『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』第一弾プログラム発表 各国の手話で魅せる演劇や即興手話バトルも
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『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』
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すべて見る2025年11月6日(木) から9日(日) に東京・座・高円寺ほかで開催される『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』の第一弾プログラムラインナップが発表された。
本芸術祭は、手話・視覚言語を軸に、国境・言語・文化を越えて“目で観る舞台芸術”を集めた、国内唯一の国際舞台芸術フェスティバル。ろう者である総合ディレクター・牧原依里によるキュレーションのもと、演劇や映画を中心とした国内外のろう芸術を紹介し、手話とろう文化の魅力を広く発信するとともに、多様な文化交流の場を創出する。
今回は、独自の演出で注目を集めるカンパニーデラシネラの小野寺修二が演出するノンバーバル演劇や、アメリカ発祥の即興手話バトル『SIGN SLAM』、さらにマーベル映画『エターナルズ』など世界的な映像作品で手話監修を務めた専門家ダグラス・リドロフによるパネルディスカッションなど、ろう者と聴者が共につくる多彩なプログラムを予定している。
そのほか、日本手話・国際手話・日本語が交錯する体験型演劇(イマーシブシアター)や本芸術祭のために結成された“目でおどる”阿波おどりグループ「手話のまち連」パフォーマンスなど、これまでにない手話舞台表現の可能性に挑む作品群も。チケット発売は2025年5月17日(土)、第二弾プログラム発表は夏頃を予定している。
『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』開催に寄せて
■杉並区・岸本聡子区長

100周年の記念すべきデフリンピックに合わせて、今年の11月に、この杉並で『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』を開催できることは、本当に素晴らしいことだと思います。
杉並区においては、令和5年4月の手話言語条例施行もひとつのきっかけとして、地域の聴覚者団体、手話団体のご尽力もあって現在、手話への認知が区民の間に広まりつつありますが、未だ、ろう者・難聴者の社会参加の機会は限られており、まだまだ解決すべき課題があるとも認識しているところです。
こうした中、『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』は、手話による演劇やパフォーマンスを通して、多くの方に、映像的・視覚的に情報を伝える「ろう文化」に触れていただくことを目指し、開催されます。ろう文化の素晴らしさにふれ、理解を深める機会となりますので、この芸術祭へのご参加を心よりお待ち申し上げております。
■座・高円寺芸術監督:シライケイタ

劇場は昨年、聞こえない世界に生きる人たちとの素敵な出会いをしました。『夏の夜の夢』のパックを演じてくれた西脇将伍さんとの共同制作の時間はとても豊かで、幸せな時間でした。この出会いを今後、更に大きく広げていきたいと思っています。「世の中のあるべき姿を劇場が創っていく」という理念のもと、誰もが平等に生きられる世の中を実現していきたいと思っています。だから座・高円寺は、ろう芸術祭を全力で応援します。
<開催情報>
『手話のまち 東京国際ろう芸術祭2025』
日時:2025年11月6日(木)〜9日(日)
会場:東京・座・高円寺 ほか
【第一弾発表プログラム】
■オープニングセレモニー(11月6日(木))

総合ディレクター・牧原依里による挨拶を皮切りに、長年にわたり舞台で活躍してきたろう俳優たちによる手話パフォーマンス、本芸術祭のために特別に結成された、目でおどる阿波踊りグループ「手話のまち連」、そして日本ろう者太鼓同好会による迫力ある演奏を披露。
出演:井崎哲也、那須英彰、手話のまち連、日本ろう者太鼓同好会
司会:佐沢静枝、森田明
使用言語:日本手話・日本語
通訳・文字起こし:国際手話・日本語(音声/文字)・英語(文字)
■異言語イマーシブシアター『交差』(11月6日(木)、7日(金)、8日(土)、9日(日))

日本手話・国際手話・日本語が交錯する、全く新しい体験型演劇。観客は「時空探偵団」として物語に没入し、登場人物と共に事件の謎を追う。ワールドプレミア上演。
企画制作:異言語Lab.
監督/構成/脚本:菊永ふみ
総合演出:數見陽子
聴者監修:城島和加乃
制作:山村麻由美 / 渡邉美保 / 後藤かおり
出演:板橋弥央、奥村泰人、南雲麻衣、西脇将伍、BAFURO ほか
上演時間:約80分/ワールドプレミア
上演言語:日本手話・日本語・国際手話(一部情報保障有り:日本語・英語・国際手話)
※出演俳優(聴者)を2025年5月2日(金) まで募集中。詳細はこちら。
https://www.igengo.com/intersection-audition
■レクチャーパフォーマンス『マーク・オブ・ウーマン』(11月6日(木)、7日(金))

