チョン・へインが考える“正義”「必要なのは人間として守らなければならない善良な心」
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チョン・ヘイン
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すべて見る韓国で観客動員数5週連続第1位、750万人突破のメガヒットを記録した映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』が4月11日(金) 、ついに日本で劇場公開される。
本作は、2015年に公開され韓国で1340万人を動員したヒット作『ベテラン』の第2弾。主演の1人ファン・ジョンミンは9年ぶりにベテラン刑事ソ・ドチョル役を再演。さらに、もう1人の主演に抜擢されたチョン・ヘイン。彼は新たに凶悪犯罪捜査班に加わる新人刑事パク・ソヌ役を演じている。
チョン・ヘインといえば、2018年放送の国内外で大人気となった作品『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』がきっかけでブレイク。近年はアクション、社会派作品まで多くのジャンルで活躍している。幅広い役柄に挑戦している彼が、今何を思うのか。話を聞いた。
「リュ・スンワン監督の映画を見て育った」

本作を手掛けたのは、20代から短編映画の製作を開始し、2000年にインディーズ作品で長編映画デビュー。2013年公開の映画『ベルリンファイル』で頭角を現したリュ・スンワン監督だ。
リュ・スンワン監督といえば、本作の元となった『ベテラン』の大ヒットにより、アクション映画界での確固たる地位を確立。その後『モガディシュ 脱出までの14日間』、『密輸 1970』などの人気作を次々に生みだし、今や韓国を代表するヒットメーカーとも呼ばれている。
そんな監督の映画に出演できることについてチョン・ヘインは「リュ・スンワン監督の映画を見て育った人間として、俳優として監督の作品に合流することは大きな幸運であり、光栄でした」と喜びを露わに。
さらにリュ·スンワン監督の現場は「情熱に満ち溢れていた」と言う。「撮影現場はいつも情熱に満ちていました。 アクションシーンが多かったのですが、常にリハーサルを十分に行い、安全点検も細心に気を遣ってくださって、気楽に演技することができました。 監督は俳優が持っている長所をよく導いてくれる方です。この点について、大変感謝しています」。
1340万人を動員したヒット作への合流、プレッシャーは?

今回は、韓国で1340万人を動員したメガヒット作品『ベテラン』の続編。大ヒットを記録したチームに加わることについて、チョン・ヘインは「ヒット作の続編なので負担感はありました。しかし、実際に撮影が始まってみると、毎日撮影に集中したため、負担感は消えて、うまくやってみようという気持ちだけになっていきましたね」と前向きな言葉。
同じく主演を務めたファン・ジョンミンについては「ファン·ジョンミン先輩との撮影は、毎瞬間エネルギーが溢れて楽しかったです」と嬉しそうな回答。「いつも後輩たちの面倒をよく見てくれて、気楽に演技できるように近づいてくれて本当にありがたかったです。 特に、アクション演技がとても上手で驚きましたし、初撮影が終わった後、一緒に食事しようと言ってくれて、さらに気楽になって近づけました」と現場に難なく馴染めたことを匂わせた。
そんなチョン・ヘインが今回演じた新人刑事パク・ソヌは、なんとも一筋縄では行かない役どころ。実際にチョン・ヘインも「平面的な人物ではないため、理解して分析するのが容易ではありませんでした」と語る。さらに「演技しながら複雑で表現しにくい部分が多かった」とチョン・ヘイン。それを解決するため、撮影に入る前から監督と意見をたくさん交わし、次第に鮮明になっていったと教えてくれた。
しかし、パク・ソヌを演じたことは、決して辛いことではなく楽しささえも感じたとチョン・ヘイン。「パク・ソヌを演じたことは、これまでの作品で経験したことのない、新しい姿を発見し表現するおもしろさがありました。 そのような部分で楽しさを感じ、俳優チョン・ヘインのまた別の姿を観客の皆さんには見ていただき、楽しんでほしいです」と答えた。

1つとは限らない正義の形

チョン・ヘイン自身「映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』は、連続殺人事件を追う刑事たちの話でもありますが、社会的な現象についても話そうという点があります」と本作についてアピール。「そういったところを重点的に見てほしいですし、映画を見てから観客の皆さんそれぞれが考える正義についても、一度考えてみてほしいです。そして僕の新しい姿もたくさん期待してくださったらうれしいです」とアピールした。
たしかに、本作は正義とは何かということ、そして正義と悪は表裏一体なのではないかと思わされるような内容であった。そのためチョン・ヘインが考える正義について質問してみると、次のように語ってくれた。「僕が自ら考える正義は、人間として持たなければならないし、守らなければならない善良な心だと思います。何が正しくて何が間違っているのかは状況と環境、立場の違いごとに異なることもありますが、善良な心は本当に重要だと思います」。

「適応しながら変化していくさまを見てほしい」

パク・ソヌという役を通して、ひとりひとりが考えさせられるような本作。そして、なんといっても注目してほしいのは、チョン・ヘインを始めとしたキャストの体を張ったアクションだ。
実際、チョン・ヘインに今作でのアピールポイントを聞くと「パク・ソヌという人物がソ・ドチョル刑事の凶悪犯罪捜査班に合流する過程と、適応しながらその中で起きる変化を注意深く見てほしいです。また、リュ・スンワン監督の強烈で痛快なアクションも重点的に見ていただければと思います」と回答。
最後に、同作でさらに広がった俳優としての幅にちなみ、今後、挑戦してみたい役を聞くと「経験したことのない役柄ならどんなものでも挑戦してみたいです。これからも感謝できる俳優であり、人々に楽しさを与える俳優になりたいです」と前向きに答えてくれた。
俳優・チョン・ヘインのあくなき挑戦はまだまだ続きそうだ。
取材・文/於ありさ
<作品情報>
『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』
4月11日(金) より全国公開

公式サイト:
https://veteran-movie.com/index.html
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