刑務所の問題児が俳優に、本人役クラレンス・マクリンに焦点当てた「シンシン」新映像
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「シンシン/SING SING」より、ディヴァイン・アイ役で出演したクラレンス・マクリン
実話をもとにした映画「シンシン/SING SING」の本編の一部がYouTubeで公開された。
同作の舞台はアメリカ・ニューヨークに実在する最重警備のセキュリティを誇るシンシン刑務所。無実の罪で収監されたディヴァインGと収監者たちが更生プログラムの舞台演劇を通して友情を育み、現状を打破しようともがく様子がつづられる。コールマン・ドミンゴがディヴァインG、クラレンス・マクリンが刑務所一の問題児ディヴァイン・アイを演じた。なお本作のキャストは85%以上がシンシン刑務所の元収監者。演劇プログラムの卒業生および関係者が本人役で多数参加している。
このたび公開されたのは、刑務所内で幅を利かせるディヴァイン・アイが、収監者の1人を脅して金を巻き上げようとするシーン。「何をしようと構わねえが全額きっちり返せ。でなきゃ面の皮を剥ぐぞ」と威圧する様子を見ていたディヴァインGが、「演技力を拝見、と思って。うまい使い方だな」と褒めるも、ディヴァイン・アイに「演技だと? わかってねえ」と鼻で笑われる様子が映し出される。
元収監者であるマクリンは、実際にRTA(芸術を通しての更生)プログラムに参加し、現在は同プログラムのコンサルタント兼アンバサダーを務めている。本作で本格的な俳優デビューを果たした彼は、舞台演劇との出会いについて「舞台の男たちが、自由に自分自身をさらけ出しているように見えた。刑務所で大勢と暮らしていると、普通は自分のやりたいことなんてできない。泣くような“弱い”行動を取る姿を、誰にも見せてはいけない。でも、舞台の上では違った」と振り返った。
マクリンは脚本の執筆にも参加。ディヴァイン・アイによるビジネスのシーンは、彼が自身の体験を監督のグレッグ・クウェダーに伝えたことで追加された。マクリンについて、クウェダーは「共同脚本の(クリント・)ベントリーと『あれこそ映画スターだ』と話していたんだ。私は直感で彼ならやれるとわかった」と述懐し、ドミンゴは「スポンジのようにすべてを吸収する素晴らしい俳優だ。彼のような俳優はほかにいないから、今後の活躍を心から期待しているよ」と絶賛した。
「シンシン/SING SING」は、4月11日より東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で順次公開される。
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