開館30周年を迎えた東京都現代美術館の所蔵作品で現代美術の90年をたどる『MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025』4月29日(火・祝)から
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桂ゆき《抵抗》1952
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すべて見る2025年に開館30周年を迎えた東京都現代美術館で、『開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025』と題されたコレクション展が、4月29日(火・祝)から7月 21日(月・祝)まで開催される。1935年から2025年までの90年間に制作された作品を、10年ごとに区切った9つの部屋でたどる構成の展覧会だ。
東京都美術館から引き継いだ作品も含めて約3,500点の収蔵品で開館した東京都現代美術館の現在のコレクションは、約6,000点に成長している。今回の展覧会は、1階から3階に続く広大な展示空間の全9室を使って、90年間の美術を見せる構成をとるが、その起点を「1935年」としたのは、戦前・戦中期の所蔵品が充実してきたことによって、戦後美術とのつながりが明らかになったためだという。一方、「2025年」と明記したことには、今、この時点からコレクションを見るという企図が示されている。各展示室に並ぶ10年間の作品を、ある視点に基づいて選択することで、その時代の美術の様相のみならず、同館のコレクションの特徴も浮かびあがってくるのだ。

今回の展示では、コレクションを代表する作家を改めて紹介することにも焦点があてられており、鶴岡政男、菊畑茂久馬、高松次郎、草間彌生、辰野登恵子などの作品群が並ぶのも見どころのひとつだ。また同館では、作家の個展を企画・開催したことを機に多くの作品を収蔵しており、今回はそうした新規の収蔵品のなかから、2021年に個展を開催した久保田成子と2022年のウェンデリン・ファン・オルデンボルフなど、収蔵後の初のお披露目となる作品も登場する。さらに、工業用のミシンで制作した刺繡作品で知られる青山悟や、片岡純也+岩竹理恵をはじめ、近年新たにコレクションに加わった作家と作品の紹介があるのも楽しみなところだ。

常に更新されるコレクションは、未完のまま次代へと引き継がれていく。そのコレクションのどこに焦点を当て、どう見せるかによって、コレクション展は様々な変化を見せる。2025年まで各時代の様相を見せる今回の展覧会は、過去から現在へとつながる私たちの時代の美術について、改めて考える契機となることだろう。
<開催概要>
『開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025』
会期:2025年4月29日(火・祝)~7月21日(月・祝)
会場:東京都現代美術館 コレクション展示室
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜(5月5日、7月21日は開館)、5月7日(水)
料金:一般500円、大学400円、高校・65歳以上250円
公式サイト:
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-250429/
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