映画監督・野村芳太郎の功績を再発見するプロジェクトが始動、書籍刊行&特集放送など
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野村芳太郎
映画監督・野村芳太郎の功績を再発見するプロジェクトが始動されるとわかった。野村にまつわる書籍の刊行や、彼の監督作を各放送局や配信プラットフォームで放送・配信する施策が予定されている。
1919年に生まれた野村は川島雄三、黒澤明らの助監督として活動し、1952年に「鳩」で監督デビュー。「張込み(1958年)」や「砂の器」「八つ墓村(1977年)」など数々の作品を監督し、プロデュース作を含め約110作品に携わった。しかし2005年に死去してから現在、彼の有名作品以外は世の中の記憶から忘れ去られているという現状に鑑み、没後20年の今年2025年から生誕110年となる2029年まで「没後20年(2025年)から──生誕110年(2029年)へ 多彩なる多才のアルチザン 映画監督・野村芳太郎」と題した本プロジェクトが実施される運びとなった。
まずは3月10日に書籍「砂の器 映画の魔性 監督 野村芳太郎と松本清張映画」が刊行され、3月1日から14日まで東京・新文芸坐にて特集上映「監督・野村芳太郎が描く、作家・松本清張の世界」が開催。「ゼロの焦点(1961年)」「影の車」「砂の器」「鬼畜」「わるいやつら」「疑惑」「迷走地図」がスクリーンにかけられ、3月1日には同書籍の著者・樋口尚文と、「砂の器」のキャスト・春田和秀のトーク&サイン会が行われる。
さらに映像配信サービス・JAIHO(ジャイホー)では、未ソフト化の「最後の切札」「鑑賞用男性」「背徳のメス」「左ききの狙撃者 東京湾」「望郷と掟」「女たちの庭」「ダメおやじ」が3月7日より順次配信。6月27日から7月24日までは、全国の劇場で行われる「午前十時の映画祭15 デジタルで甦る永遠の名作」の1作として「砂の器」が上映される。
CS放送チャンネル・衛星劇場では特集「野村芳太郎 没後20年 芳太郎&芳亭 親子鷹」が4月にオンエア。「鳩」「婦系図(1934年)」など、野村と父・芳亭がそれぞれ監督した5つの作品を観ることができる。加えて無料のBS放送チャンネル・BS松竹東急では「砂の器」「八つ墓村」「事件」が11月に放送される予定だ。
なお本プロジェクトの実施決定に合わせ、公式サイトも開設された。