橋田賞の授賞式に伊藤沙莉、宮藤官九郎、阿部サダヲ、河合優実ら　特別賞は石井ふく子

第33回橋田賞の授賞式が本日5月10日に東京・ホテルニューオータニで開催された。

橋田賞は、脚本家の橋田壽賀子が創設した橋田文化財団によって設立され、芸術性の豊かな完成度が高い番組や出演者、制作スタッフに贈られるもの。同賞には2024年度前期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」のほか、テレビ東京の「カンブリア宮殿」、「不適切にもほどがある！」の脚本を執筆した宮藤官九郎と主演の阿部サダヲ、「虎に翼」ヒロインの伊藤沙莉、ジャーナリスト・解説者の池上彰が選ばれ、新人賞は河合優実、奈緒、松本若菜が受賞した。

長年にわたり映像・舞台作品で活躍する草村礼子には、野村昭子賞が贈られた。草村は「（橋田が脚本を手がけた連続テレビ小説）『おしん』で小林綾子さんがうんと小さかった頃にお母さんの役を演じさせてもらったのが、映像の仕事をさせていただくようになるきっかけでした。ありがとうございます」と口にした。

橋田壽賀子生誕100年記念特別賞は、NHKの連続テレビ小説と、「渡る世間は鬼ばかり」シリーズなどのプロデューサー・石井ふく子が受賞。NHKコンテンツ制作局の菓子浩は「朝ドラでは時代ごとに新たな主人公が生まれ、さまざまな困難にめげることなく夢をつかんでいく。そしてその姿に全国のお茶の間から熱い応援をいただける。こんな幸せなドラマ枠はなかなかないんじゃないかなと思っております」とスピーチする。そして「これまでの112作を作り上げてこられたすべてのキャスト・スタッフの皆さんの尽力の賜物。ざっと計算しても3万人を超えると思うのですが、その多くの方々とこの喜びを分かち合いたいです」と感謝を伝えた。

現在98歳、“世界最年長の現役プロデューサー”だという石井は「これまでやってこられたスタッフの皆さん、俳優の皆さんのおかげでこの賞を頂戴することになりました」と控えめに話す。橋田とは60年間一緒に仕事をしてきたといい、「何かあると喧嘩して『もうやんない』『やってよ』と繰り返してきた60年でした。いつも一緒にいた橋田さんがなんでここにいないのかと思うとものすごく寂しいです」と心境を吐露し、「これからもスタッフの皆さん、俳優の皆さんとご相談しながら、“心のあるドラマ”を皆さんにお見せしていきたいと思います」とも語った。

第33回橋田賞 受賞結果

橋田賞

連続テレビ小説「虎に翼」
「カンブリア宮殿」
宮藤官九郎（「不適切にもほどがある！」「新宿野戦病院」の脚本に対して）
阿部サダヲ（「不適切にもほどがある！」「広重ぶるう」での演技に対して）
伊藤沙莉（連続テレビ小説「虎に翼」での演技に対して）
池上彰（ジャーナリスト・解説者としての活動に対して）

橋田賞新人賞

河合優実（「不適切にもほどがある！」「RoOT / ルート」での演技に対して）
奈緒（「あのクズを殴ってやりたいんだ」での演技に対して）
松本若菜（「西園寺さんは家事をしない」「わたしの宝物」での演技に対して）

野村昭子賞

草村礼子

橋田壽賀子生誕100年記念特別賞

連続テレビ小説
石井ふく子

橋田賞新人脚本賞

一時間ドラマ部門

佳作
「シニアの居場所」 松山富江
「遠くから来た客」 今泉紗弥

短編部門

入選作
「おまけ」 日比谷祐希
「よいおとしを」 青山ユキ
「素直になれなくて」 不動里美