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繰り返し観たい。映画『ミッキー17』の注目ポイント

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『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』が日本でついに公開となった。公開初日から数日、すでに劇場に足を運んだ観客からさまざまな感想があがっているが、早くも再鑑賞する観客が増えているようだ。

本作は最後の最後まで展開の読めない、そして最後まで観ると冒頭から見返したくなる逆襲エンターテイメント作品だ。その一方で、観終わった後には映画で描かれた題材に、じっくり考えたくなるのがポン監督作品の醍醐味だ。

主人公のミッキーは“使い捨てワーカー”で過酷な環境に放り込まれて、流されるように働いては死んで、そして生き返る日々をもはやルーティンのように繰り返している。しかし、彼はある出来事をきっかけに逆襲を開始。単に権力者を打倒するのではなく、自分の置かれている状況を冷静に見つめ直し、周囲の人々との関係を結び直し、さらには”自分が何者か? 自分は何がしたいのか?”を問い直す。

ポン監督は「私は、政治的風刺のために映画をつくるわけではありません」と語るも「ミッキーが置かれている状況や彼が受ける扱い自体が、ある種の政治的メッセージになっていると思います。これは“人間をどう扱い、どう尊重するか”に関わる問題です。特別に政治的なレイヤーを意図的に加えたわけではありません。でも、ミッキー17やミッキー18が経験する苦難を見ていると、自然と社会的な問題意識が湧いてくるのではないでしょうか」と説明する。

本作を観て抱く印象や、そこで見つけたテーマや問題は観客それぞれにあるだろう。ただこれだけは言える。本作は“観終わったら、すぐ忘れてしまう”映画ではなく、帰り道もじっくり楽しんだり考えたりできる映画だ。少し爽快な気持ちになれる映画でもある。ちなみにポン監督は

「私の作品は、よく“冷酷でシニカル”と言われます。でも、今回の映画は“温かみがある”と言われることが多いですね。年を取ったせいかもしれません」

と笑う。スカッとして、温かみを感じられる『ミッキー17』の本編を満喫し、心に残るラストシーンを繰り返し堪能してほしい。

『ミッキー17』
公開中
(C)2025 Warner Bros. Ent. All Rights

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