デンゼル・ワシントン出演の「オセロ」BWで開幕

このコラムでは、アメリカ・ニューヨークにある劇場のうち、タイムズスクエア周辺にある“オンブロードウェイ”41劇場で今週開幕する公演を紹介する。

「パーパス」

Purpose

2025年3月17日（月）～
ヘイズ劇場

脚本：ブランデン・ジェイコブス・ジェンキンス
演出：フィリシア・ラシャド
出演：ラターニャ・リチャードソン・ジャクソン、ハリー・レニックス、ジョン・マイケル・ヒル、グレン・デイビス、アラナ・アリーナス、カラ・ヤング

昨年アメリカ・シカゴの名門ステッペンウルフ・シアター・カンパニーで初演された本作は、ブランデン・ジェイコブス・ジェンキンスの新作。昨年のトニー賞でリバイバル賞を獲得した「アプロプリエイト」に続き、ジェンキンスは今回も家族の物語を描く。ジャスパー一家は、公民権運動指導者、牧師、国会議員などの黒人コミュニティのリーダーたちで構成されている。しかし、末っ子のナザレスがとある友人を引き連れて帰宅すると、家族の秘密が表面化し……。演出は、俳優としてトニー賞を2度受賞し、近年は演出も務めるフィリシア・ラシャド。

ミュージカル「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」

Buena Vista Social Club

2025年3月19日（水）～
ジェラルド・ショーンフェルド劇場

音楽：ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
脚本：マルコ・ラミレス
開発・演出：サヒーム・アリ
振付：パトリシア・デルガド、ジャスティン・ペック
出演：ナタリー・ベネティア・ベルコン、フリオ・モンジュ、メル・セメ、ハイナルド・バティスタ・スターリング、イサ・アントネッティ、ダヴォン・T・ムーディ、ウェスリー・レイ、レオナルド・レイナ、レネシト・アヴィッチ、アシュリー・デ・ラ・ロサ、ジャスティン・カニンガム、アンジェリカ・ベリアール

「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、グループ名をタイトルに掲げた1997年発売のアルバムでグラミー賞を受賞した、キューバの老ミュージシャンたちによる音楽グループを描いた物語。同アルバムにインスパイアされ、2023年にオフブロードウェイで初演された本作では、1950年代から1990年代にかけてキューバを生きた彼らの人生が、実話を元に描かれる。楽曲はすべてスペイン語で歌われ、ソン、ダンソン、ボレロといった伝統的なキューバ音楽が作品を彩る。脚本はマルコ・ラミレス。振付をパトリシア・デルガド、ジャスティン・ペックが手がけた。

ミュージカル「オペレーション・ミンスミート」

Operation Mincemeat: A New Musical

2025年3月20日（木）～
ジョン・ゴールデン劇場

脚本・作詞・作曲：デイヴィッド・カミング、フェリックス・ハーガン、ナターシャ・ホジソン、ゾーイ・ロバーツ
演出：ロバート・ハスティ
出演：デイヴィッド・カミング、クレア・マリー・ホール、ナターシャ・ホジソン、ジャック・マローン、ゾーイ・ロバーツ

2019年にイギリス・ロンドンにある80席のニュー・ディオラマ劇場で初演され、昨年ローレンス・オリヴィエ賞のミュージカル部門で作品賞に輝いたミュージカルがニューヨークへ。本作は、コメディミュージカルのクリエイターチーム・SpitLipが手がけた作品。第二次世界大戦中にイギリス軍が実行したミンスミート作戦を題材に、“イギリスがいかに巧妙な策略でドイツを欺いたか”が滑稽に描かれる。デビッド・カミング、クレア・マリー・ホール、ナターシャ・ホジソン、ジャック・マローン、ゾーイ・ロバーツが出演し、ロバート・ハスティが演出を担う。

「オセロ」

Othello

2025年3月23日（日）～
エセル・バリモア劇場

脚本：ウィリアム・シェイクスピア
演出：ケニー・レオン
出演：デンゼル・ワシントン、ジェイク・ギレンホール、モリー・オズボーン、アンドリュー・バーナップ、アンソニー・マイケル・ロペス、ダニエル・ピアース、キンバー・エレイン・スプロール、ジュリー・カーダ、ニール・ブレッドソー

デンゼル・ワシントンとジェイク・ギレンホールが主演を務める「オセロ」。プレビュー期間の2週目にすでに約282万ドルを稼ぎ、ブロードウェイの演劇作品で過去最高の週間興行収入を記録するヒット作となっている。ワシントンがヴェニスの将軍・オセロ役を務め、ギレンホールが野心的なイアーゴ、モリー・オズボーンがオセロの妻・デズデモーナに扮する。「陽なたの干しぶどう」でトニー賞を受賞したケニー・レオンが演出を手がける。