グレッグ・アラキ監督作「ミステリアス・スキン」製作から約20年を経て劇場公開
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「ミステリアス・スキン」ポスタービジュアル2種
グレッグ・アラキが監督を務めた「Mysterious Skin」が、「ミステリアス・スキン」の邦題で製作から約20年の時を経て劇場公開。4月25日より東京・WHITE CINE QUINTO(ホワイト シネクイント)ほか全国のスクリーンにかけられるとわかった。キャストとして「ブルータリスト」の監督としても知られるブラディ・コーベットが参加している。
2004年に製作された「ミステリアス・スキン」は、スコット・ハイムの小説をもとに、幼少期の性被害によって人生を大きく変えられた2人の少年の行く末を描いた物語。1981年の夏、リトルリーグのチームメイトである8歳の少年ブライアンとニールは、幼い子供への性加害を常習的に行なっていた“コーチ”によって人生を狂わされる。精神的ショックから記憶を失い、後遺症にさいなまれる日々を過ごしていたブライアンは、やがて自分は宇宙人に誘拐されたために記憶を失ったのだと思い込むように。一方、“コーチ”と8歳の自分の間にあったものが愛だと信じていたニールは、彼の影を追い求めて歳上の男たちを相手に体を売りながら生きる道を選んでいたのだった。
ブライアン役でコーベット、ニール役で当時23歳のジョセフ・ゴードン=レヴィットが出演。“コーチ”役にビル・セイジが起用されたほか、ミシェル・トラクテンバーグ、ジェフリー・リコン、メアリー・リン・ライスカブ、エリザベス・シューもキャストに名を連ねた。
YouTubeでは予告編が公開中。あわせて解禁されたポスタービジュアルには、ブライアンとニールの対照的な姿が捉えられている。
アラキは原作について「人生のうち、何年かを費やして映画にしたいと思えるほどの情熱と興奮を覚えたのは、この作品に出会ったときだけでした。ずっと起きてきたのに決して語られることのなかった関係性や出来事があらわになり、読者は心をかき乱されつつも惹きつけられてしまいます」とコメント。さらに「この物語は人々に気づきをもたらす、語られるべき話であり、それを途中で目をそらせない“映画”という形で見るのは強烈な体験になるでしょう。私としては、『ミステリアス・スキン』が観た人に変化を起こし、タブーへの沈黙を破るきっかけになることを願います」と語っている。
※「ミステリアス・スキン」はR15+指定作品
グレッグ・アラキ コメント
人生のうち、何年かを費やして映画にしたいと思えるほどの情熱と興奮を覚えたのは、この作品に出会ったときだけでした。ずっと起きてきたのに決して語られることのなかった関係性や出来事があらわになり、読者は心をかき乱されつつも惹きつけられてしまいます。もし映画化でこうした極めて不穏な場面に背を向けてしまうのであれば作る意味がないと思いました。それでは原作の持つ特別な力や、心を引き裂くような衝撃が失われてしまうからです。この物語は人々に気付きをもたらす、語られるべき話であり、それを途中で目をそらせない“映画”という形で見るのは強烈な体験になるでしょう。私としては、「ミステリアス・スキン」が観た人に変化を起こし、タブーへの沈黙を破るきっかけになることを願います。本作のエンディングには、個人的に魔法のようなものを感じます。光と影が絶妙なあんばいで共存していると感じるんです。嘘くさいハッピーエンドではありませんが、完全に絶望しかないわけでもなく、一筋の希望が見えます。観たあとには、私が真に望んだのはどちらなのかという疑問が残るでしょう。
©︎MMIV Mysterious Films, LLC