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日本映画業界におけるバリアフリー上映実態の調査結果が公表、特に洋画では課題が顕著に

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「ユニバーサル上映実態調査 2025年春」より

一般社団法人 Japanse Fillm Project(JFP)が、「ユニバーサル上映実態調査 2025年春」を公表。2020年、2023年における日本映画業界のバリアフリー上映実態と傾向を報告した。

主に障害者や高齢者などでも楽しめるように設計された上映を指すバリアフリー上映。2023年は洋画公開本数556本のうち、対応作品が8本。2020年よりも本数は増えたものの、作品比率はわずか1.4%と引き続き課題が顕著な状況であることがわかった。HELLO! MOVIE、UDCastでの対応作品は「生きる LIVING」のみ。

一方、邦画においてはAudio Description(音声ガイド)とバリアフリー字幕の2種に分けて結果が公表され、2023年には132作品が対応。両種とも全体の約21%を記録した。東宝・東映・松竹・KADOKAWA・日活の大手5社の作品比率では2020年よりも約15ポイント上昇したが、そのほかの作品は引き続き低い水準に。ジャンル別の傾向として、アニメ作品で23ポイントほど数値が上がる結果となった。

公的支援におけるバリアフリー対応作品の本数も明らかに。日本映画製作支援事業における芸術文化振興費補助を受けて対応された作品は2023年に20本(3.22%)を記録した。さらに2024年に開始されたアーツカウンシル東京の東京芸術文化鑑賞サポート助成として、映画・映像作品が7件(11.3%)採択。加えて、HELLO! MOVIE対応作品、UDCast対応作品、映画館シネマ・チュプキ・タバタ制作作品の数値も明かされている。

あわせてブラインド・コミュニケーターの石井健介、映像作家の小森はるからによる寄稿文や、シネマ・チュプキ・タバタの音声ガイド制作に迫るコラムも掲載された。なお4月13日には、同調査を経たシンポジウム「バリアフリー上映、創造環境向上、日本映画のこれからを考える Vol. 4」が行われる。

バリアフリー上映、創造環境向上、日本映画のこれからを考える Vol. 4 ──ユニバーサル上映実態調査2025を経て

2025年4月13日(日)13:30~16:30 東京都 東京大学本郷キャンパス A200教室

登壇者

小森はるか(映像作家)
石井健介(ブラインド・コミュニケーター)
平塚千穂子(CINEMA Chupki TABATA 代表 / バリアフリー映画鑑賞推進団体 City Lights 代表)
田中みゆき(キュレーター / アクセシビリティ研究 / 社会福祉士)
柴田笙(OttO 映画館担当 / Audio Description(音声ガイド)制作)
飯野由里子(東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任教員)
司会:歌川達人(映像作家 / JFP代表理事)