ポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』は逆襲エンターテイメント
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すべて見る『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が3月28日(金)から公開になる。本作は何度も“死んでは生き返る”任務についてしまった主人公の“どん底”からの逆襲を描くエンターテイメント作品だ。
主人公ミッキー(ロバート・パティンソン)は、とにかくダメダメで内気な男で、凶暴なわけでも悪党でもないが、ちょっとしたことをきっかけに追い詰められ、とにかく運がなくて、人生失敗だらけ。そこで得たのが“何度も生まれ変わる夢の仕事”だ。
しかし、それは過酷な環境にまるで実験のように放り込まれ、死んではまた生き返ることを繰り返す仕事だった。どん底で死んでは生き返る“死にゲー”状態の日々をおくる17番目のミッキーの前に、なんと18番目のミッキーが出現し事態は一変。“ふたりのミッキー”は人生を取り戻すために逆襲を開始する。
本作はポン・ジュノ監督の最高傑作だ。ポン・ジュノ作品といえば、思わず笑ってしまうブラック・コメディの面白さ、深読みできる&奥行きのあるストーリーが魅力だが、そのどちらもが最高レベルで展開される。
「パラサイト」は“半地下”がキーワードだったが、本作は何と“どん底”! 未開の地で、一瞬で死んでしまうような環境に放置される主人公と、労働者を使い捨ててはなぜか演説だけが大声で長い超ブラック企業のリーダーたち(マーク・ラファロとトニ・コレット)。エンタメ作品なのに現代社会の一面を見ているような、人類が歴史の中で繰り返してきた光景を眺めているような“深い”設定だ。
本作ではそれを緊迫のアクション、上下の格差構造を意識させる映像、笑い、予想外のドラマ運びを駆使して“主人公の逆襲劇”として描いていく。笑えて、痛快で、共感できて、観終わってもスカッと深い余韻が残る。『パラサイト』で感じたあの感覚をさらに上回る1作だ。
『ミッキー17』
3月28日(金) 公開
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