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レオス・カラックス「IT'S NOT ME」の始まりを語る、尾崎世界観は「まるで脳の奥でうがい」

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2025年3月に「IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」先行上映イベントのQ&Aに登壇したレオス・カラックス

レオス・カラックスが監督を務めた映画「IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」より、3月下旬に日本で行われたQ&Aイベントの映像、グラフィックデザイナーの大島依提亜が手がけたアナザービジュアル、ひと足早く映画を鑑賞した著名人のコメントが到着した。

同作は、カラックスがこれまでの作品への言及を多く交えながら、自身とその世界について語るもの。彼の展覧会を企画した仏パリの現代美術館ポンピドゥー・センターが「レオス・カラックス、いま君はどこにいる?(Où en êtes vous, Leos Carax?)」と問いかけたことをきっかけに生まれた。展覧会は実現しなかったが、美術館がこの質問への回答を映像で求めると、カラックスは2022年9月に死去したジャン=リュック・ゴダールにオマージュを捧げる42分の中編を作り上げた。

YouTubeで公開中の映像にて、カラックスは同作を制作するに至った経緯を自ら明かし、「戦争が起こりゴダールが死を決意した。たぶんこの映画にも大きな影響を与えている。でもそれが始まりではありません」と述べる。同作を編集した際の心境にも触れた。

アナザービジュアルは、不眠症のカラックスがベッドに腰かけているカットをはじめとして、盟友ドニ・ラヴァン、ジュリエット・ビノシュ、愛犬、娘のナスチャ、「ポンヌフの恋人」の撮影風景などで構成された。このビジュアルを使った大判ポストカードが、全国の上映劇場で初日来場者プレゼントとして配布される予定だ。大島は「あらゆる場面にみなぎる圧倒的映像美によって、さらにブーストし、唯一無二の映画に仕上げてしまった。そんな物量と精度(に対峙するには40分が限界じゃなかろうか)をアナザービジュアルに込めました」とコメントしている。

同作について、女優のイザベル・ユペールは「本当に驚くべき、清々しい映画で、言葉の最良の意味で“遺産(相続財産)”と呼ぶべき作品」と言及する。ミュージシャン・作家の尾崎世界観は「まるで脳の奥でうがいをするような、そんな感じ」、スタイリストの伊賀大介は「レオス・カラックスが撮れば、それが42分でも 125分でも、等しく忘れられない映画体験になってしまう」とメッセージを寄せた。

「IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー」は、4月26日より東京・ユーロスペースほか全国でロードショー。なお、公開記念フェアが4月26日から東京・SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)で開催される。

大島依提亜 コメント

一見すると、ジャン=リュック・ゴダール晩年の怒涛の音と映像のスタイルを“細かすぎて伝わらない”レベルで再現しているかのように思える。しかしそこはカラックス、あらゆる場面にみなぎる圧倒的映像美によって、さらにブーストし、唯一無二の映画に仕上げてしまった。そんな物量と精度(に対峙するには40分が限界じゃなかろうか)をアナザービジュアルに込めました。

イザベル・ユペール(女優)コメント

本当に驚くべき、清々しい映画で、言葉の最良の意味で“遺産(相続財産)”と呼ぶべき作品。ゴダールを随所に感じるけれども100%レオス・カラックス映画だと思う。私はこの映画にとても心動かされた。

尾崎世界観(ミュージシャン・作家) コメント

画面から連射されるいくつもの問い。そのどれもが、手にした途端、あっさり断ち切られる。そして、また次の問いが始まるまでの一瞬の何かが、頭の深いところに刻み込まれる。まるで脳の奥でうがいをするような、そんな感じ。

伊賀大介(スタイリスト)コメント

レオス・カラックスが撮れば、それが42分でも 125分でも、等しく忘れられない映画体験になってしまう。

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