「M:I」空中戦シーンはトム・クルーズが1人で飛行機操縦&カメラ操作
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「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」来日記者会見の様子
映画「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」の来日記者会見が本日5月7日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、キャストのトム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、監督のクリストファー・マッカリーが登壇した。
シリーズ初の2部作として製作された本作は、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」のラストでイーサン・ハントが“鍵”を手にしたところから物語が展開する。クルーズがスパイ組織IMFに所属する主人公イーサンを演じた。
昨日行われたジャパンプレミアにて、日本の観客とともに本作を鑑賞したクルーズは「素晴らしかった。美しい体験でした」と語る。MCを務めた関根麻里が「日本の映画館でスタンディングオベーションが起こるのは珍しいことです」と伝えると、クルーズは「私たちは映画を観客のために作っているので、あの反応は夢のようでした。昨夜のことはずっと忘れません」とほほえむ。そして「7年掛けて『デッドレコニング』『トップガン マーヴェリック』『ファイナル・レコニング』を制作しました。『ファイナル・レコニング』の(日本語)字幕ができたのは2、3日前」と明かし、客席にいた翻訳担当の戸田奈津子をたたえた。
約30年続く本シリーズについて、クルーズは「これは僕が初めてプロデュースした映画。自分にとって、さまざまな地理、文化を世界と共有することが『ミッション:インポッシブル』での目標でした。プロデューサーとして、俳優として、ストーリーテラーとして、そしてスタントマンとして、自分自身に挑戦できるのです」と常に学びがある現場への感謝を口にする。
続いて、最新作で飛行機の翼部分に捕まったり歩いたりしながら演技をしたことに話題が及ぶ。クルーズは「監督は『よし、ここからここまで数秒で飛んでくれ』って言うんだけど、僕は『いや、物理的に無理だ』と。風圧がすごくて困難なんです。『飛行機に座って、翼の上に出て、その圧力を感じてみろ』と言って監督にも訓練をさせました」と裏話を明かす。それによって“風が強すぎて呼吸ができない”ことなどを理解したマッカリーは、水中のシーンではスキューバダイビングの訓練を受けたうえで一緒に潜り、手信号で演出の指示を出すなど、クルーズの肉体的な負担やパフォーマンスに寄り添っていたそうだ。
ペッグは、自身が演じたキャラクターに関して「ベンジーがチームを率いるのは今回が初めてで、配下には暗殺者、政府機関のエージェント、そして泥棒がいます」と述べて観客の笑いを誘い、「チームをまとめるのは簡単ではありませんでしたが、リーダーを務めるのは本当に楽しかったです」と振り返る。アトウェルは「演じたグレースは、常に一匹狼で、独立心が強く、非常に用心深い性格でした。それはチームに所属することの代償として愛する人を失うことに強い恐怖を感じているからだと思います」と分析し、「(本作では)彼女は個人的な野心を超えて、より大きな目的意識を持って生きています」と役柄を紹介した。
パリス役のクレメンティエフは「これまでは敵役だったのですが、今回はほかのキャラクターと一緒にいます。パリスはすごくミステリアスなところがある。彼女の脆い一面も見られると思います」、ドガ役のデイヴィスは「イーサン・ハントが正しい決断を下してきたのか、誰かが公然と疑問を呈するのです……今、どれだけ話していいのかわからず緊張しています(笑)。彼らの努力が報われるかどうか、これから見守るしかないですね」とそれぞれネタバレを恐れつつアピールした。
撮影は南アフリカ、ノルウェー、ベルギーなど世界各地で行われた。北極圏での撮影ではホッキョクグマに出くわすこともあったといい、マッカリーは「ボートに乗ってこようとしたこともあっって、一日に何度もホッキョクグマに邪魔されました」とロケ撮影ならではのエピソードを披露。マッカリーは空中戦の撮影にも言及し、「トムが自分で言わないから言います。この空中シーンでは、トムが飛行機の中で1人でいることが多いことに気付くと思います。カメラを操作する人も、カメラのフォーカスを合わせる人も、照明の位置を決める人もいないのです。トムが飛行機に乗って操縦しながらショットの指示を出し、自分のショットのフォーカスを操作し、演技もしていました」と驚きの舞台裏を明かした。クルーズは「ヘリコプターで撮影を見守っている監督からは『もう少しフォーカスを早めに!』と指示が飛んでくる。ただそれ以上に『楽しんでるように見えないようにして!』と、表情についてよく指摘されました(笑)」と述懐した。
最後にクルーズは「クリストファー・マッカリーとの関係にとても感謝しています。彼の情熱と映画を作る能力、そして1つひとつの瞬間を捉えるための努力、そして彼がそれをいかにしてこのレベルに高めたか……本当に素晴らしいです」と敬意を表し、ファンに対しては「18歳からこの仕事をしてきましたが、皆さんは私を支え、(映画を)観に来てくれました。本当に感謝しています」と熱い思いを語った。
「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」は、5月17日より先行上映されたのち、5月23日に日米同時公開される。
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