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水木しげる、安野モヨコ、粟津潔ら総勢85名が手掛けた現代の“浮世絵”を公開 『浮世絵現代』東京国立博物館 表慶館で

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水木しげる《妖怪道五十三次 京都》2003年 ©水木プロダクション

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江戸時代の文化の中で独自に発展した浮世絵の木版画の技術。現代まで職人たちに受け継がれてきた伝統的な木版画の表現に魅了されたクリエーターたちが現代の絵師となり、伝統を受け継ぐアダチ版画研究所の彫師や摺師たちと協働して制作した「現代」の「浮世絵」を紹介する展覧会が、4月22日(火)から6月15日(日)まで、上野の東京国立博物館・表慶館で開催される。

山桜の版木を使い、和紙に墨と水性の絵具で摺り上げる浮世絵木版画は、シャープな線と軽やかな色彩が魅力だ。だが、現在、伝統的な木版画の技術を継承する彫師・摺師は、日本に50名ほどで、現役の職人の数はさらに少ない。業界の規模が年々縮小してきたなか、浮世絵を生んだ伝統木版画の技術を次代へ継ぐことを目的として1994年に設立されたのが、技術者の育成を主たる事業とするアダチ伝統木版画技術保存財団だ。

安野モヨコ《『さくらん』きよ葉》2016年 ©︎Moyoco Anno

同展は、この財団が運営するアダチ版画研究所の彫師・摺師と協働で制作された木版画を紹介する展覧会。協働するクリエーターたちは、漫画家や美術家、デザイナーなど、総勢85名に及ぶ。おなじみのキャラクターを登場させて現代の浮世絵を生み出した水木しげる、楳図かずお、安野モヨコ、石ノ森章太郎ら漫画家たちや、江戸時代の北斎の作品がもつデザイン性にインスパイアされた粟津潔、浅葉克己、佐藤晃一、松永真らデザイナーたち。あるいは、1970年代から2000年代にかけて、伝統木版画の彫師・摺師たちと新たな浮世絵を制作することを試みた画家や建築家、イラストレーターたち、さらに2010年代以降に協働した世界的な現代アーティストたちなど、多彩な顔ぶれの現代の絵師たちの多様な表現に出会えるのが同展の魅力だ。

粟津潔《うんすいに鶴》(「北斎模様・潔彩色図譜」より) 1987年

浮世絵の「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵版画はまさにその時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアであり続けている。今ここに生きる人々の心をとらえる作品を生み出すことによって、その伝統の技術はさらに次世代へと継承されていく。同展は、様々なジャンルのクリエーターたちの現代の浮世絵を通じ、現代から未来へと続く伝統の可能性を目の当たりにできる貴重な機会ともなっている。

<開催概要>
『浮世絵現代』

会期:2025年4月22日(火)~6月15日(日)
会場:東京国立博物館 表慶館
休館日:月曜(4月28日、5月5日は開館)、5月7日(水)
時間:9:30~17:00、金土、5月4日(日・祝)、5日(月・祝)は20:00まで開館(入館は閉館30分前まで)
料金:一般1,400円、大学700円、70歳以上400円
展覧会公式サイト:
https://tohaku-edo2025.jp/

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