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主演レイチェル・ゼグラーが語る映画『白雪姫』 「アニメーション版と実写版の“架け橋”に」

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ディズニー・マジックの“原点”として愛され続ける永遠の名作アニメーションを実写映画化する『白雪姫』が20日(木・祝)から公開になる。本作は誰もが愛する作品の世界観を守りながら、2025年の映画をつくりだす試みだ。主演を務めたレイチェル・ゼグラーは、演じる上で「アニメーション版と実写版の“架け橋”になること」を意識したという。

物語の主人公は、雪のように美しい心をもつ白雪姫。彼女の王国は、かつて人々が幸福に暮らしていたが、見た目の美しさと権力に執着する女王がやってきてから闇に包まれている。白雪姫の“本当の美しさ”に嫉妬する女王は、彼女の命を狙うが、城から逃げ延び、運命の人ジョナサンや、不思議な森で暮らす7人のこびとに出会う。

1937年の『白雪姫』は世界初の長編アニメーション映画で、ウォルト・ディズニーの創作への想いとこだわりが結晶になったような名作だ。その後、ディズニーは数々のプリンセスや人気キャラクターを描いてきたが、そのすべての原点に『白雪姫』がある。本作では、アニメーション版の世界観や流れをキープしながら、細部の表現が慎重にアップデートされている。何度も観た、知っている世界なのに新しい映画なのだ。

「ありがとうございます。私はアニメーション版と実写版の“架け橋”になることができたら、と思っていました」とゼグラーは穏やかに話し始める。

「ディズニーはいつの時代も最先端のテクノロジーを用いて、不可能を可能するような映画づくりをしてきました。1937年の映画は不朽の名作です。2025年の映画は名作にオマージュを捧げながら、現代のテクノロジーで、現代の映画として語られる特別な作品だと思います」

そのため、彼女はアニメーション版を丁寧に掘り下げて、白雪姫を探っていった。もし、実写版に新たに追加されたと思える場面があったとしても、冷静にアニメーション版を見直すと、その要素はすでにちゃんと描かれていることがわかる。実写版を観ることで、アニメーション版の理解が深まる部分もあるのだ。

「そう言っていただけるのは本当にうれしいです。私も1937年の映画を観て、白雪姫は“奥行き”のあるキャラクターだと思っています。彼女は魔法が使えるわけでも、スーパーパワーを使えるわけでもありません。でも、彼女の優しさ、親切さ、愛情が周囲の人に伝播していき、まわりの人を変えていく。彼女は愛と思いやりの心を持っていて、邪悪な女王に対しても優しさと許しの気持ちを持っているわけです。それは本当に素敵なことですよね」

劇中では白雪姫の思いやり、優しさが美しいミュージカルシーンと、彼女の笑顔、動物や7人のこびととの優雅なダンスシーンで表現される。“ディズニー・マジック”というフレーズが思わず浮かぶ色鮮やかで軽快で、アイデアのつまったミュージカルシーンはとにかく楽しい。さらにこれらのシーンは、往年のミュージカルの傑作と同じくゼグラーの全身を捉えるワイドショットで描かれる。スクリーンに広がる空間と全身で感情を表現する彼女の演技が本作をさらに魅力的なものにしているのだ。

「撮影は本当に大変でした(笑)。CGを使っているシーンもありますから、時にはセットに私ひとりの場面もありましたし、7人のこびとの家は天井が低いので何度も何度も頭をぶつけました(笑)。S・スピルバーグ監督と『ウエスト・サイド・ストーリー』を撮影しましたが、あの作品も長回しで、全身を捉えるフルショットの場面がとても多くて鍛えられました。カメラが回っている間は歌うだけではなくて、自分のマインドやハートを全身を使って表現しなければならない、と思っています。

それから本作にはみなさんが愛するアニメーション版の名シーンを実写で描いている場面がいくつかあります。それらは現実の人間が表現するにはとても大変な場面も多かったのですが、当時のアニメーターの方たちが動きに込めた想いや、そこで描かれる感情を想うと、こうして実写として改めて息を吹き込むことができたことは大変に素晴らしいことでした」

長年にわたって愛され続けるクラシック映画のたたずまい、そしてゼグラーがいつもYouTubeを通じて配信しているようなリラックスした表情やムード。そのふたつが本作には同居している。華麗なのに、白雪姫をこれまで以上に身近に感じるのだ。

「YouTubeを始めたのは、自分の声や世界観、歌をみなさんと分かち合いたかったからです。一方で私はクラシック映画やミュージカルの名作を観て育ちましたから、私の中にはその両面があるのだと思います。私はオードリー・ヘップバーンを見て映画の道に進みたいと思いました。そしてYouTubeの存在が私と映画界をつなげてくれました。そんなことができたのも、現在が2025年だからでしょう」

アニメーションを人間が“再現”するのではなく、懐かしいのに新しい絶妙な語りに挑んだ『白雪姫』。ゼグラーの“架け橋になりたい”という想いはスクリーンを通じて観客にも伝わるはずだ。

『白雪姫』
3月20日(木・祝) 公開
(C)2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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