Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > PIA×NORTH ROAD MUSIC presents『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』vol.2 フレッシュで勢いあふれる次世代バンド8組が仙台に集結【オフィシャルレポート】

PIA×NORTH ROAD MUSIC presents『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』vol.2 フレッシュで勢いあふれる次世代バンド8組が仙台に集結【オフィシャルレポート】

音楽

ニュース

ぴあ

PIA×NORTH ROAD MUSIC presents『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』vol.2/なきごと  Photo:喜多直人

3月21日(金)、春の訪れを感じる仙台の地で『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』vol.2(以下、『CCCvol.2』)が仙台LIVE HOUSE enn 2nd&3rdで開催された。

仙台のライブハウスシーンを繁栄させるべく2024年に初開催した『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』。LIVE HOUSE enn 2ndとLIVE HOUSE enn 3rd会場にて、ライブハウスサーキット形式での開催。東北のプロモーター「ノースロード・ミュージック」と、プレイガイド「ぴあ」がタッグを組み「今、見てほしい!」と思うアーティストをピックアップ。会場には熱心なライブハウスファンが駆けつけた。

enn3rdのトップバッターで登場したのは男女ツインボーカルバンド・COPES。 SEに負けない一発目の音出しで、はじめは緊張していたオーディエンスの緊張感もほぐしていく。ちょた(ds)も楽しそうに歌いながらリズムを刻んでいく。2曲目には誰もが聞いたことのあるフレーズとリズム「イーアイ、イーアイ、オー」と歌いだす「E•I•E•I•O」。あっという間に3rd会場がCOPESワールドへ!

COPES

MCでは「俺たちのかっこいいところなにかしら見つけて帰ってください」と、しいなゆうき(vo/b)が語ると、カメイナナコ(vo/g)が「新曲やります!」と紹介し「summer」へ。COPES得意の疾走感あふれるポップチューンかと思えば、夏の夕暮れのセンチメンタルさを感じさせるフレーズが急に入り、さっそくも新しいCOPESを発見した気がした。

COPES

最後はこれぞCOPESなアッパーなナンバー3曲で一気に駆け抜ける。メンバー3人が三つ巴になって演奏するシーンもあり、ポジティブ&ハッピーな空間をつくりあげた。

enn2nd会場にトップバッターで登場したのは・アスノポラリス。ワンマンライブを含む東名阪広4カ所を回るツアー中の勢いそのままに登場。広島発4ピースギターロックバンドの彼らは現メンバー体制でのツアーは最後となる。

アスノポラリス

落岩(vo)が、「仙台で思い出作りをしたいし、また今日も仙台のことをもっともっと好きになりに来ました!」と叫ぶ。3曲目の「青春だろうな」ではラララの合唱が会場内に切なく響き渡った。歌い終わると静寂が会場を包み、落岩が「もっかい大事なことなんで言います、現体制ではラストの仙台です。歌い続けることができるように、また仙台に来れるように歌い続けます」熱く語り、最後の曲「だんだん」へ。

アスノポラリス

歌い終わってからも最後に「また会おう」と言って去っていった。現状を憂いながらも今を大切にし、未来のこともしっかり見据えているバンドだった。

続いてenn3rd会場に登場したのは、仙台初ライブの・SAIHATE。東京・下北沢を中心に活動する4ピースロックバンドで、一発目から自分たちのスタイルを放出。爆音をかき鳴らし、思いを叫ぶ。だが、MCはきちんと音を消して聞かせる。伝えたいことを一音一音きちんと歌い、届ける。打ち消すことなく重なる4つの楽器たち。演奏技術の高さも垣間見えた。

SAIHATE

曲が進むにつれて次第にオーディエンスも踊りたくてうずうずしている様子が伺える。激しく瞬くライト、コバヤシトモヤ(b)が織りなすグルーヴにあわせて、カナイタクミ(v/g)が歌詞に感情を乗せながら歌い上げる。

SAIHATE

一転、しっとりギターが響くと呟くように「東雲」と新曲を演奏。そこから一気にラストの『大器晩成』まで駆け抜けた。すべてを投げ打つような激しいサウンドは最後まで熱く、しっかり芯の通った渾身の7曲を披露した。

続いてenn2nd会場に登場したのは、すでにライブハウス界隈では注目を集めている、滋賀県を拠点に活動する4ピースバンド・Arakezuri。最初の一音目がぴたっと揃い、圧倒的なパフォーマンスを披露。吸い寄せられるように会場にも続々と人が集まる。

