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The Novembers (小林祐介、吉木諒祐) × Homecomings (畳野彩加、福富優樹) 、『JANUSPIA pre. “danro” vol.4』開催に向けてインタビュー

音楽

インタビュー

ぴあ

左から Homecomings(畳野彩加、福富優樹)、The Novembers(吉木諒祐、小林祐介)

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Text:黒田隆憲 Photo:fujico

大阪・心斎橋Music Club JANUSとチケットぴあが贈る、音楽好きのための邂逅『JANUSPIA pre. "danro"』。インディーロック〜オルタナティブを軸に、深いシンパシーでつながるアーティスト同士のツーマンを届けてきた本イベントの第4回目が、東京・新代田 LIVE HOUSE FEVERで開催される。今回登場するのは、第2回目の大阪公演で初対バンを果たしたThe Novembers とHomecomings。約7カ月を経て、バンドとしてさらに進化した2組が再び同じステージに立つ。その必然と今のモードについて、The Novembersからは小林祐介(vo/g)と吉木諒祐(ds)、Homecomingsからは畳野彩加(vo/g)、福富優樹(g)の4人にじっくりと語ってもらった。

──大阪で行われたイベント『JANUSPIA pre. "danro"』の第4回目にして、第2回目のいわば東京版ともいえるThe NovembersとHomecomingsのツーマンライブが開催されることになりました。まずはみなさんが、それぞれのバンドに出会ったきっかけなどを教えてもらえますか?

福富優樹(Homecomings) 最初にThe Novembersの音楽に出会ったのは2007年、高校1年生の頃だったと思います。ちょうど最初のEP『THE NOVEMBERS』が出た時期で、当時はスペースシャワーTVやMTVといった音楽番組をずっと観ていたし、音楽雑誌もすごく読み込んでいたので、そうしたメディアでThe Novembersが軒並み「ニューカマー」として紹介されていた記憶がありますね。あの頃の僕は、日本のロックシーンを入り口に音楽へどんどんのめり込んでいく時期でした。たとえばASIAN KUNG-FU GENERATIONやBEAT CRUSADERSが、ラジオやテレビ番組で洋楽をたくさん紹介してくれていて。そこから80年代のニューウェーブや90年代のオルタナティブにどんどんハマっていって、自分の音楽の世界が一気に広がっていった感じだったんです。そんな時期に現れたのがThe Novembersで、僕の中ではすごく洋楽っぽいと感じるバンドでした。でも同時に、日本のロックの流れの中にもちゃんと位置づけられるような存在でもあって。それが僕の中での第一印象でしたね。

Homecomings

畳野彩加(Homecomings) 私も聴いていた音楽は、(福富と)だいたい同じだったと思います。

福富 「これを聴け!」みたいに、プレイリストを送り合ってました(笑)。だから自然と同じような音楽に触れていて、そういう中でThe Novembersも、自分たちの中に自然と入ってきたという感じだったと思います。

畳野 そうですね。私たちが住んでいたのは石川県だったので、ライブを観る機会はなかなかなくて。実際の姿を見るよりも、雑誌などのメディアを通じて知っていく存在でした。

小林祐介(The Novembers) 僕も音楽雑誌はよく読んでいて、たとえば『snoozer』がSECOND ROYAL RECORDSを特集していたり、そこの所属アーティストの名前がよく取り上げられたりしていたんですね。その流れの中で、Homecomingsの存在も知った記憶があります。やっぱり、インディーロックやドリームポップといった、いわゆる「趣味のいい歌モノの音楽」に括られる中で、Homecomingsの楽曲の質感やソングライティングにはそれだけでは収まりきれないものを感じていたし、そういう意味でもシンパシーを感じました。同じシーンで活動していたわけではないし、直接的な接点もそんなに多くはなかったけど。吉木くんは、もう少し人脈的に近いところにいたんじゃない?

吉木諒祐(The Novembers) そうだね。僕が最初にHomecomingsの音楽に出会ったのは、たしか「HURTS」のMVだったと思う。2015年くらいだったかな。当時、結構話題になっていて、そのMVを観て「ああ、いいバンドだな」と思った記憶があります。そのあと、『SAKAE SP-RING』にThe Novembersとして出演したときに、共通の友人が「Homecomingsっていうバンドだよ」と言ってCDをくれて。もともとMVを観ていたこともあったし、より印象が強く残りましたね。

The Novembers

──そんな2組が、第2回目の『JANUSPIA pre. "danro"』で初ツーマンを果たしたわけですが、どんな手応えを感じましたか?

