「ファンタスティック・プラネット」などSFアニメ作家ルネ・ラルーの長編全3作を上映
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コラージュアーティスト・Q-TAによる「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」キービジュアル
「ファンタスティック・プラネット」を生み出したSFアニメーション作家ルネ・ラルーの長編全3作が、「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」として6月20日より東京・渋谷HUMAXシネマほか全国で順次上映される。
1929年、フランス・パリに生まれたラルー。大人向けの長編アニメーションが珍しかった1970年代から1980年代のフランスでローラン・トポール、メビウス、フィリップ・カザらアーティストと組み、資金難から自国フランスではなく、チェコスロバキア、ハンガリー、北朝鮮の制作スタジオを頼って壮大なSF世界の視覚化に挑んできた。日本とも縁深く、1998年開催の第7回広島国際アニメーションフェスティバルで審査委員長を務め、2006年には同フェスティバルにルネ・ラルー賞が設立された。
今回の特集「ルネ・ラルー ファンタスティック・コレクション」では、彼が残した長編全3作を上映。1973年のデビュー作「ファンタスティック・プラネット」はアニメーションとして初めてカンヌ国際映画祭の審査員特別賞を受賞した作品だ。ステファン・ウルのSF小説「オム族がいっぱい」にもとづき、トポールが4年の歳月を掛けて原画デッサンを描き、切り絵アニメーションという手法でラルーが映画化した。
2作目「時の支配者」では、再びウルの小説「ペルディド星の孤児」をもとに、バンド・デシネ作家のメビウスがキャラクターデザインから衣装、宇宙船、背景、色彩の設定、ストーリーボードの作成まで担当。3作目であり最後の長編作品となった「ガンダーラ」では平和な未来都市を舞台に、やがて起こり得る世界の問題を予見していたかのような物語が繰り広げられ、カザがキャラクターデザインを手がけた。なお「時の支配者」「ガンダーラ」は4K修復された素材で上映される。この2作品のDCP上映は今回が初めて。
あわせてコラージュアーティスト・Q-TAによるキービジュアルが到着した。「ファンタスティック・プラネット」に登場する全身真っ青なドラーク族のティバを中心に、3作品に登場するキャラクターとモチーフがコラージュされている。