Arakezuri

白井(v/g)が「今日は遊ぼうぜ!」と煽ると、いっせいに拳を挙げて応えるオーディエンス。1曲目の『素顔』からいきなり大合唱が始まった。”もうあなたがたった独りで泣いてしまわないように”、一度聴いただけですぐに入り込めるフレーズが印象に残った。

椿(ds)がタイミングよく空を切るようなつんざくチャイナシンバルが心地よかった2曲目の「レイジー」。「本気で楽しんでいけよ」という叫びから始まった3曲目の「ウルトラエール」。さらに「元気なやついるかーい!まだまだ本気出して遊ぼうぜ」と白井がハンドマイクに持ち替えて始まった、「クアトリーセンチュリー」まで、パフォーマンスは一気に続いた。

Arakezuri

続いてのMCでは「遠い場所でも見てくれることが誇り。自慢のバンドでいたい」と白井が語り、ライブハウスでやり続けることの誇り、観客への感謝を語った。最後の曲では「いつも助けてくれてありがとう。あんたのヒーローになるよ!」と始まった「ヒーロー」。歌い終わると、最初の威勢のいい緊張感からはまるで別人の笑顔で会場を後にした。

『CCCvol.2』も中盤へ差し掛かりenn3rd会場に登場したのは、新潟県上越市発の3ピースバンド・ミニマムジーク。SEに併せて山之内ケリー(vo/g)、鍋島ヤヒロ(b)、オオサキケント(ds)が登場し、メンバーの緊張感がひしひしと伝わる。演奏がスタートするとさっきまでの緊張感と打って変わり、山之内と鍋島の動きのシンクロとハモリがとても心地よい。

ミニマムジーク

突如、機材トラブル発生のイレギュラーの際には、緊張をほぐそうと山之内がとっておきの仙台エピソードを話してくれる一面もあった。本来は自分たち主催のツアーで話したかったことなのだそうなので、ぜひ次の1stフルアルバム『標本』のリリースツアー、『VXツアー』で聞いてほしい。

機材トラブルを経ての再開。待ってましたとばかりのパフォーマンスは、山之内のギター、鍋島のベース、さらにオオサキの音が重なり、3人が織りなす「音楽」がライブハウスに響き渡る。3ピースとは思えないパワーに圧倒された。

ミニマムジーク

「あなたが幸せでいてほしい。そしてそこに俺たち3人がいたらもっとうれしい」。押し付けるような言葉でもなく、だが心の奥底から吐き出されるメッセージ。青い炎と赤い炎。実は青い炎のほうが温度が高い。 3rd会場のイメージカラーでもある青い部屋で、静かに燃え滾る熱い思いをその曲たちに込めて演奏が終了。鍋島が最後に見せた安堵の表情も印象的だった。

かわってenn2ndに登場したのは、仙台のバンドシーンをけん引する、地元仙台発の4ピースオルタナティブロックバンド・鉄風東京。このイベントの趣旨を誰よりも理解し応えてくれた彼ら。大黒(vo/g)がこれまで携わってくれた仙台の関係者の名前とエピソードを次々と挙げ、仙台話が止まらない!演奏でのパフォーマンスと同じくらいの熱い語りに各々の過去を重ね合わせたのか、思わず涙する観客も。

鉄風東京

鉄風東京の思いも最高潮へ。大黒が「つまんないものが積み重なって、でっかいものになった。仙台の人間にとっては、間違いなく大きな一歩。今日という日は涙が出るくらいいい日」と、噛みしめるように一言ずつ丁寧に語り、そして叫ぶ。それに拳で応えるオーディエンス。かと思えば、 急に静寂が訪れ、語り掛けるように歌う。”君なら 1人で大丈夫だって、そう言って逃げた僕は情けないな”。いっそう「21㎞」の歌詞が心に響く。

鉄風東京

「僕には音楽しかない」と語るも、終始エネルギーがみなぎるパフォーマンスを披露した彼ら。開演前にスタッフに会ってはしゃぐ人懐っこさ、人の好さを見かけ、つぶやいたひとことが沁みる「バンド続けてきてよかったっすわ」。何年経ってもライブを大事にするスタイルは変わらずに、仙台をけん引し続けていってほしい。