福富 「今のHomecomings」でThe Novembersと一緒にライブができたことに、大きな意味を感じました。もし僕らが結成したばかりの頃の、もっとアノラック寄りのサウンドだった時代に共演していたとしても、それはそれでお客さんに喜んでもらえたとは思うんですけど、今の自分たちの状態でステージに立てたことには、また違う意味合いがあったんですよね。ツーマンライブって、やっぱり音楽的な親和性や、美学、ポリシーといったものに共通点があると、よりいいイベントになると思っていて。だからこそ2024年の今、The Novembersと共演できたことは、自分たちにとって本当に大事な出来事でしたし、心からうれしい夜でした。

畳野 しかも、前回の『JANUSPIA pre. "danro"』はお客さんの反応もすごく良くて。ツーマンって、両方のライブを観たあとの余韻も含めて楽しんでもらえると思うんですけど、その日のお客さんも、いい空気を持って帰ってくれたなと感じました。「意外な組み合わせだけど、今のHomecomingsだからこそ成立したツーマンだったね」って、たくさんの人に言ってもらえたし、それが本当にうれしかったです。

小林 僕も同じような手応えを感じました。Homecomingsはドラマーが脱退して、新しい体制に変わったばかりのタイミングで。僕たちもコロナ禍を経て、バンドを再構築し直している時期だったんですよね。だからあの夜のステージって、単にそれぞれのバンドがオリジナル曲を演奏する「ショー」ということだけでなく、メンバー一人ひとりの人生のストーリーや、今の心の機微、そしてバンドの絆みたいなものが、音として滲み出ていたように感じたんです。考え方の違う人間たちが、ステージ上で息を合わせようとしている姿とか、かつて一緒に活動していた仲間が離れ、新しいメンバーが加わっている姿とか......。そういうものを目の当たりにしたとき、「これはまさに、人生のページをめくる瞬間だな」って。帰り道、ちょっとしんみりしながら、そんな話をしてたよね?

The Novembers

吉木 うん。僕も、全部の活動をリアルタイムで追ってきたわけじゃないけど、要所要所でHomecomingsが変化していく様子を見てきたという感覚があって。サポートしているバンドで、何度か対バンする機会もあったし。あれ、たしか去年の2月だったかな。名古屋でayutthayaとKhakiとのスリーマン(『JAILHOUSE presents「New Horizon vol.3」』)があって、僕はそのときayutthayaのサポートで出演していたんです。実は、それまでしばらくHomecomingsのライブを観る機会がなかったんですけど、そのときがちょうどナルちゃん(石田成美:Homecomingsの元ドラマー)の卒業が発表された直後だったんですよね。その演奏が本当にすごくて。「あ、今のHomecomingsって、こんなバンドになっているんだ」って強く感じました。

福富 あの頃は本当に、“変化の真っ只中”にいた気がします。「バンドの過渡期」というか、「変わっていく途中なんだ」っていう感覚が強くあったんですよね。どんどん音量もでかくなっていっていたし(笑)。

吉木 そうそう(笑)。ナルちゃんのドラムも、「あれ、こんなにパワフルだったっけ?」って思うくらい鬼気迫るものがあって。そのあとすぐに新作『see you, frail angel. sea adore you.』のレコーディングに参加させてもらい、音源も聴いたうえで「これは今、一緒にライブをやったら絶対に意味があるな」と強く思ったんです。それで、イベントを企画してくださったぴあの高橋一さんにも、「今Homecomingsと一緒にやったら、めちゃくちゃいいイベントになると思います」って話をしたんですよね。

──小林さんのMC、あのときのレポートで読ませてもらったんですけど、Homecomingsに向けて言葉を贈ってから「ANGELS」を演奏したくだりがとても感動的でした。「バンドってすごく非効率なものだけど、それでも一緒にやる意味があるんだ」という趣旨のことを話し、そのあとに「ANGELS」をHomecomingsに捧げた。その流れをおふたりはどう受け止めていましたか?

福富 メンバー全員で横並びになってThe Novembersのライブを観ていたのですが、僕はもう「うひゃー!」ってなっていました(笑)。アルバム『ANGELS』(2019年)のリリースが、その頃バイトしていた京都のタワレコを卒業するタイミングでもあったので、個人的にめちゃくちゃ思い入れのある曲なんです。

畳野 私もめちゃくちゃうれしかったです。対バンすると、たいていお互いに何か一言ずつ交わすことってあると思うんですけど、あのMCはその中でも一番響きました。泣きそうになりました、ほんとに。

小林 えー、そんなに?(笑)

福富 自分たちが大切にしていることが、ライブを通してちゃんと伝わったんだなって感じました。それもすごくうれしかったです。あとは、The Novembersのライブ構成......曲と曲の間にほとんど間がなくて、本編のSEからそのまま一気に流れ込んでいく感じとか、全体がバーンと突き抜けていくような展開とかもすごく印象的で。

畳野 そうそう、あれは本当に印象に残っています。

福富 ああいう「間をつなぐためのSE」ではなくて、「音の一部としてのSE」というんですかね。インダストリアルな空気感がそのままライブの一部になっていて。あの感じ、僕らもそのあとのツアーでかなり直接的に影響を受けて、取り入れたりしているんです。そういう意味でも本当に刺激をもらえたし、あの夜が今につながっているなって、すごく思います。

──『JANUSPIA pre. "danro"』の会場だった心斎橋JANUSの印象はいかがでしたか?

