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ポーランドのアートシーンで活動する鴨治晃次の展覧会がワタリウム美術館で 今年90歳を迎える現代美術家の日本初の本格的な展覧会

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鴨治晃次《静物》2003/2013 作家蔵、photo: Hans-Wulf Kunze

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ポーランドを拠点として活動し、今年90歳を迎えるアーティスト、鴨治晃次の66年ぶりの帰国展。『鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように』が、ワタリウム美術館で4月8日(火)〜6月22日(日)に開かれる。

鴨治晃次は1935年東京生まれ。1959年にポーランドに移住し、1960年代から現在まで、画家・インスタレーション・オブジェ作家として、ポーランドのアートシーンで活躍。その作品はポーランドの主要美術館で収蔵されている。

日本で初の本格的な個展となる今回は、西洋とポーランドの戦後美術を中心とした現代美術の伝統と、日本の伝統の双方をルーツにもつ鴨治の、独自の世界観を紹介する。例えば、彩色した板に穴を開けたレリーフのような、「プルシュクフ絵画群」は、初期の代表的なシリーズだ。そのなかから「お寺の壁に」シリーズ、《ラグーン》といった作品を通じて、素材をシンプルに扱う手つきがうかがえる。

また、抽象絵画と中央に置いた石のインスタレーションからなる《二つの極》では、日本の伝統の影響が見られる。石の存在を絵画という平面に移すことを試みる中で、石を設置する「正しい位置」や「正しい場所」を見出そうとする探求から生まれた作品だ。

《《二つの極》1972、インスタレーション、ウッチ美術館所蔵. photo by Maciej Landsberg

さらに、穴の空いた和紙で構成したインスタレーション、紙と筆と墨と白い絵具だけで数年かけて制作した《デッサン》など、近年の作品も展示される。

《デッサン》、2012、紙、墨、アクリル絵具、作家蔵 photo by Marek Krzyżanek

展覧会タイトルの「不必要な物で全体が混乱しないように」という言葉には、素材や技法などを吟味しながら、真に必要な本質を追求し、あるべき調和的世界を浮かび上がらせようとする姿勢がうかがえる。混迷を極める玉石混交の現代、鴨治の創造する空間にたたずんでみたい。

<開催概要>
『鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように』

会期:2025年4月8日(火)~ 6月22(日)
会場:ワタリウム美術館
時間:11:00~19:00
休館日:月曜(5月5日は開館)
料金:一般1,500円、一般ペア 2,600円、大高(25歳以下学生)・70歳以上1,300円 、中小500円
公式サイト:
http://www.watarium.co.jp/

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