きで、温かい黒豆茶が好きで、最近はおじいちゃんみたい。でもリーダーとしてまず僕らの意見を吸い上げて、ふぉ~ゆ~としてまとめてくれる。何よりも表には見えない熱さがある人なので、そういうところがすごくユーゴに合っていると思います。
松崎 ガスパールは身体能力に長けてるキャラクターで、僕も昔から身体能力だけは自信があります。キャラクターそれぞれにポジションがあって、僕はパワー(担当)。マーベルで言ったらハルクにちょっと似てるところがあるなって感じますね。
福田 マツは素っ頓狂だし、言ってることもよくわからない(苦笑)。でもピュアですごく人間味があるし、身体能力もすごくて今回のパルクールの練習では水を得た魚のよう。そういうところも役とリンクしていますね。
越岡 シモンは、IQが高くてキザっていう役どころ。自分自身では結構違うかなって思ったりもしますけど、俯瞰するとそう見えるんでしょうね。だから、能龍さんもそういう役を当ててくれたんだと思います。
松崎 こっしーは、役としては本当に頭脳派でセキュリティをかいくぐるシモンで、僕にはないものを持っています。僕は、こっしーとは違って数学とか苦手だし。楽屋が一緒になることも多くて、漢字が読めない時には「これなんて読むの?」ってすぐ頼っちゃう。
越岡 誰でも読めそうな漢字を聞いてくるんですよ……。
松崎 間違えそうでドキドキしちゃうから、確認のため! それに美のマスターで、美容院とかにもすごくこだわってる。
越岡 美の話、要る? 雄大は視野が広くて人のことをよく見てるし、ものまねのレパートリーも多い。ライアンも詐欺師としてたくさんの顔を持っていて、いろいろなことを演じるわけじゃないですか。通ずるものがあると思います。
辰巳 僕はやっぱり、おしゃべりだなって思われたんだな……確かにおしゃべりですし(笑)。「よくしゃべる役=より聴く役」で、相手の懐に飛び込むには、他の人よりもその人の言葉をよく聴かなくちゃいけない。ライアンとは、そういうところですごく親和性があると感じます。
――「悪党」と呼ばれる役を演じることについてはいかがですか?
福田 みんな男の子ですし、“悪いもの=カッコいい” みたいな世代でもあったりするので。
松崎 憧れ。
福田 そう。悪党を演じることには男心をくすぐられるワクワク感がありますね。
辰巳 正当性をもって悪いことをできるのは役者の特権だし、犯罪者を演じることには魅力を感じざるを得ない。
越岡 犯罪って、普段の自分とはかけ離れてるわけじゃないですか。そういうことをステージ上でできるっていう高揚感があるかもしれないですね。
松崎 まぁ、犯罪は良くないです。
越岡 ダメ、絶対。
松崎 敵がいるからヒーローがいて、悪を倒す。でもその敵だって理由があって悪いことをしているし、初めからワルで生まれてくる人なんていない。絶対「おぎゃあ、おぎゃあ」って産声を上げて生まれてきて、それってやっぱりハッピーじゃないですか、ウェルカムじゃないですか、スマイルですよね。
越岡 どういう感じなんだ!?
辰巳 確かに、犯罪者も生まれた時から犯罪者じゃないもんね。それに悪い役を演じている人って、色気というか怖い余裕があるじゃないですか。もしこの舞台でそういうものが僕ら4人から出たら、さらにステップアップできるんじゃないかと思います。
新たなチャレンジを通して、完成度の高い舞台を創り上げたい
――山田さんとの新作舞台という点で、楽しみにしていることをお聞かせください。
福田 僕は、山田さんとは2回目。初めて(2021年『優秀病棟 素通り科』で)ご一緒した後に僕らの舞台も観て、「ふぉ~ゆ~とやれたら最高だな」って言ってくださったんです。それが実現しまして。稽古場も初日から熱を帯びていて、今の時点では想像できないような完成度の高い作品になりそう。すごく楽しみです。
松崎 僕は山田さんとは初めましてですけど、すごくお芝居に熱い方で、今回の脚本も山田さんが書いているし、本読みの時点でもう『CRIMINAL FOUR』の世界が見えているんですよね。それをどう共有して具現化して、ステージに立ってお芝居するか。パルクールもあるし、「早くステージに立ちたい」って思います。

越岡 稽古では能龍さんがいろいろなことを細かく教えてくれて、「そう考えれば良いんだな」って思うこともたくさんあります。楽しいし、本番になったらこれがどうなっているんだろうなってワクワクしてます。このカンパニーで、『CRIMINAL FOUR』を良い舞台にしていきたいですね。
辰巳 能龍さんが今回僕らとオリジナル作品を創るにあたって言ってくださったのが、「クリエイターとして、今まで見たことのないふぉ~ゆ~を見たい」。能龍さんの愛を感じるし、これまでコメディ系の作品が多かった僕らにとっては新たなチャレンジです。今まで見たことのない空気感をまとったふぉ~ゆ~、そして自分を見せるという強い覚悟をもって創っている最中です。
――『CRIMINAL FOUR』という作品の見どころは、どこにあると思いますか?