小林 僕らがUKプロジェクトから独立して、「これからは自分たちでやっていこう」となったときに、すごくお世話になったのが、まさに心斎橋JANUSや新代田FEVERだったんです。だから僕は、JANUSに行くたびに思い出すんですよ。自分たちでライブという場を作って、「こんな夜をみんなに味わってほしい」と志を持って機材車を運転していた頃のことを。独立して、いろんな不安を抱えていたあの時期に支えてもらったライブハウスなので、今でも感謝の気持ちがずっと残っている特別な場所ですね。

吉木 僕もまったく同じ気持ちです。独立後に初めてワンマンをやったのが、たしかJANUSだったんじゃないかな。当時は「お世話になっている」なんていう感覚を持つ余裕すらなくて、もう何をどうしたらいいのかも分からなかった。

小林 そうだね。「先行物販って何ですか?」っていうレベル(笑)。

吉木 「チケットを仕込むってどういう意味?」みたいなところからのスタートだったからね。

──The Novembersも、そんな時期があったのですね(笑)。さて、今回は前回から約7カ月ぶりの共演になります。当時と比べて、それぞれのバンドがまた違うモードに入っていると思うのですが、今回のライブに向けて、今のバンドの状態や思いを教えてください。

福富 前回は『see you, frail angel. sea adore you.』のリリース前だったんですよ。だからライブで全曲新曲というわけにもいかなくて、お客さんにとっても自分たちにとっても、まだ曲が「馴染んでない」状態だったというか。でも今は、アルバムを引っ提げたツアーもひと通り終えて、曲が完全に自分たちの体に染み込んでいる感覚があります。最初は「ちゃんと表現できるのか?」という不安もあったけど、それもクリアになっているし。そこからさらに、「じゃあこの楽曲たちをどうライブで届けていくか?」という段階に入っている感じですね。たとえば、間の取り方やアレンジも含めて、どんどん深まっていっている実感があります。だから今回は、より「腑に落ちるツーマン」になる気がしています。

畳野 そうですね。たぶん前回よりも確実に完成度は上がっていると思います。やりたいことが、感覚的にもちゃんと自分の中に落とし込めたというか、自分のものになったという実感があって。それはすごく大きな違いかもしれません。

福富 それこそThe Novembersのライブを観て、「これかっこいい、自分たちでもやってみたいな」と思った同期の使い方とかがあって。それを今回また、自分たちのライブに取り入れられるフェーズに来ていると思うので。一緒にやって気づけたことを、またツーマンで再び形にできるのは感慨深いですね。

吉木 僕は、あれからも何度かHomecomingsのワンマンに足を運んでいて。年末のZepp Shinjukuも観に行ったし、この間のWWWのライブも観させてもらいました。Zeppのときはちょうどアルバムツアーで、「このアルバムをどうライブで表現するんだろう?」という興味が強くて観に行ったんですよ。そしたらすごくよかったし、さっき福富くんが言っていたように、楽曲が自分たちに馴染んでいるというのがすごく伝わってきました。バンドのムードも良かったし、演奏も素晴らしくて。そういうフェーズに入ったHomecomingsとまた対バンできるのは、前回とはまた違った意味が立ち上がってくる気がしています。流れとしてはつながっているけど、今回はまた別の意味合いを持ったステージになるんじゃないかなと。

小林 僕たちは今年、結成20周年という節目を迎えていて。今、メンバーそれぞれが「The Novembersって、自分にとってどういう存在だろう?」ということを、改めてすごく考えている時期でもあるし、それをライブで体現しようとしているタイミングでもあると思うんです。前回のJANUSに続いて、今回またHomecomingsと共演できるというのは、「この2バンドの共演はもっと多くの人に見てもらうべきだ」と思ってくださる主催者の気持ちがあってこそだと思うし、しかもその会場が、僕たちにとって特別な意味を持つFEVERだというのも、本当に大きなことです。

同じ曲を演奏しても、その場に生まれるものは絶対に前回とは違う。しかも今回は、「このあいだの自分たち、すごくよかったよね」っていう記憶を持ち寄って、もう一度出会う夜でもあると思うんです。きっとライブが終わったときには、「また一緒にやれてよかったね」って言い合えるような、そんな夜になる気がしています。なので、この記事を読んでくれた人には、ぜひ迷わず観に来てほしいですね。この日の夜を、一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

The Novembers×Homecomings コメント動画

<公演情報>
『JANUSPIA pre. “danro” vol.4』

5月29日(木) 東京・新代田 LIVE HOUSE FEVER
開場 18:45 / 開演 19:30
出演:Homecomings、The Novembers
DJ:DAWA

【チケット情報】
一般:4,500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
U-23:3,000円(要身分証明書、整理番号付、ドリンク代別途要)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557436

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The Novembers オフィシャルサイト:
https://the-novembers.com/

Homecomings オフィシャルサイト:
https://homecomings.jp/