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東京都庭園美術館、恒例の建物公開展 今回は旧朝香宮邸における建築空間の「機能の変遷」に着目

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松井写真館 《朝香宮邸正面外観》 1933年頃

1933(昭和8)年に朝香宮家の自邸として竣工した港区白金台にある東京都庭園美術館の本館は、1920年代にパリに滞在した朝香宮夫妻が当時最新のアール・デコ様式のデザインに魅了されて建設させたもの。昭和初期の邸宅建築としては最高峰のひとつとされ、国の重要文化財に指定されている。毎年テーマを決めて開かれてきた恒例の建物公開展が、今年は6月7日(土)から 8月24日(日)まで開催される。

今回のテーマは、旧朝香宮邸における建築空間の「機能の変遷」だ。実は朝香宮邸は、邸宅や美術館としてだけでなく、様々に活用されてきた歴史がある。朝香宮家が過ごした邸宅としての時代は14年間。第2次世界大戦終結後の1940年代後半には、当時の首相・吉田茂が外相・首相公邸として活用し始め、7年にわたる公邸としての役割を終えた1955(昭和30)年からは、国の外交を司る迎賓館として、19年間もの間、多くの国賓を迎え入れてきた。その後の7年間は、⺠間の催事施設として多くの人々に利用され、美術館として開館したのは1983(昭和58)年のことだ。

東京都庭園美術館本館 書斎

同展は、美術館として42年目を迎えるこの建物が、時代ごとにどのような機能や役割を果たし、人々と共生し、その歴史を紡いできたのかに焦点をあてるもの。各時代を彩るゆかりの作品や資料、写真や映像を通して、建物の記憶を紐解いていく。

家具や調度品を用いた邸宅空間の再現展示や、3階のウインターガーデンの特別公開など、空間を体感したり、建築意匠をじっくり見たり、建物自体の魅力を楽しめる展示もある。建物公開展が夏に開かれるのは約6年ぶりのことで、カーテンを開け放った窓から夏の新緑の美しい庭園が望めるのも今回の見どころだ。なお、新館に並ぶのは、装飾芸術との関連で国内外を問わず収集してきた現代作家の作品群。同展では、一定の条件下で写真撮影も可能となっている。

東京都庭園美術館 ウィンターガーデン_マルセルブロイヤー《ワシリーラウンジチェア》(復刻品)

今回の新しい試みは、旧朝香宮邸と同時代の建築である港区立郷土歴史館(旧公衆衛生院)とのコラボレーション展示を行うこと。同館から徒歩10分ほどの距離にある郷土歴史館の4階ギャラリーでは、サテライト展示『交わる建築 旧公衆衛生院×旧朝香宮邸』 が開催され、両館の建築部材や装飾を通して、用途の違いやデザインの比較展示があるのも興味深い。

<開催概要>
『建物公開2025 時を紡ぐ館』

会期:2025年6月7日(土)~8月24日(日)
会場:東京都庭園美術館
休館日:月曜(7月21日、8月11日は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
料金:一般1,000円、大学800円、高校・65歳以上500円
公式サイト:
https://www.teien-art-museum.ne.jp/

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