福田 パルクールはひとつの見どころですけど、「はい、パルクールコーナーですよ」っていうシーンはないです。例えば警察と悪党のチェイスシーンでもさらっとパルクールして、普通にしゃべっている時もパルクールの躍動感がそのまま息づいている。パルクールが、お芝居全体を盛り上げるひとつのパーツとして活きているんです。
――芝居の中に自然に溶け込んでいるということでしょうか。
福田 そういうことですね。
――パルクールの稽古はどんなことをしていますか?
辰巳 ジャンプして着地と同時に受け身をとるとか、目的物の上までジャンプしてそこに留まるとか、バーを飛び越えるとか。でもそれが結局、パルクールのすべてなので。2日前の基礎練習で、今はみんな筋肉痛ですよ。
越岡 僕らは弊社の中でも割と動いてるタイプのタレントですけど、それでもかなりの筋肉痛です。
辰巳 お芝居の稽古も始まったばかりなので、みんなが役と戦ってる感じも新鮮ですね。
福田 能龍さんのセリフは結構特徴的だし、ボリュームもあるしね。みんなずっと台本を読んでます。昨日はYouTube(「ふぉ~ゆ~ちゅ~ぶ」)の撮影でしたけど、隙があればみんな台本を開いて。
辰巳 ブツブツ、ブツブツ……。
福田 よし、(カメラを)回そう。「どうも~!」
福田・辰巳・越岡・松崎 「ふぉ~ゆ~で~す!」
福田 ……っていう状態でしたね。
越岡 もちろん普段戦ってないわけじゃないけど、新たなことに取り組むうえでそれぞれが戦ってるこの感じは、すごく良いなって思います。
福田 能龍さんも共演の先輩たちも含めて、「みんなで良い作品にするぞ」っていう熱意もありながら楽しくて、でもちゃんと緊張感があるのが良いですね。

松崎 僕たち4人は今まで、お客さんを笑わせて“スマイル・フォー・ユー” していくものが多かった。でも能龍さんは「この作品とふぉ~ゆ~が混ざり合うことで自分も何か発見できるんじゃないか」って。さっき辰巳が「覚悟」って言いましたけど、4人が覚悟をもって、舞台を観たお客様が「(女の子っぽい声で)今までにないふぉ~ゆ~、恋(心を)盗まれちゃった!」ってなるぐらいまでいけたらいいなって。
越岡 今回は大阪で7公演もやらせてもらえるし、今までになかった形の舞台で僕たちを知ってもらえる機会が増えることは、素直にありがたい。
辰巳 この作品に出てくる言葉は立体的で、目をつぶって聞いててもすごいドラマが生まれそうな感じなんですよ。一人ひとりのキャラクターがとても魅力的に浮き上がっていくだろうし、全部が見どころですね。できたら、観てくれた方に「『ル・ミラージュ』が起こす別の事件を見てみたい」と思わせたいっていう願望もある。
――「ル・ミラージュ」のシリーズ化!?
辰巳 そうなったら嬉しいですけど。
――最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
福田 新しいふぉ~ゆ~をお見せできるように、僕たちもとてもワクワクしてます。「こういうところが良かったよ」って、思ってくれたことをいろいろなところで、作品の中でも僕らと共有して、楽しい時間を創れたらと思っています。
松崎 作品を観てくださる皆さまにひと言もの申しますと、「あなたにとって大悪党とは?」。ぜひ劇場でお待ちしてマツ、ということで!
越岡 お客様に何かを感じ取って楽しんでいただいて、「観に来て良かった」「ふぉ~ゆ~って素敵だよね」って思ってもらえるように、僕たちカンパニーで作品を創り上げていきます。ぜひ劇場で楽しんでください。
辰巳 大悪党「ル・ミラージュ」として浮世離れしているけど意外と実際にいそうな、独特の色気を放てるように僕らは稽古を積み重ねていきます。観終わった時に「また『ル・ミラージュ』に会いたい」って思わせるような犯罪集団になれたらと思いますので、劇場であなたの心を盗みます!!
福田・松崎 ……。
越岡 いや、良かったよ。
辰巳 楽しみです。よろしくお願いします!
取材・文:金井まゆみ 撮影:興梠真帆
ヘアメイク:国府田雅子、田坂たかえ
スタイリスト:小林洋治郎
<公演情報>
『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』
脚本・演出:山田能龍
出演:ふぉ〜ゆ〜(福田悠太 / 辰巳雄大 / 越岡裕貴 / 松崎祐介)
大原優乃、吉田メタル、蘭寿とむ 他
【東京公演】
2025年3月6日(木)~3月23日(日)
会場:IMM THEATER
【大阪公演】
2025年3月27日(木)~3月30日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール
【福岡公演】
2025年4月12日(土)・13日(日)
会場:キャナルシティ劇場
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2456121
フォトギャラリー(3件)
すべて見る