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ニューディアーが設立10周年、「Flow」監督や「ルックバック」押山清高が祝福

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「ニューディアー」10周年記念アイコン

アニメーション作品の配給や製作、映画祭のプロデュースなどを行うニューディアーが本日4月17日に設立10周年を迎えた。このたび「Away」「Flow」で知られるギンツ・ジルバロディス、「ルックバック」を監督した押山清高ら7名によるお祝いコメントが到着。公式SNSでは抽選でプレゼントが当たる感謝キャンペーンもスタートした。

「新海誠 国民的アニメ作家の誕生」「21世紀のアニメーションがわかる本」の著者として知られるアニメーション研究者の土居伸彰が設立したニューディアー。海外のアニメーション作家を国内に紹介する一方で、日本の才能あるアニメーション作家たちを海外へ送り出すことにも尽力してきた。土居は現在、国際アニメーション映画祭「ひろしまアニメーショーンシーズン」のプロデュースと運営も担う。

ニューディアーはこれまでにブラジルの「父を探して」「ペルリンプスと秘密の森」、フランスの「大人のためのグリム童話 手をなくした少女」、村上春樹原作の「めくらやなぎと眠る女」といった長編アニメーションを配給。プロデュースした作品には、ベルリン国際映画祭の短編部門にて銀熊賞に輝いた水尻自子の「普通の生活」、オタワ国際アニメーション映画祭のグランプリを受賞した和田淳の「半島の鳥」や折笠良の「みじめな奇蹟」などがある。

ジルバロディスは土居がいち早く国内に紹介したアニメーション監督の1人。彼は「ニューディアー&伸彰、10周年おめでとうございます! インディペンデント・アニメーションを制作し、支援し、配給するという仕事は、とても素晴らしいものです。世界中の人々が、エキサイティングで、ユニークで、革新的なアニメーションを求める中で、ニューディアーと伸彰は日本におけるその偉大な担い手の一人です。またすぐに会いましょう!」とコメントしている。

押山は「アニメーション制作はメジャーとインディーズの垣根が曖昧になり、作品数や表現の多様性が急速に広がっていく時代。ニューディアーのこれまでの歩み、そしてこれからの挑戦が、アニメーション表現の可能性を世界へとつなぐ存在として、ますます重要になっていくのだろうと思うと、とても楽しみです」と期待を寄せた。このほか批評家・ゲンロン創業者の東浩紀、俳優の岩瀬亮と内田慈、ミュージシャンのトクマルシューゴ、アニメーション作家の水尻によるコメントも到着。土居によるメッセージとともに以下に掲載している。

キャンペーンへの参加方法は、ニューディアーの公式XInstagramのいずれかをフォローしたうえで、ハッシュタグ「#ニューディアー10周年」を付けてお祝いメッセージを投稿すれば完了。抽選で10名にニューディアー関連グッズが当たる。プレゼント内容は以下の10通りで、「父を探して」の原画や福袋などが用意された。投稿には希望の番号を記載する必要があり、記載のない場合はランダムに決定される。応募は4月30日12時まで。

ニューディアー設立10周年 感謝キャンペーン プレゼント内容

  1. 土居伸彰サイン入著作2冊セット「私たちにはわかってる。アニメーションが世界で最も重要だって」&「新海誠 国民的アニメ作家の誕生」
  2. 「和田淳作品集 2002-2020」Blu-ray ディスク
  3. 「新しい街 ヴィル・ヌーヴ」Blu-rayディスク
  4. ニューディアー配給作品パンフレット 5冊セット
  5. ブルース・ビックフォード Tシャツ(Mサイズ)
  6. ゲーム「マイエクササイズ」オリジナルグッズセット
  7. ホン・ハクスン「ウィンクラビット」水彩画(鹿とウィンクラビット)
  8. 「父を探して」原画
  9. ニューディアー10周年福袋A(内容おまかせで計10点のグッズ入り)
  10. ニューディアー10周年福袋B(内容おまかせで計10点のグッズ入り)

東浩紀(批評家・ゲンロン創業者)コメント

批評家が会社をつくり、ジャンルの成長に貢献する。なかなかできることではない。土居くんがゲンロンのあとに続いてくれたことを誇りに思っている。10周年、おめでとう!

