吉沢亮主演「国宝」の歌舞伎指導は中村鴈治郎、俳優としても出演
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映画「国宝」に吾妻千五郎役で出演する中村鴈治郎
吉沢亮が主演を務める映画「国宝」の歌舞伎指導を中村鴈治郎が担当し、さらに出演もしていることが明らかになった。
「悪人」「怒り」で知られる吉田修一の同名小説を李相日が映画化した本作。任侠の家に生まれ、数奇な運命で上方の歌舞伎役者の家に引き取られた立花喜久雄の50年に及ぶ一代記がつづられる。吉沢が15歳のときに父親を亡くし天涯孤独となった喜久雄を演じ、歌舞伎界の御曹司・大垣俊介に横浜流星、俊介の父で喜久雄を引き取る歌舞伎役者・花井半二郎に渡辺謙が扮した。
人間国宝・四代目坂田藤十郎を父に持つ鴈治郎は、1967年に中村智太郎を名乗り初舞台。2015年に四代目中村鴈治郎を襲名、2019年には紫綬褒章を授与された。また原作は吉田が3年の間、歌舞伎の黒衣をまとって楽屋で取材した経験をもとに書かれているが、この取材は鴈治郎の舞台で行われている。
鴈治郎が演じるのは森七菜演じる彰子の父親で、歌舞伎役者の吾妻千五郎。スキャンダルで騒がれた喜久雄に同情して優しくアドバイスをするが、彰子が喜久雄に恋心を抱いていることを知り、娘を使って成り上がろうとする喜久雄に対して厳しく当たる、名門・富士見屋の当主という役どころだ。なお鴈治郎の映画出演は2019年公開の「ねことじいちゃん」以来のこと。場面写真、メイキング写真に加え、鴈治郎からのコメントも到着している。
奥寺佐渡子が脚本を手がけた「国宝」は6月6日より全国でロードショー。高畑充希、寺島しのぶ、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達、永瀬正敏、嶋田久作、宮澤エマ、田中泯もキャストに名を連ねた。
中村鴈治郎 コメント
普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではより良い作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを観た時に、その時の現場の状況を思い出し、とても感動しました。
この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を観たことのある方には違和感なく、作り事でもなく、自然に観ていただければ一番いいな、と思っています。そして、この作品をご覧になった方々が歌舞伎に興味を持っていただければ、こんなに嬉しいことはないです。
吉沢亮さん、横浜流星さん、黒川想矢くん、越山敬達くん、田中泯さん、渡辺謙さんには本当によくやっていただいたと思っています。今は観客の皆さんに受け入れてほしいなと切に願っています。
(c)吉田修一/朝日新聞出版 (c)2025映画「国宝」製作委員会