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勘九郎・七之助、7年ぶりの博多座公演「見て損はない舞台に!」

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2019年、2023年の『平成中村座 小倉城公演』で、多くの観客を熱狂させた中村勘九郎と中村七之助。博多座への出演は2018年の『二月花形歌舞伎』以来7年ぶり! その意気込みと演目の見どころを聞いた。

――博多座公演への思いと、九州のお客さまの印象について聞かせてください。

勘九郎:博多のお客さまからずっと「小倉城ばかりでなく、博多座でもやってくれ」という声を頂いていたので、その声に応えることができ嬉しい限りです。初めて博多座の舞台に立った(2002年の)公演で『東海道四谷怪談』の時に、父・勘三郎が演じるお岩様が毒薬を飲むシーンでお客さまから「飲まんとよ!」と声がかかったのが印象的で(笑)。博多のお客さまは、面白い作品への入り込み方がすごいと感じます。

七之助:若手時代『新春浅草歌舞伎』で絆が深まったメンバーで地方公演をしたいと思っていた時、最初に呼んでくださったのが博多座さんでした。当時はまだほとんど無名な役者ばかりだったので、お客さまが来てくれるか心配でしたが、『お練り』で予想以上のお客さまが詰めかけくださったのが今でも忘れられません。

――おふたりが出演している昼の部の演目と見どころを教えてください。

勘九郎:『お祭り』は、鳶頭が“いなせに”踊ります。醸し出す雰囲気や色気が非常に大事で難しい演目ですが、「待ってました!」「待っていたとはありがてぇ」というコール&レスポンスが、久々の博多座にぴったりだと思い選びました。簡単な掛け声なので、歌舞伎が初めてという方にも気軽に参加して頂きたいです。

七之助:『福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)』は、上方落語『貧乏神』を題材にした新作歌舞伎です。私が演じる貧乏神のおびんが、働かない男・辰五郎にとり憑いたことから始まる人情話で、単純に楽しんで頂ける内容です。昨年5月に新宿シアターミラノ座で初演したばかりですが、福岡のお客さまからのリクエストも多く、博多座で早々の再演となりました。初演との違いは、市川猿弥さんが貧乏神の元締め役として出演すること。めきめきと力をつけてきている辰五郎役・虎之介の活躍にも注目してください。歌舞伎町を舞台にした物語が博多バージョンでどう変わるのかも見てのお楽しみです。

勘九郎:『福叶神恋噺』は、見る人によって「喜劇・恋愛劇・悲劇」と解釈が変わるのが面白いところ。私は『お祭り』の鳶頭と同一人物とは思えない、すかんぴんという貧乏神役で出演します(笑)。今回、地方公演では毎回スケジュールが合わなかった猿弥さんが出演してくれることになり、急きょ『福叶神恋噺』にも新しい役をつくってもらいました。『朧の森に棲む鬼』のマダレ役を見た方ならご存じだと思いますが、どう転んでも面白くしてくれるのが猿弥さん。芝居も上手く、踊りも踊れるパーフェクトな歌舞伎俳優です。

七之助:猿弥さんは人間的にもすばらしく、公私ともに仲良くしてもらっています。落語をもとにした小佐田定雄さんの作品は『廓噺山名屋浦里』以来、何本かやらせてもっていますが、猿弥さんとはそのうちの1本で、女形の親子役をさせていただいたこともあります。『福叶神恋噺』は約1時間ほどの演目で、毎日登場人物たちの掛け合いが変わるのも見ものですが、今回の上演時間は猿弥さん次第ですね(笑)。

――夜の部『怪談乳房榎』はどんな作品ですか?

勘九郎:三遊亭円朝師匠が創られた作品で、父が三世實川延若の叔父さまから手取り足取り習っていなければ、この世に残っていなかったかもしれない演目です。見どころは、私が扮する元武士の絵師・菱川重信、下男の正助、そして悪役・蟒三次の三役早替り。体力的にもしんどい作品ですが、単なる早替りの着せ替えショーにならないよう、いかに役になりきるかが肝だと思っています。磯貝浪江を初役で勤めるのは、中村芝翫の浪江を観て育った橋之助です。

七之助:私は物語の発端となるお関という役を演じます。初演から勤めている役なので、自信を持ってお届けできると思います。

――『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき) 引窓』と『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)道行詞の甘替』については?

勘九郎:『引窓』は、親子、夫婦、兄弟の愛や絆が凝縮された名作で、橋之助、中村福之助、中村鶴松の若手3人が勤めます。『菅原伝授手習鑑』は福岡のご当地ものですが、59年ぶりの上演ともあり、実は私もどういう作品かあまり知りません(笑)。虎之介、福之助、鶴松の3人が、菅原道真の道行をどう再構築して見せてくれるかにご期待ください。

――最後にメッセージをお願いします。

七之助:今回の『六月博多座大歌舞伎』は、長年一緒にやってきたメンバーも多いので、信頼できる仲間と同じ方向を見ていい芝居をつくれる自信があります。昼夜ともに意欲的な演目を用意し、みなさまに喜んでいただけるよう全身全霊で努めますので、楽しみにしていてください。

勘九郎:物価高の中、通常の6月公演よりチケット料金(A席)を500円安くしてくださった博多座さんに心から感謝しています。その気持ちに応えられるように、中村屋一丸となってお客さまに「観に来てよかった」と思っていただける面白い公演にしますので、ぜひ劇場へ足をお運びください。

六月博多座大歌舞伎

チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2557941

<福岡公演>
6月4日(水)~26日(木)
※休演日:6月10日(火)、18日(水)
博多座

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