Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ワッキー渾身の舞台『Mother』公開ゲネプロ&囲み取材レポートが到着 ジャンポケ太田、安藤美姫の加入でさらにパワーアップ

ワッキー渾身の舞台『Mother』公開ゲネプロ&囲み取材レポートが到着 ジャンポケ太田、安藤美姫の加入でさらにパワーアップ

ステージ

ニュース

ぴあ

舞台『Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~』囲み取材より

続きを読む

フォトギャラリー(23件)

すべて見る

かつての鹿児島県知覧町で「富屋食堂」を営み、戦時中に特攻隊員たちから“母”と慕われた鳥濱トメの半生を描いた舞台『Mother~特攻の母 鳥濱トメ物語~』が、2025年3月19日に東京・新国立劇場小劇場で開幕。本番前には公開ゲネプロが行われ、終了後には役者とプロデューサーを兼務したワッキー、主演の鳥濱トメを演じた浅香唯のほか、舞台初出演となったジャングルポケット・太田博久、プロスケーターの安藤美姫が取材に応じた。

特攻を控えた若き隊員たちのドラマ

物語の始まりは、日本が敗戦した後の「富屋食堂」。かつては軍指定食堂として、多くの特攻兵が集ったこの食堂で、女主人のトメと警察署長が話をしている。日本が敗戦すると、「町の誉れ」と称えられていた特攻隊が、「特攻なんてやらなければ……」と言われる存在になってしまったことを嘆く所長。トメはそれを苦々しい表情で聞いている。

果たして、特攻隊とはなんだったのか。ここから、富屋食堂とトメの戦時中と戦後を行き来しながら、家族を想い、仲間を想い、国の未来を想い、尊い命を散らしていった若き特攻隊員たちの悲しくもドラマチックなエピソードを綴っていく。

舞台初挑戦のジャンポケ太田、安藤も堂々の演技

舞台初挑戦のジャンポケ太田が演じたのは、朝鮮人でありながら、確固とした信念をもって特攻隊に志願した金山文博。他国にルーツを持つがゆえ、周囲と一定の距離がありながらも、トメから特に大きな愛情を注がれた人物だ。

コント師としての演技力は定評があるものの、本格舞台でかつ物語のキーマンのひとつとなる金山は太田にとってなかなかの難役。しかし、ワッキーが「『Mother』の中でも名シーン」と絶賛する、金山が特攻隊に志願した理由をトメに切々と語るシーンでは、役者・太田の実力がいかんなく発揮され、観る者の心を大きく動かした。

同じく舞台初挑戦の安藤が演じるのは、第百十七振武隊を率いる少尉・久保田利雄の妻・喜美子。ワッキーが演じる久保田少尉は、特攻隊の大儀を信じて後輩たちを鼓舞し、一方で自らの悲しみを隠して最後まで喜美子を思いやる人物で、ワッキー自身の優しさがぴったりと重なる。安藤はそんな夫の気持ちを汲み、旅立ちを見送る喜美子を慎ましくも凛とした、安藤らしい姿で演じ切った。

小柄な浅香からあふれ出る、トメの大きな愛情が作品を包み込み、客席のあちらこちらからすすり泣きの声が聞こえた感涙必至の本作。ワッキーがこだわって実施した“教練”(実際に軍人たちが行っていた筋力トレーニング)の甲斐あって、オープニングで見せる兵隊たちのキレのある動作や発声も見どころとなっている。

泣いちゃいけないところで泣きそうになって……

ゲネプロ終了後の囲み取材で、ワッキーは「1年かけて準備してきたものが、今日初日を迎えるということで、嬉しさと不安といろいろな感情がありますが、でも一番嬉しさが勝ちますね」と笑顔。

太田は舞台セットも役者の熱量も本番さながらで行うゲネプロを初体験し、「絶対泣いちゃいけないところで泣きそうになっちゃって、(感情を抑えるために)ちびまる子ちゃんのことを考えていた瞬間がありました」と明かして笑わせた。

以前行われた取材会では、芝居をしながらつい泣きそうになってしまうと明かしていた浅香は、「トメさんは明るく元気で特攻隊を見送った方なので、私も舞台上で涙は見せないぞという思いで、立派に鳥濱トメさんを務めさせていただきたいです」と意気込む。

実弟や娘が過去の公演に出演していた縁で、この舞台を何度も観てきたという安藤は、今回初めて演じる側に立った感想を「これまでは言葉なく人にメッセージを伝える表現をしてきましたが、セリフがあって演技をするのは、また違う緊張感がありました」と語った。

キャスティングは間違いなかった

また、今回初参加となった太田と安藤について、ワッキーは「ふたりとも僕がキャスティングしましたが、間違いなかったと思います!」と自信を覗かせ、「安藤さんは内に秘めているものが熱くて、僕の妻を心から受け止めて演じてくれているなと思いました。太田は稽古に参加できる機会が一番少なかったなかで、よく頑張ったと思います。体育会系で特攻隊が似合うだろうと、舞台に出てほしくて前の公演を観に来るよう誘いましたが、今回、これぞ金山(太田の役名)だというところを見事に演じてくれています」と評価した。

そんなふたりを浅香も絶賛。「安藤さんが芝居をされるというのが最初はぴんと来なかったのですが、数年前の稽古でお付き合いしてくださった時に見事に役になりきっていたので、さすが“世界の安藤”だと思いました。また、お笑いが大好きなので、太田さんとご一緒できるのがすごく嬉しかったのですが、こんなにすばらしい演技をされるんだと驚きました。太田さんのお芝居に引っ張られて、金山さんに対するトメさんの思いが引っ張られていきました」と語った。

このコメントを受け、太田は「本番前に聞けてよかったです」と笑わせつつ、「ワッキーさんに誘ってもらって、僕が足を引っ張ってはいけないというプレッシャーが大きかったのですが、これまで『Mother』に携わってきたみなさんが、“金山はこういう人だよ”“こういう思いを持っているんだよ”というのを教えてくれて、ちょっとずつ自分なりの金山が構築できました。今は、僕が以前に舞台を観たときと同じ感動を持って帰っていただきたいという思いです」と意気込みを語った。

安藤が受けたまさかのダメ出しとは!?

何度もこの舞台を観てきたという安藤は、自身が演じる喜美子のシーンが最も心に残っていたといい「あまり接点が持てない夫婦でしたが、最後まで愛し合って、言葉がなくても通じるものがある愛の大きさ、強さ、優しさをひとりでも多くの人に残せる演技をしっかりしていきたい」と意気込む。しかし、一方で「いつも演出家の方からダメ出しされるのが、“足がきれいすぎる”と……」と明かすと、他の3人は爆笑。ちょっとした足の運びがつい美しくなってしまうそうで、「毎回注意されるので、そこはめちゃくちゃ練習しました」というと、ワッキーはすかさず「練習するところがおかしいよ!」とツッコみ、再び笑いを誘った。

<公演情報>
アース製薬 100周年 presents『Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~』

脚本・演出:藤森一朗
出演:浅香唯、ワッキー(ペナルティ)、太田博久(ジャングルポケット)、安藤美姫 ほか

2025年3月19日(水)~23日(日)
会場:東京・新国立劇場 小劇場

公式サイト:
http://www.airstudio.jp/index_2025mother.html

フォトギャラリー(23件)

すべて見る