『CCCvol.2』もいよいよ終盤へ。enn3rd会場のトリとして登場したのでは、千乂詞音(vo/g)、庵原大和(ds)の2人組東京発憑依型ロックバンド・板歯目(バンシモク)」。「衝動とロマンス」が混ざった楽曲と激しさを増すライブパフォーマンスは必見。という紹介を受けたのだが、ライブパフォーマンスの前評判は去ることながら、「地獄と地獄」だなんて、曲タイトルだけで興味がそそられる。そして、筆者的にもやられた!稚拙な言葉ながら”かっこよすぎる!”これに尽きる。

板歯目

轟音がライブハウスに鳴り響く。爆発力たっぷりのパフォーマンスが圧倒的過ぎて、おそれおののいてしまう。1曲目より最新曲「親切」を投下。会場内を板歯目の爆音でオーディエンスを取り込んでいく。

2曲目になると演奏を心から楽しむ庵原の笑顔も見えて、会場全体が体を揺らし始める。しかし、千乂は容赦ない。歌声がまるでマシンガンのように半端ないスピードと圧力で飛んできて止まらない。りゅーや(サポートb)も庵原も正確さを欠かすことはない。

板歯目

思わず千乂が「あちぃ!」と叫んでしまうほど、会場はすでに熱気に包まれていた。演奏中とは異なる顔を覗かせる千乂。チャーミングな声に、別人格を感じてしまう。ARABAKI ROCK FEST.25に出演すること、自身のツアーでもまた7月に来仙することも口にし、また仙台で会えることを約束してくれ、全10曲を披露し、魂のすべてを注ぎ込んだパフォーマンスが終了した。

『CCCvol.2』も最終アクトへ。ヘッドライナーとして enn2nd に登場したのは、水上えみり(vo/g)と岡田安未(g)による 2人組ロックバンド・なきごと。会場には、彼女らを見届けようと人が集まってくる。SE に併せて岡田、水上が真っ白な衣装に身を包み登場。

なきごと

水上が「なきごとは、なきごとらしく、なきごと、はじめます」と切り出し、CCCvol.2 の最終アクトをスタートした。言葉を大事にしている思いが伝わる水上の歌に一気に引き込まれる。水上の「新曲やります」という掛け声とともに始まった最新曲「愛才」。ギターリフが軽やかでアッパーなリズムが心地よく、サウンドエフェクトで彩られた曲がポップにより一層仕上がっていた。曲中歌いながら、観客のひとりひとりをまっすぐ見つめる水上。手をスッと真っすぐ挙げて煽る仕草に、手を振り上げないわけにはいかないだろう。水上が「お手を拝借。あなたといっしょに作る曲」と言われた時もライブハウス中が手拍子に包まれた。

「『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』ってなんで 3回なんだろう、って考えた」と、自分なりの解釈を語ってくれた水上。文化が続いていくこと、立ち上げたこと、積み重ねていくこと、そしてお客さん一人ひとりにつながっていくこと。自分たちのこれまでの活動も振り返りながら、このイベントの趣旨を最初にくみ取ってくれたなきごとは、”なきごと”らしい魅力がつまった 7曲を披露した。

なきごと

ライブハウスサーキット方式で仙台LIVE HOUSE enn 2nd&3rdにて開催された今回の『CCCvol.2』。この若きバンドマンたちがそれぞれに経験を積み、また新たなステージでライブを目撃する日が楽しみである。また次のPIA×NORTH ROAD MUSIC presents 『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』の開催も期待したい。

Text:鈴木妃呂子 Photo:喜多直人

  <公演情報>
PIA×NORTH ROAD MUSIC presents『CULTURE!!!CULTURE!!!CULTURE!!!』vol.2
2025年3月21日 宮城・仙台 LIVE HOUSE enn 2nd & 3rd
出演:アスノポラリス/Arakezuri/COPES/SAIHATE/鉄風東京/なきごと/板歯目/ミニマムジーク

【関連サイト】

アスノポラリス オフィシャルサイト
https://asunopolaris.wixsite.com/-site

Arakezur オフィシャルサイト
https://arakezurishiga.com/

COPES オフィシャルサイト
https://copes.ryzm.jp/

SAIHATE Linktree
https://linktr.ee/saihate

鉄風東京 オフィシャルサイト
https://tepputokyo.jp/

なぎごと オフィシャルサイト
https://nakigoto.com/

板歯目 オフィシャルサイト
https://lit.link/Banshimoku

ミニマムジーク オフィシャルサイト
https://minimumusik.com/

フォトギャラリー(16件)

すべて見る