台本を読んで笑顔に、リチャード・ラウンドトゥリーが遺作「テルマがゆく!」に込めた思い
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「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」より、左からベン(リチャード・ラウンドトゥリー)、テルマ(ジューン・スキッブ)
映画「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」より、同作が遺作となった俳優リチャード・ラウンドトゥリーにスポットを当てたインタビュー映像が公開された。
本作は「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」のジューン・スキッブが93歳にして初主演を果たした“スロー・アクション・コメディ”。監督を務めたジョシュ・マーゴリンの祖母の実体験をもとに、オレオレ詐欺に引っかかってしまった主人公テルマが、大金を取り戻すため冒険を繰り広げるさまが描かれる。スキッブは電動スクーターでのカーアクションや銃撃など、アクションもすべて自身でこなした。
1971年の映画「黒いジャガー」の私立探偵シャフト役で知られるラウンドトゥリー。1970年代、主にアフリカ系アメリカ人に向けた映画ジャンル“ブラックスプロイテーション”を牽引し、惜しくも2023年10月にこの世を去った。「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」ではテルマと行動をともにする相棒ベンを演じており、テルマとベンの軽妙なやり取りが観客を笑わせる。
YouTubeで解禁となった映像で、ラウンドトゥリーは「ベンのような役は初めてだったから演じてみたいと思った。それにジューンとも共演したかった」と語り、スキッブも「リチャードは私が出会った人の中で、最もクールな人」とその魅力を絶賛。バディとしての息の合った関係性をうかがわせる。
共演のクラーク・グレッグは「リチャードの作品を見て育ったので、彼と仕事ができたのは夢のようだった」と称賛を惜しまない。また「黒いジャガー(原題:SHAFT)」のロゴと写真がプリントされたTシャツを着た、若いメイクスタッフたちの姿も。ラウンドトゥリーにメイクをしたことに「マジでヤバい、彼は最高」と大興奮の様子を見せる。ラウンドトゥリー自身は「台本を読んで自然と笑顔になった。“絶対に出演したい”とね」と出演の決め手を説明。クランクアップ時に彼が温かく祝福される様子も収められた。
「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」は6月6日に東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
©Courtesy of Universal Pictures