岩瀬亮(俳優)コメント

土居さんとの話は、いつも楽しいのです。語る言葉を持つ人の話を聞くのは本当に面白いから。こちらの話にも優しく耳を傾けてくれるから。そして何より、土居さん自身が楽しそうに話してくれるから。土居さんと話していると、「あ、こういう人が未来をいい方向にもっていってくれるんじゃないか」と感じることがあるのです。だからまた次の10年も、お話しましょう。10周年、おめでとうございます。

内田慈(俳優)コメント

ニューディアー10周年おめでとうございます! 代表・土居さんと初めてお会いしたのは10年以上前の、映画仲間が集まる会でしたね。席が隣になって、その穏やかな佇まい、お話の面白さ、クレバーさに惹き込まれました。土居さんならではの視点とセンスで海外と日本のアニメーションの橋渡しをなさるお姿は、まさにパイオニア。いつか何かの形でご一緒できたらなぁと思っていました。昨年2024年「めくらやなぎと眠る女」で声優として参加できたことは私にとってご褒美です。これからのニューディアー、いちファンとしてワクワクしています!

押山清高(アニメーション監督・スタジオドリアン)コメント

ニューディアー10周年、おめでとうございます! 土居さんは、アニメーションに深い愛を持っている。これから、アニメーション制作はメジャーとインディーズの垣根が曖昧になり、作品数や表現の多様性が急速に広がっていく時代。ニューディアーのこれまでの歩み、そしてこれからの挑戦が、アニメーション表現の可能性を世界へとつなぐ存在として、ますます重要になっていくのだろうと思うと、とても楽しみです。ちなみに、スタジオドリアンはようやく8年目。

ギンツ・ジルバロディス(アニメーション監督)コメント

ニューディアー&伸彰、10周年おめでとうございます! インディペンデント・アニメーションを制作し、支援し、配給するという仕事は、とても素晴らしいものです。世界中の人々が、エキサイティングで、ユニークで、革新的なアニメーションを求める中で、ニューディアーと伸彰は日本におけるその偉大な担い手の一人です。またすぐに会いましょう!

トクマルシューゴ(ミュージシャン)コメント

公園の片隅から何かを見つけて、「ほら、見て!」と差し出す子どものように。多くの才をつなぎ、私たちをひらいてくれる。土居さん、ずっと応援しています!

水尻自子(アニメーション作家)コメント

ニューディアー設立10周年おめでとうございます。アニメーションといえば思い浮かぶ人一位、土居さん。そんな土居さんにプロデュースしてもらい「不安な体」そして「普通の生活」が出来ました。完成するまでどこに着地するかもわからないような作品を一緒に作ってくれてありがとうございます。私のようなフラフラとアニメーションを作り続ける作家にとってニューディアーは何より力強く頼りになる存在です。これからもたくさんのアニメーションを世に放ってください!

ニューディアー代表 土居伸彰より

ゲンロン、HEADZ、boidなど批評と経営を両立する先輩方の背中を見て、知られざるアニメーションを世の中に広げるためにはマーケットに打ってでなければと勝手に使命感を感じ、大学に博士論文を叩きつけるように提出したその3週間後に会社登記をしてから早10年。「どうやって経営を成り立たせているのか」という率直な問いを何度も受けながら、僕自身も答えを探しつづけて、配給、映画祭運営、執筆や講演、自主イベントから公的なプロジェクトの運営、そしてゼロからの作品づくりまで(アニメーションのみならずゲームまで!)節操なくやってなんとか日銭を稼ぎ、何度も倒産の危機に見舞われながらそのたびに蜘蛛の糸のようなものが手の中に垂れてきて、かろうじて生き延びてきました。アニメーション業界に限らずさまざまな方からお祝いのメッセージをいただけたのは、そんな試みを挑戦的だと受け止めてもらえたからなのでしょう。なんでもやってみるもので、10年の積み重ねによって、国内でも世界でもたくさんのつながりと信頼が築きあがってきたのを感じました。その都度手渡された一本の糸が気付けば無数となって、それらを編み合わせればずいぶんな強度になっている気がします。次の10年はそれを命綱に拵えて、わくわくするアニメーション体験をみなさんにお届けするために、より力強く登っていこうと思います。