寺島しのぶ「確実に残る作品」と力説 舞台『リンス・リピート ーそして、再び繰り返すー』開幕
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舞台『リンス・リピート ーそして、再び繰り返すー』 取材会より 左から)松尾貴史、寺島しのぶ、吉柳咲良
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すべて見る舞台『リンス・リピート ーそして、再び繰り返すー』が、4月17日から紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕する。娘の摂食障害が浮き彫りにする現代家族のすれ違いと苦悩を描き、2019年にオフ・ブロードウェイの話題をさらった作品で、今回が日本初上演。公演を前に出演する寺島しのぶ、吉柳咲良、松尾貴史が取材に応じ、意気込みを語った。
寺島は移民ながら弁護士としてのキャリアを築き、仕事と家庭のはざまで葛藤する母親・ジョーンを演じる。さまざまな枠組みの中で揺れ動く難役について、「常に白か黒か、勝ち負けで考える人物で、自分にも他人にも厳しい。演じていて辛いです」と語り、「娘が摂食障害になってしまう原因も、ここ(母親)にあるんじゃないかと。娘のことが大好きだからこそ、結構きついことを言ってしまい、ひどい目に遭わせてしまう」と分析する。
自身も俳優業と育児を両立させており、「特にうちは、息子も同じような仕事なので、つらく言ってしまうことも」と反省しきり。「母(富司純子)も強い人で『あなたは心が弱い』と言われたことも(笑)。良かれと思って言うことも、受け取る側が痛いと感じると、傷になってしまう」とも語り、本作が描く家族関係の複雑さに共感を示していた。そして「ハッピーハッピーなお話ではないが、確実に残る作品になると思います」と力説した。



摂食障害を患いながらも愛する家族と生きようとする娘・レイチェルを、日曜劇場『御上先生』での好演や、ディズニー映画『白雪姫』の日本版主演でも脚光を浴びる吉柳が演じる。「レイチェルの生命力や、言いたいけど言えないこと、心の内など、台本からくみ取れることが多かった。本人の葛藤や辛さは、なかなか超えられるものではないが、簡単には先に進めないしんどさを自分で体感したかった」と役作りへの姿勢を語った。
初のストレートプレイ挑戦で「歌がないと、こんなにも台詞量が多いんだと思った」と当初は戸惑いも。本作が描くのは「センシティブなテーマ」だとしつつ、「本当に身近で、誰にでも起こりうること。共感していただけると思うし、相手を思いやることのどこまでが愛で、どこまでがエゴなのか考えるきっかけにも。どんな解釈であっても、それが正解だと思います」とアピールした。

松尾が演じるのは、優しさと不器用さを持ち合わせる父・ピーター。「深い内容の戯曲で、取り組みがいがあった」といい、「とにかく稲葉さんがよくしゃべる(笑)。いろんな方向性が試せて、ディスカッションが豊富な稽古場」だと、第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した稲葉賀恵による演出を振り返る。観客に対しては「いかに他者に対する想像力と理解、要は思いやりですね。それらを深める端緒になれば」と期待を寄せていた。
取材・文・撮影(会見写真):内田涼
<公演情報>
舞台『リンス・リピート ーそして、再び繰り返す―』
脚本:ドミニカ・フェロー
翻訳:浦辺千鶴
演出:稲葉賀恵
【出演/配役】
ジョーン:寺島しのぶ
レイチェル:吉柳咲良
ブロディ:富本惣昭
ブレンダ:名越志保
ピーター:松尾貴史
【東京公演】
日程:2025年4月17日(木) ~5月6日(火・休)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【京都公演】
日程:2025年5月10日(土)・11日(日)
会場:京都劇場
■アフタートーク情報
終演後に、キャスト・スタッフによるトークショーを実施
【対象日程】
東京公演
・4月22日(火) 14:00公演(登壇者:寺島しのぶ、名越志保、松尾貴史)
・4月24日(木) 19:00公演(登壇者:演出・稲葉賀恵、美術・山本貴愛、舞台監督・大刀佑介)
・4月26日(土) 18:00公演(登壇者:吉柳咲良、富本惣昭、演出・稲葉賀恵)
・4月29日(火・祝) 13:00公演(登壇者:寺島しのぶ、吉柳咲良、富本惣昭、松尾貴史)
京都公演
・5月10日(土) 18:00公演(登壇者:寺島しのぶ・吉柳咲良・松尾貴史)
※約15分間実施予定。
※登壇者は急遽変更になる場合あり。
※対象公演回のチケットをお持ちの方参加可能。
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/rinserepeat/
公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/rinserepeat2025/
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