女性と刺青文化を、視覚的に構築された詩的な手話表現(ビジュアル・ヴァナキュラー)とテクノロジーで探求するパフォーマンス。ジャパンプレミア上演。
芸術監督/パフォーマー:南村千里
制作国:イギリス
上演言語:イギリス手話
字幕:日本語・英語
■演劇『オン・ザ・エッジ』(11月7日(金))

劇場で働くニールスが現実と幻想の境界に揺れ、精神世界を描く手話劇。メンタルヘルスとの関係を問いかけながら、他者との関わりに潜む「奇妙さ」を探求する本作は、即興と実験を通じて手話で創作され、手話の視覚的表現の可能性を追求している。
出演:オリヴィエ・カルカダ、ボー・ホーデル
演出:オーレリアン・マン
制作:Teater5005
制作国:デンマーク
上演言語:国際手話・英語音声
字幕:日本語・英語
■演劇『終着駅への軌跡』(11月7日(金)、8日(土))

ろう者の歴史を辿る不朽の名作。1995年の初演以来、全国各地で上演されてきた名作が新たな解釈で蘇る。
原作:米内山明宏・那須英彰
出演:砂田アトム、江副悟史
制作:終着駅への軌跡制作委員会
制作国:日本
上演言語:日本手話
字幕:日本語・英語
■トーク『ミラ・ツッカーマン:劇場を築く』(11月7日(金))

ノルウェー政府の支援を受けて設立された、ろう者のための公立劇場「劇団マヌ」。その創設者であり、演出家のミラ・ツッカーマンが自身の歩みを語る。地域のろう者劇団から世界的な舞台へと発展させた彼女の功績は高く評価され、2022年にはノルウェー演劇賞「ヘッダ名誉賞」を受賞した。
登壇:ミラ・ツッカーマン
制作国:ノルウェー
使用言語:国際手話
通訳・文字起こし:日本手話・日本語(音声/文字)・英語(音声/文字)
■バトル『SIGN SLAM』(11月7日(金)、8日(土))

即興力と表現力が試される、国際的な手話バトル大会。アメリカ発祥の『SIGN SLAM』創設者ダグラス・リドロフが来日。手話に関する表現なら何でもあり! 選ばれた16人がぶつかり合う。優勝者を決めるのは観客のあなた。
出演:ダグラス・リドロフ、板橋弥央 ほか
司会者 使用言語:日本手話・国際手話
■演劇『100年の眠り』(11月8日(土)、9日(日))

流されず、惑わされず、眠りから始まる。グリム童話『眠り姫』から想を得た無言劇。演出はマイムの動きをベースに、独自の演出で注目を集めるカンパニーデラシネラの小野寺修二。ダンス・マイム・手話・コトバの境界を超えた、身体を探求する。ろう小学生の出演により子どもたちの可能性にも着目。
作・演出:小野寺修二(カンパニーデラシネラ)
出演:數見陽子、中江央、榎本トオル、崎山莉奈、雫境、那須映里、守屋水結 ほか
制作:日本ろう者劇団 × デフ・パペットシアター・ひとみ × カンパニーデラシネラ
上演言語:ノンバーバル
■パネルディスカッション『手話監修とDASLの現場から』(11月8日(土))

マーベル映画『エターナルズ』を始めとした手話監修を行うダグラス・リドロフが来日。NHKなどで手話監修を務める江副悟史を始めとした専門家が集い、アメリカと日本における「手話監修(アメリカではDASL)」の実践に注目。役割の違いや共通点を探る。
登壇:ダグラス・リドロフ、石村真由美、今井ミカ、江副悟史、早瀬憲太郎
司会:牧原依里
登壇者/司会者 使用言語:日本手話・アメリカ手話
通訳・文字起こし:日本手話・日本語(音声/文字)・英語(文字)
■トーク『Teater5005:手話と共に創る舞台芸術』(11月9日(日))

聴者を含む多様な観客が共に楽しめるパフォーマンスを目指すデンマークの注目劇団Teater5005による実践報告。芸術のアクセシビリティと創造性の新たな可能性を提示する。
登壇:Teater5005メンバー(ボー・ホーデル、オーレリアン・マンシノ ほか)
使用言語:国際手話
通訳・文字起こし:日本手話・日本語(音声/文字)・英語(文字)
制作国:デンマーク
■クロージングセレモニー(11月9日(日))

ろう芸術のひとつ、ビジュアル・ヴァナキュラーの第一線を担う3人によるパフォーマンス。日本・フランス・メキシコのコラボにより、手話と文化が交差する芸術祭を締めくくる。
出演:那須映里/オリヴィエ・カルカダ/エディ
司会:佐沢静枝/森田明
登壇:牧原依里 ほか
司会者/登壇者 使用言語:日本手話・日本語 ほか
通訳・文字起こし:国際手話・日本語(音声/文字)・英語(文字)
公式サイト:
https://shuwanomachi.jp/
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