木村達成「自分と向き合う素晴らしいチャンス」 清水邦夫の戯曲『狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~』稲葉賀恵の演出で上演決定
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『狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~』タイトルロゴ
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すべて見る日本演劇界を代表する劇作家・清水邦夫の戯曲『狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~』が、2025年10月に東京・IMM THEATERで上演される。
『狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~』は、挑発的、熱狂的でありながらも、美しい詩的なセリフが印象的な数多くの戯曲を生み出した清水が、1969年に安部公房の推薦で俳優座公演のために書き下ろした作品。劇作を始めて約10年経ち、劇作家として一本立ちするのにふさわしいものを追い求めていた清水が新しい世代の作家としての地位を確立した、まさに転機の一作と言われている。
今回、演出を手がけるのは、2022年に上演された『加担者』と、安部公房作の『幽霊はここにいる』の演出で第30回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した演出家の稲葉賀恵。主演は、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー制作のミュージカル『マチルダ』や、栗山民也演出のミュージカル『スリル・ミー』といった本格的ミュージカル作品から、白井晃演出のブレヒト作品『セツアンの善人』、小川絵梨子演出の不条理劇『管理人』など、さまざまな分野で俳優として活躍し、4月13日から放送の始まった日曜劇場『キャスター』(TBS系)にも出演中の木村達成が務める。本作で木村は、娼家の女主人のヒモで、逃れたくてもその優しさから逃れられずにいる青年【出】役を演じる。
そのほかの出演者など公演詳細は今後発表される。
■稲葉賀恵 コメント
清水邦夫の作品はいつも現実が狂乱で虚構であることを教えてくれます。
それでいて書かれている言葉は絵空事ではなく本当にそこで感覚を生み起こすための装置です。その簡潔で明瞭でそれでいてアイスピックのように鋭利な言葉を切り開け、手を突っ込んでいくと、人間の臓物や肉片のようなものが実際にぬらぬらと光っていて、それはとても妖艶で挑発的です。
この作品はそのような言葉の応酬で、「家族」というコミューンを媒介にして「人間」というものを限界値まで解剖していきます。虚構であると同時に現実的、青春であると同時に絶望的。この言葉たちを、切ったら実際に血が滲み出る「今」の物語として構築し、お客様に快楽の伝達を目指そうと思います。ご期待ください。
■木村達成 コメント

自分と向き合う素晴らしいチャンスをいただきました。
今回は自分が何度ぶっ壊れるか、楽しみです(笑)。
みなさまに楽しんで頂けるように頑張りますので、是非観にきてください!
【あらすじ】
ピンクの照明が妖しげに光る娼家。大学教授と名乗る初老の男「善一郎」はここの女主人「はな」の客である。そして青年「出」は女主人のヒモで、ここから逃げようとしているが、彼女の優しさから逃れられない。この娼家には若い娼婦「愛子」もいて、彼女の客である若い男「敬二」もやって来る。
やがて彼ら5人はまるでここがひとつの家族であるかのようなゲームを始める。初老の男が父親、女主人が母親、ヒモの青年が長男、若い娼婦が長女、その若い客の男が次男。
ところがその家族ゲームとは……。
<公演情報>
『狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~』
作:清水邦夫
演出:稲葉賀恵
出演:木村達成 ほか
2025年10月
会場:東京・IMM THEATER
公式サイト:
https://www.kyoujin2025.com
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